George.C.Reifel Migratory Bird
Sanctuary
レイフェル渡り鳥保護区
※こちらのインフォメーション(力作!)もどうぞ。
季節はずれのStorm(嵐)が去り、気持ちよく晴れ渡ったバンクーバーの朝。少しだけ車の運転にも慣れ、ダウンタウンから99号線を南に走ること4、50分。ラドナーの街を過ぎ住宅地を抜けると、畑地が広がる開放的な風景になってきました。バンクーバー南郊のフレーザー川河口一帯は、世界的にも重要な渡り鳥の中継地で、目指す「レイフェル渡り鳥保護区」もその中にあります。
しばらく行くと保護区の案内板がありました。右折して木の橋Canue Pass Bridgeを渡ります。ここはバードウォッチングポイントの1つだそうで、車を路肩に止めてチェック。しかし風が強く、カワアイサCommon Merganserなどが少しいただけでした。しかしさらに車を走らせると、畑地にナキハクチョウTrumpeter Swanの大群が入っていました。道路からは7−80mほど離れていましたが、騒々しい鳴き声がリアルに伝わってきます。
橋から4−5キロで保護区の入り口に到着です。車を降りようとすると、上空からガンの鳴き声が聞こえてきました。見上げると、ハクガンSnow Gooseの編隊が次々と飛来してくるのが目に入りました。それも大群です! 青空に白い大きな鳥、そのコントラストの美しさと力強い羽ばたきにしばし感動。バードウォッチングという趣味に出会ってから20年近くになりますが、鳥を見て感動したのは初めてかも知れません。大小の群は途切れることなく続き、保護区内に降りていきます。期待が高まります。さっそく受付で入場料(大人1人C$4、ハルはもちろん無料)を支払い、パンフレットを貰って出発。受付の建物はギフトショップも兼ねていて、野鳥にちなんだ土産物が置いてありました。
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受付事務所兼グッズショップ。 |
約400ヘクタールの保護区内には、観察路、デッキ、ベンチ、展望台や観察小屋などが各所に設けられ、また高低差はほとんどない地形のため、幼児や高齢者、身体障害者でもバードウォッチングが楽しめます。この日もベビーカーに赤ちゃんを載せた親子連れや、車椅子の人などが訪れていました。観察路や池沼、水路にはマガモMallardやアメリカヒドリAmerican Wigeon、オオバンAmerican Cootなどが群れており、足下まで寄ってくるあたりは上野の不忍池さながらです。ハルは路上にひしめくカモの群にビビっていましたが、すぐに慣れて、「ガーガー!ガーガー!!」と喜んでいました。
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アメリカヒドリAmerican Wigeonは日本にもたまに飛来するカモですが、ここでは普通に見ることが出来ます。あまり警戒心もなく、足下まで寄ってきます。マガモMallard、アメリカオオバンAmerican Cootに次いで数の多い鳥でした。 |
水路や池沼では前述のカモに混じって、少数のオオホシハジロCanvasbackやヒメハジロBuffleheadなどを見ることが出来ました。中でもオウギアイサHooded Merganserはとても美しい水鳥で、一見の価値ありです。そして、最大の目玉はやはりハクガンで、数万羽がこのエリアで越冬するということです。この日は保護区の西側の海岸にざっと10,000−15,000羽ほどが付いていて、その名の通り、まるで雪が降り積もったような光景でした。ハクトウワシBald Eagleが現れると驚いて一斉に飛び立ち、その地鳴りのような羽音と鳴き声は圧巻でした。
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ハクトウワシBald
Eagleの若鳥が、杭に止まって様子を伺っています(上)。 |
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オウギアイサHooded Merganserです。オスの頭部にフード状の冠羽があることがその名の由来です。アップでみるととてもエレガントな鳥なんですが、重さを気にして望遠レンズを家に置いてきてしまったため、この程度の写真しか撮れませんでした。 |
アメリカヒドリのカップルに友好関係を迫るハル。彼にとってはマガモだろうがオオギアイサであろうが、みんな同じ「ガーガーさん」です。 |
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後頭部の白色がとても目立つヒメハジロBufflehead。まれに日本にも飛来することがあり、僕も北海道の野付半島で1回だけ見たことがあります。その時は60倍の望遠鏡を使っても豆粒のようにしか見えなかったので、今回じっくり観察できて満足でした。 |
(レイフェルで見られた鳥たち)
Red-necked Grebe
Brandt's Cormorant
Great Blue Heron
Trumpeter Swan
Snow Goose
Canada Goose
Mallard
Gadwall
American Wigeon
Eurasian Wigeon
Nothern Pintail
Canvasback
Bufflehead
Common Merganser
Red-breasted Merganser
Hooded Merganser
American Coot
Herring Gull
Glaucous Gull
Bald Eagle
Northern Harrier
Cooper's Hawk
Rough-legged Hawk(Buzzard)
Belted Kingfisher
Common Raven
Black-capped Chickadee
Dark-eyed Junco
Song Sparrow
Red-winged Blackbird
Purple Finch
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レイフェルのほぼ全域が池沼の点在する低湿地ですが、水路沿いにはこのような木立の中のトレイルもあります。久しぶりに枯葉を踏みしめてのトレッキングを楽しみました。ハルも、落ち葉を拾ってビリビリ破いては喜んでいました。 |
期待にたがわぬ素晴らしい場所でした。池沼、海岸、疎林、草原などバラエティーに富んだ環境が凝縮されています。短い滞在でしたが、この保護区を歩いただけでバンクーバーに来た甲斐があったといっても過言ではないほど、充実した時間を過ごすことができました。