DIARY-4

2001.7.04
 独立記念日のこの日は昼前にガラパンでパレードがあるため、いつもより交通量も少なく静かな朝だった。パレードを見に行くか迷ったが、実質的に最終日ということもあり、ビーチでのんびり過ごすことにした。その前に、朝は不機嫌なハル殿のゴキゲンをとるため、海辺の公園の滑り台で遊ばせることに。

 ニッコー・サイパンのすぐ北にあるパウパウビーチは波もなく鏡のように穏やかで、地元の人たちがバーベキューなどを楽しんでいる。沖合まで浅い砂地が続いているので、安心して子供を遊ばせておくことができる。

 

 ひとしきり遊んだ後撤収し、ビーチロードの向かい側にある某ショッピングモールを覗いてみる。ここは最近、某航空会社がプロデュースしてオープンしたところだそうだが、人影はきわめてまばらで、昼にも関わらず開店すらしていない店も見受けられた。Tシャツ1枚だけ買って帰ることに。
 途中で猛烈なスコールに見舞われた。ちなみにサイパンの道路は舗装の質があまり良くなく、雨に濡れると非常にスリップしやすくなるので、注意が必要である。マクドナルドの駐車場に入ってしばし雨が通り過ぎるのを待つ。
 ちょっと遅めの昼食はサンホセの小さなレストラン(注4)にて。味はまあまあだった。さすがに疲れもたまってきており、僕とハルはホテルに戻るとそのまま沈没。

(注4)この店、今回の旅で、機内食を除いて唯一「許せる」と思える味と価格だったので実名を紹介しておこう。私見だが、高級ホテルの高級レストランはどうだか知らないが、中途半端にカネを出すぐらいならいっそのことケチりまくったほうが良いような気がする。
     ※ エル・セグンドス El Segundo's チャラン・カノアの市街地(パシフィック・ガーデニア・ホテル1階)

 目覚めるともう夕暮れだった。サイパン最後の夕食ということで、少し車で走って「お通し5品無料サービス」の韓国料理店に行く。骨付きカルビ、石焼きビビンバ、ドリンクなどを注文。韓国の焼き肉はうまいとピーチがいうので注文してみたが、この店のは別にたいした味ではなかった。ちなみに一番美味かったのは「お通し」。こんなんで約8000円。絶対にこの国のレストラン価格は間違っている。激しい雨の降る中、ガソリンスタンドで給油しホテルへ戻る。レンタカーのキーを返して(注5)、4日目も終了。

(注)今回車を借りたTレンタカーは、滞在したホテル内にデスクがあって非常に便利だった。契約上は午後7時までだったがデスクの営業時間は5時までなので、キーはホテルのフロントにあるボックスへ入れておくようにと言われたが、この方法だと返却時間を少々オーバーしても追加料金は取られない(だろう)。

 

(ショッピングセンターにて)
 幸いなことに、ホテルの真向かいが大きなショッピングセンター(注:免税店ではなくフツーのスーパー)だったので、日用品の調達などいろいろお世話になった。ちなみに右の写真で左側の棚は全部シリアルのコーナーである。さすがはアメリカ自治領、みんな朝はシリアル喰ってます。こないだ家の近所のスーパーで「シリアルどこにありますか?」と店員に聞いたら、「シリアルって何ですか?」と言われたが、ここでは間違ってもそんなことはない。
そんなわけで、経費節減のため、滞在中の朝食はシリアルとパンが中心となった。





 

 2001.7.04
 最終日。朝っぱらホテル前のビーチで泳いだあと、シャワーを浴び、チェックアウト。ほどなく空港行きのバスが到着し、ホテルを後にした。
 空港までは直行すれば20分ほどだが、バスは市内の主要ホテルを順に回って帰国する観光客を拾い集めると、なぜか例の「GAL●ERIA」に立ち寄った。約1時間半の「ショッピング&お食事タイム」なのだそうだ(注6)。観光のみで成り立っているといっても過言ではないサイパンのしたたかな手口である。1ドルでも観光客の財布から搾り取るというわけなのだ。会社への土産に、いちばん安いクッキー3ドル等を購入し、さっさと2階の「Hロック・カフェ」へ。前回と全く同じハンバーガーとサラダを食す。
 空港に到着して出発ゲートをくぐると、またまた免税店だ。キンコンゲートの出口が既に店内という巧妙な作りになっており、観光客はここで最後のご奉公をしてから帰れ、という寸法なのだ。ここでピーチは有名芸能人を目撃(注7)

(注6)サイパンみやげはコレ!というものは特に見あたらなかった。お約束のチョコレートもほとんどがハワイ製だったりする。ちなみにサイパンの観光用キャラ「サイパンダ」のぬいぐるみがオリジナルの土産として盛大に売られているが、ネーミングがあまりにベタであることに加え、ペニスサックのような変な鼻をしているため、あまり買っている人はいなかった。こうした動物系では日光江戸村の「ニャンまげ」を凌ぐ強烈なキャラは未だ現れていない。蛇足だが最近になって江戸村には「パンまげ」という便乗キャラが登場したときいているが、人気はいまひとつらしい。ちなみに筆者は江戸村に行ったことはない。
(注7)名前はあえて伏すが、コメディ集団「S.E.T」のヒトだ、とだけ言っておこう。


(火炎樹)
 見ての通り、燃えるように赤いことからこう呼ばれている。日本の統治時代には桜の代わりに「南洋桜」と呼んで、祖国を懐かしんでいたそうである。海のブルー、山の緑とともにサイパンを代表する色彩である。

 サイパン国際空港は免税店以外にこれといったアクティビティもないので、ハルと一緒に飛行機などを見てすごす。しばらくすると搭乗案内のアナウンス(注8)があり、改札の長蛇の列を横目に見ながら搭乗(注)、定刻に離陸。

(注8)搭乗案内は英語、続いて日本語でアナウンスされるが、ビジネスクラス以上の金持ちと、幼児連れの家族(全クラス)は先に機内に入れるので聞き逃さないように。これはノースウェストに限らず割と多くの航空会社でも同様。

 いつも思うことだが、帰りの座席は窓際がいい、と思う。いままで自分の居た国を上空から見られるチャンスは他にないからだ。この日は南風が吹いていたらしく、南に向かって離陸し、島の南〜東海岸を総ナメにしていく。道仁迷った東海岸がどうなっていたのか手に取るようにわかる。バードアイランドが午後の日差しを受けて白く光っていた。そしてバンザイ・クリフの駐車場と小さな墓標を最後に、サイパンは遠ざかっていった。


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