サボテンの花    チューリップ 詞・曲 財津和夫

 財津和夫さんのやさしい声、やさいいメロディ。寒い冬から春に向かってという、ちょっとは希望のもてる歌詞がいいのかもしれません。ドラマ「ひとつ屋根の下で」のテーマソングで、でもやっぱりわたしには「懐かしい曲」です。
 歌詞の内容をみてみると、どうも彼女が突然、家出というか2人で住んでいたところを飛び出したようです。まぁここで「非現実的」と思うのは当然です。洗濯の途中で出て行ってしまったのですから。「洗濯物のなかに自分のものはなかったのかな?」などと、考えてはいけないと思いつつ、考えてしまいます。あまり感情的な行動はよくありません。出ていくなら、ちゃんと出ていきましょう。
 でも、彼女が出て行く原因を作ったのは彼のほうのようです。「君を愛せばよかった」ということは、「君を愛してはいなかった」ということなんでしょう、きっと。彼女は出ていくべくして、出て行ってしまったのなら、「ちょっとそれひどいやん」と思います。
 でも彼のことを「あっ、きっとわたしのほうが好きになりすぎている」って思ったら、やっぱしわたしは引いてしまいます。わたしは、自分でもびっくりするくらい、好きになってしまいます。「こんなに好きになったら、相手に負担がかかるやん」ってくらい。だからできるだけそういうところが相手にみえないように、悟られないようにします。
 だから、自分から出て行った彼女の気持ちがちょっとわかるのです。
 「あっ、この人、もうダメ。わたしのほうが100倍好きになってる」って感じたら、自分から去ると思います。自分を守るためには、壊れる前に自分から壊さなければって思います。

 「この長い冬が終わるまでに」って、やっぱり失恋は、冬に限るのでしょうか。
 出会いは春で、別れは冬。そうなのかなぁ。
 恋愛も失恋も「旬」なんてあるはずないけど、でもやっぱり失恋には冬が似合います。春にむかって、小さなサボテンの花を想像しながら、この歌を聴けば、ちょっとは元気になるのかもしれません。