4区のランナーを車の中からと沿道から、計6回応援して、5区のランナーに襷は託されました。
車でランナーを追いかけていくと、3、4人のランナーが固まっていました。もう5区なのだからバラけているはずなのに、と思ってましたが、どうやら繰り上げスタートのランナーが固まっていたようです。
1−4区ではトップランナーから10分以内、5−8区では15分以内で、繰上げスタートになります。襷をつなぐのが駅伝としたら、繰上げスタートというのは痛恨の出来事でしょう。
5区の選手は、大東大は2年の古川くん、中大は1年の中村くんです。
古川くんは、11月の青東駅伝で安比高原の下りの区間で区間賞という勲章が光っています。(その区間は去年、中大OBの永井くん(彼も箱根の山下りで区間賞の経験あり)が区間賞で、今年も狙っていたけどとれなかったところです。)
中村くんは大牟田高校出身。大津くんや土橋くんなら知ってるけど、中村くんは?という人もいるかもしれないけど、中村くんは2年のときの全国制覇のメンバなんです。
5区は8区間のなかで2番目に短い11.6キロの区間です。ここはランナーの前にはいくことができず、車のなかからだけの応援になりました。
後ろから追いかけているので、順位が下のほうが先に応援です。まず、中村くんを応援して、次に古川くん。車の中から突然、名前を呼ばれて、選手はびっくりしないかな、っていうそんな心配もしていました。
4区から始まった追いかけ応援も6区になって、ようやく要領がわかってきました。選手たちを後ろから追いかけていくときに、車のなかから大騒ぎで応援して、そして(順位の下の)順番に選手を抜いていって、ある程度抜いたら左の道に入って車をとめて、走ってくる選手を待って、応援します。大東大と中大が過ぎたら、再び車に乗って、走っている選手を追いかけていくというパターンです。
わたしは今回、大東大の応援部隊とご一緒させていただいたのですが、大東大と中大の差があまり大きくなかったので、「どちらも一緒に応援する」ということが奇跡的に可能でした。もしどちらかの大学がぶっちぎっていたら、両方を応援することはできなかったと思います。偶然とはいえ、こんなにうまくいっていいのかなぁって、ほんとにそう感じました。
もし大東大と中大のタイムが離れていたら、大東大の選手がいったあと、「中大は遅いから、先いきますよ」なんてことに、駅伝は何が起るかわからないから、なっていたかもしれません。もしそういうことになっていたら、わたしはどうしたかなぁ。「はい、大東大の応援に支障をきたしてはいけませんから、先にいきましょう」と理解を示したか、それとも「わたしは中大の応援をしなければ、なんのために伊勢路まできたかわかりません!」と超わがままを言っていたか、よくわかりませんが、とにかく2校が接近していて、まるでわたしたちのために合わせてもらっているのかしら?というくらいでした。
花子の不満はやっぱり、大東大のあとに中大がきていること。
いえ大東大の実力はわかっています。別に大東大の後ろだからってことじゃないけど、でも、やっぱり中大には、シード落ちなんて似合わないから、頑張って欲しいと、ほんとにそう思います。
でも、応援隊の車の中の空気は、4区の田子くんの快走で完全に大東ペース。そりゃあ、うちはね、出雲で大敗しているので、こういう展開もあり得るんですけどね、でもね、やっぱりね、わたしは「中央は強い」と思っているのですよね、どこかで。
5区へは、山梨がトップ、日大は最後でスパートしましたが、2人のデッドヒートは最後まで続いて、ほぼ同時に襷を渡しました。(46秒) その後は、順天、東洋、早稲田も抜かして大東の田子くんが1分23秒差。早稲田(1分40秒)、東洋(1分43秒)、順天(1分58秒)、中央(2分01秒)という順で5区へつなげました。
山学の松田くんが先行して、そのあと日大の藤井くん、駒大の佐藤くんがほぼ同時の襷渡しだったけれど、スタート直後から藤井くんがずっと前に出ました。藤井くんは最初の1キロを2分46秒で入り、佐藤くんを突き放すというような走りではなかったでしょうか。
その後ろは、大東大の古川くんで少し離れて、早稲田の杉山くんと東洋の清信くんが並んで、そのもう少し後ろに中大の中村くんと順天の伊牟田くん、第一工の中山くんが並んでいます。
山梨の松田くんはほぼキロ3分ペースで、3キロ地点で日大の藤井くんとの差は30秒を切りました。(中継では46秒差)。藤井くんが松田くんとは明らかに違うペースで後ろから追っているという感じです。5キロ地点でも松田くんは15分20秒とペースはあがらず、一方、藤井くんは3分を切っているので、さらに20秒以上の差を詰めていきました。中間点(約5.5キロ)で松田くんと藤井くんが追いつき、5.8キロでまもなく藤井くんが前に出ました。
中間点では、駒大の佐藤くんが24秒差、大東大の古川くんが、早稲田の杉山くん、東洋の清信くんがほぼ並んで、1分39秒差。そのあと中央の中村くん、第一工の中山くんが2分差。順天の伊牟田くんが少し遅れています。
6キロすぎ、4位集団(早稲田、大東、東洋)は多少の前後はあるようですが、3人で前の選手を追っています。中央の中村くんは、並走していた第一工の中山くんより前にでています。6.5キロで藤井くんと松田くんの差は11秒になりました。46秒差を詰めて、さらに10秒以上の先行したことになります。松田くんは1キロを3分10秒とペースがあがりません。
8キロすぎで藤井くんと松田くんとの差は20秒。さらにその後ろから駒大の佐藤くんが松田くんとの差を詰めています。9キロで藤井くんはさらに30秒、10キロで40秒と表情は苦しいけれど差を広げています。
10キロで松田くんと佐藤くんとの差がほとんどなくなって2秒ほど。そして10.4キロで佐藤くんが前に出ました。このままいくと松田くんはズルズルと後退していくのではと思われましたが、ここで踏ん張って中継所では佐藤くんとほぼ、同時に襷を渡しました。ここでも松田くんの踏ん張りは見事だと思います。そしてまたまた見せてくれたのが駒大のラストの強さです。表情はとても苦しそうなんですが、駒大のラストは必ず強いです。
1位、日大、2、3位、駒大、山学が猛烈な2人のスパートで54秒差。4位は早稲田(2分09秒)、5位は大東大(2分14秒)、6位東洋大(2分16秒)、7位中大(2分28秒)、8位第一工(2分55秒)、9位順天(3分16秒)。10位東海大。
順位の動きは日大(3→1)、山学(1→2)、駒大(2→3)、早稲田(5→4)、大東(4→5)、東洋(6→6)、中央(8→7)、第一工(9→8)、順天(7→9)、東海(11→10)となっています。
日大の猛攻、駒大の静かな攻め、順天の後退といったところが5区の特徴でしょうか。