8区(19.7キロ)

 6区から7区の中継直後に応援してからは、選手たちを追いかけるこができず、別ルートで伊勢へ先回りです。7区と8区で30キロほどあるので、余裕の移動です。途中からもう1台の大東車(カトーさんが乗ってられます)とも合流して、伊勢の神宮会館(閉会式がここで行われて、祝勝会会場でもあります。)を目指しました。
 その間の選手の様子はほとんど掴んでいなくて、実はわたしは池永くんが6位に上がったのも知りませんでした。ただ、4、5、6、7位あたりが混戦模様というのが漠然とわかっていました。それから、山学のモカンバくんがどんなふうに追いかけるか、それにも注目していました。
 今さら、留学生云々ということは言っても仕方ないけど、でも、もしモカンバくんが最終区で「バヒューン」といってしまうとなんか複雑ですよね。もちろん、カリウキくんとモカンバくんがいることは、最初からわかっているんですけど、でも、外国人(というかケニア人)の走りを間近でみたことある人はわかると思いますが、腰から足が出てるって感じなんです。(ケツはどこいったんだ!って感じ。)内向きになってそういう世界に目を向けないことはいけないことなんですけど、複雑さを感じるというのも特別へんな感情ではないと思います。
 車のなかから、携帯でネットに繋いで情報を得ようとしたのですが、これもあまりうまくいかなくて、道路もさっきまでは横を選手が走っていたり、沿道に人がいたけど、今は、そういうことがないので、ますます駅伝が別世界になってしまったようです。
 8区、中大は池田くんです。わたしのこれまでの池田くんの印象は、「何かいうのは終わってから」というもので、今日も最後まで静かに応援しながら待つと決めていました。そういう意味でレースから離れての移動は、わたしには丁度、よかったのかもしれません。

 しばらく行くって最後のほう?は、駅伝のコースを通ります。沿道にはたくさんの人。わたしは去年、来ているので、見覚えのあるところもあって、懐かしい気もします。でも、それにしても去年は、何も知らずに伊勢までやってきたものだと思います。かなり無謀な行動だったんですね、今、思えば。でも、去年にそうやって来て、観戦記を書いてアップしているなかで、今日、ご一緒させてもらっている方々ともお知り合いになれたのですから、ひとつの行動が発端でいろいろなことが開けていくことがあるものだなぁと、感慨深いものがありました。
 駅伝のコースを沿道の注目?のなか進んでいって、本来なら行けないはずのところも「○○大学(今さら伏せても仕方ないけど)です。神宮会館へ行きます」と告げると、ちゃんと通してもらえます。もちろん、その通りで、別に無理矢理に通れないところを通してもらっているわけではないけど、でも、やっぱりわたしには、「すっごっー」って感じです。なんか関係者みたい、、、で。(その車は関係者なんだけど。)

 神宮会館の駐車場は、上のほうまであって、くるくると回って駐車場に車をおいて、外に出ました。今の順位は、ますますわからず、「中央が迫っているらしい」ということも言ってくださってるんですが(リップサービスかな?)、わたしは「池田くん、頑張ってくれてるよね、きっと」と思いつつ、もう1台の車の4名と、こちら6名が合流して、ゴール地点へ歩いて行きました。
 歩いていくと、ますます去年のことを思い出しました。たしか神宮会館前から宇治橋前まででバスの料金がはねあがってびっくりしたんだよねって。神宮会館あたりには、応援団もいて駅伝雰囲気プンプンという感じなんですが、そこからしばらくは、あまりそういう気配は感じなくて、ときどき移動してくる応援隊が宇治橋を目指して歩いているところをみるくらいです。
 でも、宇治橋に近づくにつれて、各大学の応援部隊が小旗を準備するなど集団になっていて、今度は駅伝雰囲気プンプン。もちろん中大の応援部隊の「白門(はくもん)会」の支部の方々がいらっしゃいます。わたしはというと、グリーンの大東ヤッケを着つつ、手には「C」の「箱根駅伝を強くする会」の小旗に、「Dの小旗」。背中にはランリュックを背負っていたので、「大東大」の文字は隠れているものを思っていたのですが、実は隠れていなくて、実はその後、白門おばさんに痛烈攻撃をうけることになったのです。
 宇治橋のゴール地点の近くには、関係者とすでに走り終えた選手、付き添いの選手が集まって、アンカーの選手を待っていました。そこから、若干わたしのミーハーココロが動いて、「うわっ、田子くんや!村田くんや!」と内心でキャーキャーと言っていました。その場にいたい気持ちもあったのですが、やはり沿道で最後の応援をしたかったので、「あの、ゴールのもう少し前まで行って応援していいですか」と行って、大東グループから離れました。
 まもなくアンカーの選手がやってくるので、各大学のすでに走り終えた選手が結構いらっしゃって、別に必要もないのに、なぜかドキドキしてしまう花子でした。
 応援するなら、あまり人の多いところではなくて、しっかり選手に声が届くところと、去年の教訓も生かして場所探しです。これまでいろいろと応援してきて、わかったことは、電柱や木などなにかそういうものが片側にあるところがベストポイントということです。木などがあれば、まわりから取り囲まれてて、後ろに追いやられるということはとりあえず避けられて、とにかく木や電柱にしがみついておけば、気弱なわたしでもなんとか場所を確保できるからです。
 去年と同じように見通しのいいところを見つけて静かに待機していました。横を各大学の応援部隊&走り終えた選手が通ります。走った選手は、ベンチコートにナンバーカードがついているので、すぐわかります。あいかわらずわたしのミーハーココロは動きっぱなしなのです。
 駅伝観戦というのは、とにかく「待ち」です。60分待って、応援するのは数秒。そんなものなので、待ちの時間を退屈せずにいかに楽しく過ごすことができるか、これがコツです。でも、やっぱり待っているのは長いです。
 しばらくしたら、広報車がやってきました。あまりアナウンスに慣れているとは思えない女性の声で
 「現在の順位は、1位駒沢大学、2位山梨学院大学、3位日本大学、4位大東文化大学、5位東洋大学、6位と7位を早稲田大学と中央大学が争っています」
 ガー−ン、やっぱり、、、、シード争いしているなんて、、、、そんなぁ。池田くん、お願い、頑張ってと祈るしかありません。
 その広報車が行ってしまってから、さらに時間が経って(ほんとに待ちは長い)、同じ広報が繰り返されました。そうしているうちに、沿道の向いに見覚えのあるお顔、、、、中大の木下監督ではありませんか!それから1区を走った岡本くんと付き添いの選手(すみません、お名前がわかりません。)が3人でその広報になんとなく反応されている感じでした。そりゃぁ、そうでしょう、卒業生というだけのわたしがこんなに心配しているのだから、その真っ只中にいらっしゃる監督さんや選手のみなさんが心配しないわけがありません。なんとなく不安そうにコースをみやってられて、そのうち沿道のこちら側に渡ってこられました。えっ、監督さんたちとこんなに近くで待つの?と、別の意味でびっくり。いやぁ、でも、岡本くんの精悍な感じ、ステキです。

 さんざん待つわりには、選手がくるのは結構、突然に感じます。
 もちろん、広報車がきたり時計車がきたりとものものしいのですが、なにせキロ3分を切るようなペースですから、来たと思ったらあっという間にいなくなってしまう、そんな感じなのです。
 そうしているうちにやってきました、、、、、、駒沢の松下くんです。
 去年は同じ駒沢の高橋正仁くんでした。今年は松下くん。駒沢は、神屋くん、揖斐くん、高橋くんが卒業して、松村くん、布施くんがメンバからはずれているのに、潜在力、根本的にもっている力が1枚上なのかな、やっぱり強いです。
 松下くん、ちょっと苦しそうな感じやけど、でもとっても嬉しそう。いいなぁ、1位って。走る松下くんに見入って、応援の声をかけるのを忘れそうになったけど、「おめでとう」といったのか「松下くーん」と名前を呼んだのかよく覚えていませんが、とりあえず応援。
 そして少ししたら山学のモカンバくんがやってきました。
 最初はかなりのハイスピードで入ったとはきいていたけど、やはり20キロ近くではもたなかったようです。接戦という距離ではなく(モカンバくんから松下くんはたぶん、見えてないと思います。)、2位でゴールのほうへ向われました。
 モカンバくんが前に行ったぶん、日大の中谷くんとは少し離れていました。ここも接戦とはいえない距離で走っていかれました。中谷くんは、松浦亜矢(字あってる?)ちゃんと同じ姫路の安室中学の出身なのです。こんなこと、当の中谷くんもご存知じゃないかもしれないことです。

 そうして次に見えたのが、ライトグリーンにオレンジのパンツ。
 うわぁ、大東大の山脇くんじゃないですか!
 いいなぁ、4位。だって、途中までは中大のほうが前にいたんだから。中大がこの位置にいたって全然、おかしくないはずなのに。(でも、やっぱり出雲の11位があるから、そんなに強気じゃなかったです。)
 大東大は出雲が5位で、全日本が4位。いいなぁ、来年は予選会なしで出場できるから。(この際、自分ちだから書いておきますが、全日本の予選の日、京都の護王神社(足の神さん)へ行き、「ライトグリーン戦士たちの足の安全」をパンパンとお参りして、そのあと藤森神社(勝負ごとの神さん)へ行き、「ライトグリーン戦士たちが勝ちますように」とパンパンとやってきたんです。来年は、自分ちのためにやりますわ、、、はい。)
 山脇くんも、とってもいい感じ。山脇くんって、あんまり苦しい顔ってされないのかなぁ。焼津ハーフのビデオを見せてもらったけど、あのときは専修の行友くん(だったけ?)が先行したけど、とっても苦しいって感じには見えませんでした。もっとも、苦しそうに見える人と、苦しくてもそうはみえない人、どちらもいらっしゃるようですけど。
 そしてすぐにきたのが東洋大。1区区間賞で、そのあと大きく落ちることなく、結局、最後まできてしまいました。(という書き方は、たいへん失礼だということはよくわかっています。)川嶋監督には熱田でも目撃し、さっきも沿道の向こう側を歩いてられるのを目撃しました。たしか青東もホンダの大沢さんに代わって走られているはずです。ご自身も走られ、監督としてもきっちり仕事をされてと、すばらしいです。川嶋さんは好きなランナーのお一人でした。シドニーをかけたびわ湖(だったかな)の激走を忘れません。旭化成のキャプテンとしてのご経験を東洋大学で発揮され、選手もそれにこたえた活躍をされました。アンカーの北岡くんもとっても嬉しそうに見えました。

 北岡くんが行ってから、次のランナーが見えるまでは、少し時間が長く感じました。
 木下監督も、思わず沿道に出られて遠くのほうをうかがってられるようでした。6位と7位のひとつちがうだけで、シード権が得られるのです。予選会なしで本線に望みたいのは、どこのチームも同じ。だからとっても心配です。それにしても、「あっ、だれか沿道に入ってるー」と思ったら、木下監督だったのには、自分に少し苦笑いでした。
 そしてやってきたのは、前年ながら(早稲田ファンのかたすみません)早稲田の後藤くんでした。そして、残りの距離からすればとてもおいつけないような差(といっても数十メートル)で、池田くんがきました。
 池田くんはそんなにバテているようには見えませんでした。(そのとき、わたしは池田くんと後藤くんが10キロ以上並走していたことを知りませんでした。)
 「もうダメよね、7位よね、シード落ちよね」と思ったけれど、それと応援とは別です。
 一生懸命、大きな声で「池田くん、ファイト〜」と応援し続けました。
 でも、池田くんが行って、7位とわかってかなり力が抜けたというのは、ほんとうのところです。まぁ、出雲の11位があるから、それを思えば、、、、かもしれませんが、でも、やっぱり中大は強いのがよく似合うので、7位というのは、受け入れたくない順位です。
 池田くんが過ぎて行ったら、木下監督と岡本くんともう一人もゴールのほうへ行かれました。
 あんまりすぐ後ろを歩くのは気がひけたので、少し時間をおいてわたしもゴールへ向いました。
 すると、ちょうど中大の応援を終えられた白門会のどこかの支部のかたが、わたしの後ろ姿をみて
 「この人、中大の旗持ってるぅ、、、、でも、大東って書いてあるぅ、、、」と、わたしの格好を見たままに実況。その通りなんです、わたしは「強くする会」の旗はもってるけど、グリーンの大東組のジャンバーを着ているんです!ディバッグで「大東」の字は隠れてると思ってたけど、隠れてなかったんです。だから、白門おばさんに、そのまんまの突っ込みを入れられてしまったのです!

 そんな支離滅裂な格好に突っ込みを入れられながら、ゴールのほうへむかっていくと、藤原くんや池上くんを目撃。うゎぁ藤原くんやぁ、池上くんやぁてな感じで、心臓バクバク。でも、遠くから見るだけ。「箱根、頑張ってね」と心のなかでエールをおくりながら。
 コースのほうをみてみると、白いユニホームが見えて、あっ京都産業大学の選手でした。8区は高野くんといって、尼崎の高校野球の応援掲示板を通じてお目にかかったことのあるナナビョさんのお知り合いのランナーなのです。あっ高野くんと気づいて、すぐに近くへ寄って「高野くーん」と応援。あぁ、間に合ってよかった。あとでわかったのですが、高野くん(県西宮出身)は、兵庫県予選のとき、藤井くん(西工→日大)、四辻くん(報徳→日体大)を抑えて区間賞だったそうです。お名前を存じてなかったのは、完全にわたしの失念です。)

全日本大学駅伝('02.11.3)

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