世界陸上 テレビ観戦より

男子マラソン

 上位の選手のゴールが終わってからしばらくして、日本選手の上位の(油谷さん、佐藤さん、尾方さん)の3人が各々が日の丸をもって(背中にかけるような感じ)、写真撮影をしていました。その場面をみて、わたしは、そのとき自分のサイトの掲示板に次のように書き込みをしています。

「団体で1位。
1位になったのは、上位3人だけれども、3人での写真撮影の場面は、あんまりいい気しないです。
まぁ、4人でとっていても、違和感あったけれども」

そして、時を同じくして、次のような書き込みもありました。

「写真については同感です。
おもわず「可哀想」と二人で言っていました」


 つまり、わたしが「いい気がしない」と感じただけでなく、あの場面を見ていた人は、少なからず「可哀想」という感情をもったようです。他の複数のサイトでも同様の書き込みを、読みました。

 そのときの状況を、あらためて思い出してみます。(録画していないので、曖昧な記憶をたよりに書きます。もし、それは、違うということであれば、ご指摘ください。)
 選手が次々とゴールをして、先にミックスゾーン(各国のマスコミの取材場所と思われる)に現れたのは、清水選手でした。清水さんは、最初から調子にのれなかったということで、「完敗」という表情でのインタビューでした。そのときのインタビュアーが、これまた、ひどくて、「次の目標は?」などと聞くものですから、ますます「清水さん、お気の毒、、、」と思わざるを得ませんでした。
 どちらが先なのか、わからないのですが、その間に上位3人は、日の丸を持ってウィニングラン(金メダルのウィニングランでしょうか?)をされていたのかもしれません。そして、写真撮影等、3人でされているされている映像が、流れてきたのだと思います。
 そしてその場面をみて、思わず、「可哀想」という気持ちになりました。
 「日本選手って4人じゃない、4人で戦ってきたのじゃないの? もちろん順位は日本選手のなかで一番下だけれども、だからといってなぜ、3人で日の丸をもって写真撮影なの?」と、思いました。
 翌日、行われた女子のマラソンでは、2、3、4位の野口さん、千葉さん、坂本さんの3人で写真撮影をされている場面では、たいして違和感はなかったのに、どうして、男子の場合はこんなに違和感があって、清水選手のことを可哀想と思ったのか、考えてみることにしました。

3人での写真撮影

競技結果

TBSのサイト
スポーツナビ
順位 名前 タイム
 1 Jao uad Gharilb モロッコ 2時間8分31秒
 2 Julio Rey スペイン 2時間8分38秒
 3 Stefano Baldini イタリタ 2時間9分25秒
 4 Alberoto Chaica ポルトガル 2時間9分25秒
 5 油谷 繁 日本 2時間9分26秒
 6 Danie Caimmi イタリア 2時間9分29秒
 7 Ian Syster 南アフリカ 2時間10分17秒
 8 Michael Rotich ケニア 2時間10分35秒
 9 Hendrick Ramaala 南アフリカ 2時間10分37秒
 10 佐藤 敦之 日本 2時間10分38秒
 11 Bong-ju Lee 韓国 2時間10分38秒
 12 尾方 剛 日本 2時間10分39秒
 13 Rachid El Ghanmouni モロッコ 2時間10分56秒
 14 Viktor Rothlin スイス 2時間11分14秒
 15 Samson Ramadhani タンザニア 2時間11分21秒
 16 Jose Manue Martinez スペイン 2時間11分31秒
 17 Lee Troop オーストラリア 2時間11分40秒
 18 Rachid Ziar アルジェリア 2時間11分58秒
 19 Ambesse Tolossa エチオピア 2時間12分19秒
 20 Luc Krotwaar オランダ 2時間12分28秒
 21 清水 康次 日本 2時間13分19秒
 22 Alberico Di Ce イタリア 2時間13分36秒
順位 名前 タイム
 1 日本 油谷繁
佐藤敦之
尾方剛
6時間30分43秒
 2 イタリア Baldini Stefano、
Caimmi Daniele
Di Cecco Alberico
6時間32分19秒
 3 南アフリカ Syster Ian、
Ramaala Hendrick、
Thys Gert
6時間35分54秒

あらためて、競技結果を思い出してみると、油谷選手が5位、佐藤選手が10位、尾方選手が12位。タイムは9分26秒、10分38秒と39秒ということで、5位入賞の油谷選手とあとの2選手は1分10秒ほどの差になります。
清水選手は、2時間13分19秒ですから、油谷選手とは約4分、佐藤選手、尾方選手とは約3分ということですから、タイムからしても、清水選手が他の3選手との差は歴然だと思います。
もっとも清水選手が、インタビューで「完敗」といわれたのは、そのような日本選手との差ということではなく、「最初から身体が重かった」というように、自分自身のなかでの「完敗」ということだと察しています。

 一方、団体のほうは、下の表になります。
 1位の日本の上位3選手は20位以内に入っていますが、イタリア、南アフリカでは20位以内は2人ですから、「強い選手3人」ということであれば、日本チームは、ぶっちぎりの金メダルということになるでしょうか。
 蛇足にはなりますが、1〜3位をみていると、3番目の選手のタイムが大きく影響するようですから、世界選手権の「団体種目」って意味があるのかと、思っている人も多いかもしれないけれど、これは、まさに「団体」で、その国の選手層の厚さを表しているように思います。
 イタリアのトップの選手は3位、南アフリカのトップの選手は7位ですから、1人は入賞してあと2人は20位以内というのが、今回の団体の結果に結びついたのだと思います。過去の団体の結果がどうだったのかまで、追っていませんが、団体は団体で興味深いものがあるのかもしれません。

結果と経過とイメージ

 高橋尚子さんを中心に「世界」の頂点にいる女子に比べ、男子のほうは「メダル」ということを女子ほどに期待されていないように思います。今回の世界選手権だけでなく、オリンピックしかり、東京、福岡、びわ湖等にもいえることだと思います。わたしは、女子だけをとても注目する現状に少々、不満があって野口みずきさんの銀メダルもすばらしいけど、油谷選手の5位というのは、世界の男子マラソンの選手層からすれば、かなりすばらしいものだと思っています。残念ながらマスコミの注目度は、女子一辺倒です。(メダル争いしているのだから、わかりやすいし、当然でしょうけど。)こういう偶然を根拠にするのは、よくないですが、野口さんの帰国の様子の報道はみたけれど、中電の3人の帰国の様子は、わたしはみませんでした。たまたま見たということだけですが、藤原くんの帰国の様子は、みていました。帰国の様子の伝え方ももしかしたら、差があったのかもしれません。

 レース経過を簡単に振り返ってみると、30人ほどの大集団がばらけたのは31キロを過ぎてからでした。飛び出したのはモロッコのハリブで、それについたのがスペインのレイ、ケニアのロティチ。日本選手では油谷選手が残っていました。先頭の3人のなかでロティチが遅れ始め、4位集団は油谷選手、イタリアのバルディーニ選手。たしか、35キロのところで、油谷選手の走りが切り替わったように見えました。ハリブ、レイ、バルディーニに次いで単独の4位で前を追っていたようでしたが、前の選手が落ちてくることはありませんでした。逆に競技場でポルトガルのシャイサに抜かれて5位でゴールでした。
 
油谷選手の5位入賞というのは、彼の過去の実績を知らない人(つまり、そのときたまたまマラソン中継をみていた人)にとっても、すばらしいものと映ったと思います。ちょっと「ものしり」な人だったら、彼の安定感を賞賛したと思います。ただ、最後でポルトガルの選手にかわされてしまったこともあって、結果のわりにはイメージがそれほどよくなかったのではと思います。
 佐藤選手、尾方選手が、どの時点で集団から遅れていったのか(というより、2人の選手が飛び出して後続がバラけたのだと思います)、わかりませんが、後半の彼らのレース経過はほとんど報道されていなかったのではないでしょうか。35キロ地点?(あのとっても狭いところ)で、1分の差はついていなかったと思いますし、そのあとの清水選手もそんなに大きく遅れていなかったと思います。
 だから5位(日本人1位)の油谷選手に注目することはできたけれども、あとの3選手は「なんとかがんばっている」という程度にしか、テレビを見ている側には伝わっていませんでした。「油谷、佐藤、尾方」と「清水」ではないく「油谷」、「佐藤、尾方」、「清水」というくくりの見方、むしろレース経過のわからなさからすれば「佐藤、尾方、清水」だったのかもしれません。

 イメージといえば、もうひとつ大事なことがあります。わたし自身も「どんなふうにマラソンをみるか」というのは、わたしの主観がとっても大きいです。わたしは、「陸上競技のファン」でありたいと思っているけれども、陸上競技に興味をもったのも特定のチーム、個人選手の応援がきっかけです。そういう主観的なところからいえば、藤原くんの欠場が決まって、男子マラソンを見る目は、かなりトーンダウンしてしまいました。いえ、男子マラソンというより、わたしのなかでは藤原くんは「世界陸上の一番の楽しみ」でしたから。トーンダウンしてしまったからではないですが、次の注目は清水選手ということになりました。

 藤原くんの欠場のあと、なぜ清水選手に注目したかというと、わたしが中大の次に応援している大東文化大のご出身ということ、それから奥さまの麓みどりさんが、とっても好きなランナーだったこと。そして、やはり清水選手が世界陸上の代表に選ばれる経過で、「びわ湖で決めなければ引退」という清水選手のおかれている状況のことがあると思います。NTT西日本は陸上部を廃部にして、清水選手は特別に支援を続ける選手として競技を続けてられます。NTT西日本でコーチをされていた矢野さんは、今はホンダでコーチをされています。TBSは、清水選手のことを「崖っぷちランナー」とニックネームをつけていて、麓みどりさんがタイムをとる場面の映像を流して、清水選手の現況を放送していました。TBSのそのての選手紹介にはうんざりするのですが、そうとはわかっていても清水選手のVには、麓さんもよく出てくるので、結構、必死でみていました。(他の選手のは、あまり見ないようにしていました。)
 そういうことで、わたしはとりわけ清水選手の思い入れがあって、みていたのです。
 だから「3選手での写真撮影」をみて、清水選手への思い入れから「可哀想」と思った部分もあると思います。でも、そう感じたのは、清水選手への思い入れがある者だけではないようですから、そこには、やはり共通の「何か」があったのではと思います。
 その「何か」はいったい、何なんでしょうか。

いったい何だったのか

 中電の三選手が揃って写真を撮っている姿になぜ、わたしは違和感をもったのでしょうか。
 わたしは自分の書き込みにもあるように、4人で撮っていても違和感があっただろうけど、でも、やはり3人での写真撮影には、「なぜ3人なの?」と思わざるを得ませんでした。
 最初に書きましたが、3人での写真撮影は、日本チームの団体の金メダルを想定しての(現場では確定でしょうけど)ものだったのか、そのとき日本で中継をみている者に、「団体で金」ということが告知されていたのか、わたしは覚えていません。「団体で金」ということではなく、「中電3選手、3人ともがんばりました」という趣旨なのでしょうか。ただ、3選手が「日の丸」を肩にかけていたことからすれば、やはり「団体で金」ということの写真撮影だったと思います。
 「団体で金」ということだったら、その金メダルに貢献した3選手で写真撮影をすることは、当然の成り行きだと思います。また、その3選手のタイムと清水選手のタイムをみても、やはり3選手での写真撮影に異存はないはずです。

 でも、やはりあの場面は、とても「可哀想」に見えました。
 あとで、タイムをみれば、清水選手は3分以上、遅れているというのがわかるけれども、まだ、あの時点では、全選手のタイム一覧はでていなかったように思います。だから、入賞の油谷さんは別として佐藤選手、尾方選手に関しては、後半で10位争いをしているのは、わかりませんでしたし、全体のレースとして姿をみつけたときに「あっ、いたいた」という感じで、それは清水選手でも同じでした。3人の選手の活躍にケチをつけるわけではないけれども、レース全体の印象からすれば、5位入賞の油谷選手はさておき、佐藤選手、尾方選手と清水選手の「活躍ぶり」は、3分のタイム差ほど大きいものには、テレビをみている限りでは、感じられなかったように思います。
 「団体で金」というよりも、「油谷選手、5位入賞おめでとう。あとの3選手もよく頑張りました」というつもりでみていたので、清水選手のいない写真撮影に対して、「日本チームは4人ではないの?」という疑問をもってしまったのだと思います。
 また、「団体で金」ということについても、「いったい、マラソンで団体って何?」という認識で、「団体で金」ということに意味があるのかとも思えたので、ますます「団体で金の3選手のみの写真撮影」に違和感をもってしまったのだと思います。
 それでは3人での写真撮影に応じなかったほうがよかったのかというと、そういうわけにもいかないでしょう。現地の状況がよくわからないので、無責任なことを言っているのかもしれないけれど、わたしは先にゴールした3選手が、清水選手のゴールを見守って、4人で労をねぎらうような場面がみたかったように思います。あとの清水選手のことは、ほおっておいて、さっさと3人で写真撮影していたようなそんな雰囲気にみえたので、清水選手に対して「可哀想」と思ってしまったのだと思います。

余談 1

 競技を終えた選手へのインタビューは、TBSの豊田アナが担当していましたが、彼女のインタビューは、ひどいものでした。選手に聞くことがワンパターンでした。
 「競技を終えられてどうでしたか?」という質問も、競技結果にかかわらず、一律に聞いていました。そして、最後には必ず「次の目標は?」ときいていました。「アテネ」ということを言わせたいゆえの言葉かもしれませんが、少しは試合内容に応じて、インタビューできないものかと思いました。清水選手が「次の目標は?」と聞かれての戸惑いが伝わってきました。
 また、尾方選手に対して、「シーズンベストですね」と言って、すぐに尾方選手が「1本しか走ってませんから」と。豊田アナなりに勉強してのワンパターンでない質問を目指したのかもしれませんが、マラソンで「シーズンベスト」なんてものがあるものかと、不思議に思いました。
 豊田アナがとんちんかんな質問しないかと、ドキドキしながらインタビュー場面をみていました。
 ほんとに十分に反省してほしいです。

余談 2

 もうひとつこれは、あとでわかったことだけれども、藤原くんの直前での出場辞退に関して、補欠選手だった中電の五十嵐さんが、ご自身のサイトの日記でについて書かれていたことです。

 まず、代表の選考基準を押さえておきたいと思います。
  1. 昨年の東アジア大会金メダル
  2. 国内3選考レース(男子は福岡、東京、びわ湖、女子は東京、大阪、名古屋)で、男子は
    2時間9分59秒以内、女子は2時間25分59秒以内をマークし、日本人1位となった選手
  3. 3選考レースで日本人上位に入り、世界陸上で入賞が期待される選手

 以上の基準をもとに、男子は福岡2位の尾方選手(2時間9分15秒)、東京2位の油谷選手、びわ湖3位の藤原くん(2時間8分12秒)が日本人1位なので自動内定ということで、あと2つを東京3位の五十嵐選手(2時間10分11秒)、びわ湖4位の清水選手(2時間8分12秒・アジア大会は銀)、5位の佐藤選手(2時間8分50秒)の3人で争うことになった。タイムとアジア大会2位からすれば、清水選手がまず決まって、最後のひとつを五十嵐選手と佐藤選手が争う形になったのだと思います。結果的にはびわ湖5位の佐藤選手が選ばれることになりました。選考経過は、おそらくこのような形になったものと想像しています。

 世界選手権の補欠という制度がどういうものなのか、調べてみた(ネット検索しただけ)のですがよくわかりませんでした。五十嵐選手の日記によれば、1ヵ月前が期限だということです。
 今回、女子で松岡選手が、前回の大会で補欠で走っていることはよく紹介されていました。沖電気宮崎の岡本選手が故障で走れないために、補欠の松岡選手に出場権がまわってきた形です。そのとき松岡選手は、チームメイトでマラソンに出場する松尾選手の練習パートナーをしていたため、急遽のことだったのですが、走れることになったそうで、それは陸連の沢木さんによれば「きわめて稀なケース」だったそうです。女子のことが話題になったので、余談ついでにさらに余談になりますが、今回、松岡選手は7月上旬の時点では、「代表辞退」ということも言われていましたが、7月下旬に回復して出場されました。結果的に途中棄権になってしまいました。女子の補欠はノーリツの小崎さんで、小崎さんは、福士さんが1万と5000のダブルエントリーされて、トラックのほうも出場の機会を逸してしまっていて、不運な立場ではなかったかと思います。

 さて、前置きが長くなってしまいました。
 五十嵐さんのサイトのコンテンツのひとつの日記に次のような趣旨のことが書かれていました。
 ここでは引用ではなく、「要約」してみましたが、趣旨を変えないようにと思えば限りなく引用になってしまいます。
 五十嵐さんのサイトは、こちら五十嵐さんのサイト です。

 「藤原くんがあまり良い状態でないというのは、7月中旬ぐらいに噂で聞いていた。補欠の効力は7月下旬までなので、その時点で悪いのなら判断を誤った。自分は出場したかったから、いつからそういう状態だったのか、隠していたのではという疑念を持たざるを得ない。自分が藤原くんの立場なら判断に迷うけれど、自分の率直な意見は、もうちょっと早めに言ってほしかった。藤原くんには、やっぱり藤原は強かったといわせる結果を出して欲しい。そうでないとあきらめがつかない」

 わたしは、兵庫出身のランナーを応援しているし、出身校である中大のランナーを応援しているし、実業団では、ホンダファンの看板をあげていますから、藤原くんはそれに全部あてはまります。わたしは藤原くんか五十嵐さんかと言われれば、迷わず藤原くんのファンということになります。
 だから、五十嵐さんにこのように藤原くんのことを書かれると、とっても悔しい気持ちになります。でも、このことは、そういう「主観」をできるだけ排除して考えなければならないと思います。

 女子の松岡さんの故障がマスコミにも流れたのは、7月上旬の札幌ハーフのときでした。その後の合宿で走れる状態になったということで、松岡さんは出場を判断されたのだと思います。(つまり補欠の効力のある期間に辞退は考えないということ。)
 藤原くんの故障は、もう少し時期が後半にずれていたので、判断に迷うところが多かったのだと思います。藤原くんのサイトによれば、「7月22日の士別合宿初日に痛くなって、それから治ったり、また痛くなったりを繰り返した」ということですから、7月の末までに藤原くんの側が、7月末までに判断するのは、あまりに猶予がなさすぎたと思います。また、8月の日記では、急に痛くなったり治ったりと、とても先行きが不安な状況が書かれていました。
 でも、五十嵐さんが日記で書かれていることは、こういう「いつから痛くなったのか」という日付を特定することではないと思います。7月22日に決定的に痛くなったとしても、それ以前から、予兆はあったのではないかなどと、疑いだしたらキリがありません。結果として、藤原くんは欠場ということになったのですから、あとからだったら、何とでもいえると思います。一方、藤原くんは、欠場してしまったのだから、このようなことを言われるリスクは背負わざるを得ないのは仕方がないと思います。
  それでもわたしは、五十嵐さんには、ウェブサイトで(つまり誰もが目にすることが可能なところで)、このようなことは、たとえ「率直な意見」であっても、公開してほしくないと思っていました。7月22日に痛みが出て、それ以降も出場にむけて、きっとチーム一丸となって努力をしてきたことと思っています。実業団の所属ですから、監督、コーチは進退をかけての取り組みなはずです。代表に選ばれたのは藤原くんですから、藤原くんサイドの意思が優先するのは当然のことだと思います。
 
 五十嵐さんの日記を読んでから、わたしは、とっても複雑な気分になていました。
 わたしは単なる陸上ファンですから、複雑にならなくてもいいはずなんですが、次のように考えることにして折り合いをつけました。
 今後、五十嵐さんが何かの代表に選ばれることがあると思います。チームメイトも同じように選ばれる可能性があります。そのとき、何か起これば、五十嵐さんの言葉がどういうことなのか、考える機会があるかもしれません。言われたほうより、言ったほうが大きな責任があるのではと思うことで、わたし自身は折り合いをつけています。

 世界陸上をテレビでみていただけのわたしに何がわかるのか?というお叱りもあるかもしれません。
 自分のあいまいな記憶をたよりに、自分の気持ちを思い出しながら書きました。
 「この認識は違う」というご意見もあるかと思います。その場合は、是非、お知らせいただければと思います。
                                                   2003年9月14日

花子のノート

上記を書き終えてから、いろいろとご意見が寄せられています。
加筆していってもいいのですが、何度も読んでいただくのは申し
訳ないので、別ページにて書いていきたいと思います。

別ページ(続き)
その2

そんなに長文にするつもりではありませんでしたが、長くなってしまったので→