入場券問題

 競技場一番のり
 
 今回、入場券に関して、やきもきしたのはわたしだけではなかったと思うので、ちょっと字数をとって書くことにします。
 わたしの思惑としては、当日券売り場に並んで、チケットを入手するというものでした。そのために1分でも早く、競技場へ着いていたかったから、わざわざ夜行で行くことにしたのでした。
 鳥取からふたつ目の駅の「鳥取大学前」という駅で朝の5時過ぎにひとり降りて、そこにはお掃除をされている何人かの方がいらっしゃって、道を尋ねることができたからいいものの、そしてその道すがらの湖山池のまわりの景色が幻想的だったからいいものの、それでもやっぱりこういうことができるのは、たまたまわたしが、ランナーで走ること、歩くことが苦にならないということ。もっとも、お金さえ払えば、鳥取駅からタクシーで競技場まで乗りつけることだってできますが。

 当日券売り場を探す

 6時前には、陸上競技場に着きました。まず探さなければならないのは、当日券売り場です。
 わたしの勝手な予定では、当日券売り場にシートを敷いて座って待つというものでした。そのためにシートとそれから20本入りのサイダーが入っていたダンボールももっていました。長時間、座るにはダンボールの堅さは丁度いいのだそうです。
 でも、当日券をどこで売っているのか、全然、わかりませんでした。
 競技場の正面の入り口付近には、報道、来賓、関係者の受付場所はあります。また、明治、NISHI、ミズノの店が入るテントもありますが、当日券やチケットに関する案内はありませんでした。その場所から少し降りたところには、競技者、関係者の受付場所があって、その横に「ローソンチケット」の引換えの案内がありました。
 そして総合受付(もちろんそんな早い時間に誰もいるわけがない)においてある地図をみても、当日券がどこで売っているのかさっぱりわかりませんでした。

 警備員よりガセネタ
 
 チケットの販売場所は、競技場によっていろいろ違います。入場門の隣にあるところもあれば、横浜の競技場のように少し離れたところにあるところもあります。だから、とにかく当日券を売る場所を見つけなければと思い1階のほうに入ってみようとすると、すぐに警備員の人がきました。

 警備員「どこへ行かれますか?」
 花 子「あの、チケットが欲しいんです。当日券はどこで売るのですか?」
 警備員「この上に受付がありますから、そっちへ行ってください」
 花 子「上にあるんですねぇ」
 警備員「はい」

 と、しつこく聞いたのですが、わたしは、この警備員が「当日券は上で売る」ということは知らなくて、とにかくわたしをそこに入っていかないためにそう言っているのはわかっていました。
 上のところには、報道などの受付はあっても、チケットを売る場所は見当たりませんでしたから。

 わたしは、いろいろなマラソン大会に行っています。そういうイベントは、全体を把握している人はごく一部で、スタッフは自分の持ち場以外のことは、知らされていないのです。(もちろん、知らなくてもスタッフはできるし、そんなの全部、説明しようとしても不可能です。)だから、たとえば走路員の人に「ここは何キロ地点ですか?」と聞いても、たいていだいたいのキロ数を言われます。でも、それは聞くほうが悪いのです。

 泣きたい気分

 だからもう少し時間が経って、ちゃんと事情を知ってそうなスタッフが来るのを待つことにしました。ベンチに座って身体を伸ばして、ゆっくりしていました。
 そうしていると、サブトラックへ向う数人の集団を発見。
 800mの杉森美保選手じゃないですか!
 別の選手のウェアに京セラの文字が入っていたから間違いありません。「うわぁ〜、杉森選手や〜」という感じで、早くきて待っているのも悪くないなぁと、思っていました。

 7時半には、もう開門を待って1グループ3人の人がやってきました。
 また、陸連の方でしょうか、関係者の受付も始まっていました。
 相変らず、わたしは当日券がどこで売られるのかわからず、そこらをウロウロしながら、待ちながらと不安な気持ちでいました。もしかして、どっかに行列でもできていたら、どうしようなどと、ほんとうに不安だったし、こんなにすごい思いをして、そして、まだ当日券が入手できるのかどうかわからなくて、泣きたくなるような気分でした。
 わたしが入ろうとしているのは芝席だから、もしかしたら、そっちのほうに窓口かテントがあるかもしれないと思って、芝席のほうに回ってみても、テントの案内は、プログラムと飲料を売るということしか書いていなくて、やっぱりどこで売っているのかわからず、また、正面のほうに戻ってきました。

 今日の開門は9時の予定だそうですが、ラジオか何かのアナウンスが、8時と言ったらしくだんだんと人が増えてきました。
 「みんな、いいなー」と思っても仕方ないけど、でも、どうして当日券の売り場がわからないのだろう。もしかして、もう売らないから、コーナーがないんだろうかと、不安、悲しみ、怒りが混在して、とっても暗い気持ちになっていました。
 
 そして総合案内のほうを見たら、人が立っているように見えたので、そこで聞いてみようと移動して、そこにいる人に聞いたら、自分たちは、バスの手配をする人間だから、知らないということでした。もうほんとにやっと、聞くべき人が来てくれたと思ったのに。そしてさらに、もう1人(関係者のえらい人みたいな人)に聞いてみると、芝席の入り口で販売するとのこと。
 でも、その人って、大会関係者だけれども、民間会社の名札をつけていたので、これもまたあまり信用できそうにありません。
 だって、さっき警備員には完全にウソをつかれたし。

 やっとわかった
 
 そこの近くにローソンチケットの引換え場所があって、そこに「メインスタンドのチケットは売り切れです」と、とっても小さく書いてあって、わたしは、「ここで聞かなきゃ」と直感。
 「芝席のチケットはあるんですね。どこに売っているのですか?」と聞くと、やはり、さきほどの人と同じく、入り口付近ということでした。
 あーよかった、やっと発売場所を特定することができました。

 8時15分頃、プログラムを売る担当の人が、金庫(といってもお金を入れるボックス)を持ってこられて、たぶんあの中に当日券が入っているようでした。
 そこでプログラムと当日券とを販売しているのですが、「当日券売り場」ということは、全然、書いていなくて、随分と不親切だと思いました。
 競技場付近に入ったら、そういうことは、ちゃんと広報してほしい。
 だって、ローソンチケットを持っている人も、まず、引き換えてから芝席入り口に来ないといけなくて、わたしの前のグループの人たちは、戻って、引き換えてくるように言われていました。
 ローソンチケットの引き換えだって、とっても小さな字でしか書いてないから、そんなの気づけというほうが無理だと思いました。けっして近くはない距離を、また正面のほうに戻って、チケットを交換して、また芝席へ戻ってくるって、たぶん、そういう人、たくさんいたと思います。
 全体にもう少し、親切なお知らせをしてもらえればよかったのにと思います。
 日本選手権は、毎年、やっているのだから。

 そういうことで競技場に着いたのが6時前、チケットを入手したのが8時20分と、約2時間半の間、わたしは泣きそうになりながら過ごしました。

 やっぱり問題だと思う。

 最初のページでも書きましたが、鳥取陸協に電話で聞いたときには、確実に当日券はあるような言い方をされていましたから、わたしはちょっと心配しすぎたのかもしれません。
 でも、高校生以下は無料で入れるのだから、もし、高校生以下がたくさん詰めかけてしまったら、札止めということもありえます。まして、メインスタンドは完売ですから。

 「当日券はあるのか?」と考えた人は、わたしだけではなかったようで、わたしは複数の掲示板で、「チケットないなら、観戦やめた」という書き込みをみました。
 わたしだって、鳥取へ行ったは観れないは、という覚悟はできていましたが、ここまで覚悟するには相当な勇気がいりました。
 帰ってから見つけたのですが、カネボウの瀬戸選手の掲示板にも同様のことが書かれていました。

 瀬戸さんのサイトの掲示板をみていただければ、いいのですが、瀬戸さん自身が、「遠くから来る人はどうしたらいいかわからない。そういう情報をうまく伝えてほしい」と書き込まれていました。
 (ほんとうは引用したいんですけど、無許可なので、自重します。)

 それで結局は、簡単に当日券は入手できましたし、芝席が満杯になることはありませんでした。
 つまり、いつ行っても、当日券を買って入場できるということでした。
 そういう結果でよかったのかもしれないけど、もうちょっとちゃんと案内があってもいいし、会場でもそういうお知らせをちゃんとしてほしい、観戦にくる人にもう少しやさしいイベントであって欲しいと切に思いました。
 陸連のみなさま、どうしても当日券が入手したくて、前の日の晩に京都を発って、鳥取大学前からフラフラと歩いてやってきた、可哀想な陸上ファンがいたこと、覚えておいてください。

参考:瀬戸さんのサイト
88回日本選手権
花子のノート