ゴールドシートプログラム
メインスタンドのまんなか、縦は10列くらい、横は100メートルのスタートでいえば20か30メートルくらいのところでしょうか。そこからたぶん100席くらいだと思います。
その席が世界陸上期間中、通しで、つまり「そこはあなたの専用席」として期間中確保できるという席です。
9日間で20万円、プログラム、ドリンク、記念品付きということでした。
わたしははじめ、この席の意味がよくわからず、値段も20000円だと思っていました。
陸上競技を観るのに、2万円でも十分に高いと思っていますから、20万なんてとんでもないことです。
チケットの前売りサイトを見ながら、S席でも1万円以上すること。
そして、いつの日程を予約していいのかよくわからないこと。
そんなことを考えているうちに、「ゴールドシート買ってまえ!」というノリになってしまったのです。
でも、その場でクリックする勇気はなく、1晩考えて、購入することにしました。
1晩考えたおかげで2列目になったのですが、これはかえってよかったように思います。
長居の1列目は、柵が視界を遮ってちょっと見にくいんです。
でも、最前列でみるというのはそれはそれで素晴らしいことだと思います。
わたしの決心
なぜ20万というとんでもない金額をつぎ込む気になったのか、1晩、何を考えたかです。
一番の動機は、「TBSの放送を見なくてすむ」ということです。
TBSが世界陸上を放送するようになって、何年かわかりませんが、わたしが陸上を熱心に見るようになってからは、ずっとTBSが放送しています。
TBSの放送の仕方は、不満ばかりでした。
織田さんと中井さんの司会は別にいいです。
ちょっと不満があったときもありますが、今ではお二人ともそこそこ陸上のことをご存じなようで、あの人たちは許容。
インタビュアーの山縣苑子さんは前回の大会から起用。その前は豊田アナでした。
豊田アナの仕事ぶりは、少々、不満でしたが、山縣さんにはもっと不満がありました。
その山縣さんを、TBSは今回もまたインタビュアーにするとのこと。
彼女は、陸上選手へのインタビュアーとして適性があるとは思えないのに、どうしてまた彼女なのか。
彼女のブログをたまに見ても、なんというか、感性が普通というか微妙なんですよね。
山縣さんは、彼女なりに努力をされているようですが、インタビュアーという微妙な空気を読むことを要求される仕事は、努力すれば身につくものではないでしょう。
ほんとうにTBSは何を考えているのかと思いました。
今回は、放送はほとんどみていませんが、前回よりは少しは努力されていたのかもしれませんが、相変わらずだったように思います。
局アナでもない彼女をなぜ、またインタビュアーにするのか、理解できませんでした。
そういうTBSの放送はみたくないと思いました。
また、TBSの許せないのは、「このあとすぐ」、と言って、競技時間をちゃんと告知せず、無駄に延ばしていたことです。
そういうことでテレビを続けてみてもらおうという魂胆なのでしょうが、やっていいことと悪いことがあります。
もちろんスポンサーがついて、視聴率を上げることは基本ですが、だからといって何でもありではいけません。
演出上の手法を越えて視聴者をバカにした放送姿勢に憤慨していました。
さらに同じVTRを何度も何度も使っての選手紹介。
手抜きするにもほどがあります。
コアなファンではなく、たまたまその日TBSにチャンネルを合わせた人を対象にしているということでしょうか。
ただその選手紹介が「まとも」なものならいいんですけど、競技とは関係のない私生活に及んだものであったり、人権感覚を欠如したようなおかしなニックネームをつけて、競技にはほとんど触れずにそのニックネームを繰り返し放送する。
いい加減にしてほしかったです。
そのようなTBSの酷さは、陸上ファンを醸成するにはマイナスになるのではないかと思い、陸上ライターの寺田さんにメールで直訴したことがあります。
寺田さんはご自身の日記のなかで、「過剰なところはあるけれども、スポンサーがついて放送されるのだから仕方がない」ということを書かれていました。
TBSで仕事をされているのだから、その立場でモノ申してほしいと、期待していたのですが。
それから山縣さんについても、「生放送で咄嗟に適切に対応するのは難しい」というようなことも書かれていました。それって、陸上ライターがテレビでうまくしゃべれないことは理解できますが、インタビューアーに対してそういう甘さってあり?ということも、がっかりしました。
同じ静岡県のご出身だからというだけではないでしょうが、寺田さんは山縣さんに優しいです。
寺田さんへの直訴が不発になって、わたしは、「TBSに何か期待するのはやめよう」と思いました。
たまたま陸上をテレビで見た人に、陸上は面白いと思ってもらえるような放送をしてほしいと思っていましたが、そういう期待はもたないことにしました。
なんとかしたいと思うから腹立たしくなるのです。
期待しなければ「そんなもん」で済みますから。
そんなこともあって、もしゴールドシートでライブですべてみることができるなら、TBSの放送をみなくて済むわけですから、わたしは後者をとったのです。
そういう意味では、酷い放送をしてくれたTBSがあって、連日観戦という非常識なことができたわけですから、TBSに感謝しなければならないでしょう。
ただ、9日間、競技場にいて感じたのは、「陸上競技をテレビ的に放送するのは難しいだろうな」ということです。
だから寺田さんの反応が、テレビ中継を見ているものと温度差が出てくるのは仕方がないと感じました。
ということで、直訴する人を間違えたというか、わたしが勝手に寺田さんに期待をして、その期待通りの反応でなかったから云々というのは、寺田さんにずいぶん、失礼なことだったと、今ごろになって気付いています。
そんないきさつがありつつも、こんな身近で毎日陸上三昧できるというのは、一生に一度かもしれないし、北京に応援に行くことを思えば、はるかにハードルは低いです。
2006年9月15日。
ゴールドシートプログラム購入ボタンをクリックしたときから、「あぁ、やってしまった」の日々が続きます。
9月に翌年の8月のチケットを購入するって、そんなんそのときまで生きてられるんやろうかと、そんなことも考えながら、世界陸上を中心にいろいろなことが回っていきました。
こんな思いで購入したゴールドシートプログラムでしたが、実際にはいろいろなことがあって、不満もいっぱいありました。
それは、そのときどきで書いていきたいと思いますが、まずひとつ。
ゴールドシートといっても、座席は普通の席であるということで、上の写真の通りです。
イスの横幅は40センチ、奥行きは30センチ、背もたれは30センチ。
身長160センチ、BMI22のわたしが座って限界でしょうか。
男性で普通くらいの人だと、かなり辛いでしょうし、大男だと相当辛いと思います。
長居界隈でたくさんの外国人の方に遭遇しましたが、大柄な方も多く、つらかっただろうと思います。
その上、前の席との間が40センチなので、人の前を通ってその席へ行くというのも辛く、お互いさまとはいえ、寛大な心が必要だったと思います。
わたしは幸いにも、通路の横だったので、左側に隣の人がいただけで、それだけでも楽でした。
席の割りふりは偶然としても、かなりラッキーだったと思います。
その40センチゆえ、足元に置いた飲み物を倒してしまうということがたびたび、起こりました。
わたしたちの間では「水害」と呼んでいました。
毎日、来ている人は、狭くてそうなることが経験則でわかっているのですが、日替わり観戦の人は、つい油断して倒してしまうのです。
上の席から下の席へ、ビールやらスポーツドリンクやら創建美茶が流れてきました。
そういうことにもだんだんなれてきて、席に座ったら、カバンをビニール袋にいれて、水害に備えるということもみんなしていました。
それから上の写真のように、座席番号が背もたれのところしか書いてないのです。
だから、だれかがそこに座っていたら、その座席番号は見えなくなってしまいます。
つまり、自分の席に他の人が座っていたら、自分の席を自力で見つけることはかなり難しくなります。
日替わり観戦者にはちょっとたいへんだったかもしれません。
でも、そういうことって、事前にわかっているんやから、シールを貼るとか配慮はできなかったんでしょうかね。
スポンサー席は、ばっちりシールが貼ってあったのに。
ゴールドシートといっても、ただの席、VIP席ではないのです。
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