8月25日(土) 初日 男子砲丸投げ予選 女子3000障害予選

マラソン選手が競技場に入ってきたら、その都度、拍手を続けていました。
何番目に入ってきても、選手への敬意はかわらず、一所懸命に拍手をしました。
まだ走っている選手がいるようなのですが、10時からトラック&フィールドの競技が始まるので、ゴールは第2競技場になるそうです。
日本選手で、久保田くんがまだゴールしていないので、情報も入っていなくて残念でした。
あとで結果をみたら、ちゃんとゴールされていました。よかった、よかった。

フィールドでは男子砲丸投げの予選が、トラックでは七種競技の100メートルハードルが始まりました。



砲丸投げは、写真は撮っていましたが、競技はほとんど見れませんでした。
七種の100メートルハードルは中田有紀さんが出られる5組を待ちました。

3組目でフライングが2回ありました。
まさか1種目目で失格なんてありえないよねーって、隣の人と思わずしゃべっていました。
大丈夫だったみたいです。

七種が始まるとわたしの席の左上のスゥエーデンの応援団の声がひときわ大きくなります。
その応援団は最終日までいらっしゃったのですが、熱い声援を送っていました。
スゥエーデンって、地味に強かったりするのです。
でも七種のカロリナ・クlリィフト選手の強さは半端ではなかったようです。
スゥエーデン人の男性の声で「カロリーナ〜」という応援は、今でも耳に残るくらい強烈でした。
100メートルハードルは13秒15で全体で2位、得点は1102点です。

中田有紀さんは13秒82で1004点獲得です。

lフィールドでは砲丸投げの予選が続いていて、トラックでは女子3000SCの予選が始まります。
日本選手は1組に早狩さん、3組に辰巳さんです。
お二人とも日本選手権での走りを見ています。早狩さんは、兵庫リレカでもたしかみていたような。

写真は早狩さん。        こちらは辰巳さん。切れていますが、ピンクの髪の選手がいます。
  

それにしてもアナウンスは、相変わらず日本語と英語とフランス語。
たぶん、同じことを3か国語で順番に言っているのではないと思います。(それもよくわかっていない)
なんかやたらフランス語が多かったように思います。
場内アナウンスは、半分以上、理解できないというか、これも世界陸上と思わないと仕方ないです。


1組の早狩さん。

上位4名とタイムでプラス3が決勝進出なので、単純に7番目までに入ることが、予選通過の条件になります。
9分38秒をもつ早狩さんにすれば、自分のパフォーマンスを最大に出せば、無理な条件ではないでしょう。
とくに早狩さんは後半が強いですから。
前半は10番目くらいにつけて、先頭集団は6人。
その6人がだんだん1人ずつ減っていくサバイバルレースになります。
早狩さんも少しずつ順位をあげて7位以内を標的にしていきます。
ラスト1周の鐘が鳴って、さあこれからというとき、場内の歓声もひときわ大きくなっていくそのとき、障害に脚をひっかけて転倒してしまいます。
すごい大きな音でした。
歓声が悲鳴に変わりました。
起き上がれない早狩さんは、タンカで運ばれてしまいました。(そのときはわかりませんでしたが、脳震盪をおこされていたそうです。)

早狩さんの転倒のショックで、2組目のことはほとんど覚えていません。
3組目の辰巳さんを一所懸命に応援しようという気持ちに切り替えていきました。

3組の辰巳さん。
辰巳さんは日本選手権で9分58秒のB標準をクリアして出場権を獲得されました。
1組、2組のタイムをみていると、9分45秒くらいなので、予選通過よりもいい走りをしてほしい、そういう思いで見ていました。
早狩さんのことがあったので、応援にはさらに力が入りました。

でも、1周目の水濠で転倒、そして2周目の水濠でも最初の転倒の影響かまた転倒してしまいます。
わたしの席から、3000障害の醍醐味である水濠が見えませんでした。
丁度、男子砲丸投げをしていて、そのための機材などが視界をふさいでいました。
だから転倒の様子は、動画や写真であとから確認したものです。

最初の転倒はおそらく、前の選手が詰まっていたので、それを避けようとしたら後ろの選手に激しくぶつかられてしまって、トラックのフェンスにぶつかるような感じでした。
上の写真で髪の毛がピンク色の選手に後からぶつかられたように動画では見えました。
わたしは直接、見えませんでしたが、悲鳴のようなものが聞こえてきたので、何か起こったことは容易に想像できました。
それでも、果敢に頑張る辰巳さん。
なんとか持ち直して頑張れと一所懸命に声援を送っていましたが、2回目の水濠で再び悲鳴というか「またか」というような声が聞こえてきました。
1組の早狩さんといい、なんかついていなくて。
でも、辰巳さんは頑張って走っている、だから応援しなければ、どうしても最後まで走ってもらわなければと、競技場にいた人はみんなそう思ったと思います。

転倒の影響で大きく遅れ、また脚もどこかひきずっているような感じ。
気持ちが折れて途中棄権してもおかしくない状況なのに、辰巳さんは一所懸命に走っていました。
そんな辰巳さんの姿勢に場内の声援はさらに大きくなります。
「辰巳さん、がんばれー、辰巳さんファイトー」という声。そして大きな拍手。

そうして応援しているうちに、ダメージをうけていた脚がまたしっかり動き始めます。
そして、前の選手とは大きく離れていたのに、最後の200メートルでは前の選手に追いつくまでになりました。
最後まであきらめない走り、気持ちを切らさない走り、そうやって頑張っていたら、前の選手に追いついてしまうのです。

最後の動画によれば水濠はとってもきれいに跳んで、最後まで前の選手と競って、ゴールします。
辰巳さんがひたむきに頑張られる姿をみて、わたしは涙が止まりませんでした。
必死で応援しながら、涙を流していました。
こんなにひたむきに頑張る姿。
これまでいろいろなスポーツシーンに遭遇していますが、こんなに心を打たれたのは初めてでした。

たぶん、このシーンが一番、思い出深いものになるに違いない、初日なのにそう思いました。
9日間、終わってもやはり辰巳さんの走りをみれたことが、一番の思い出になっています。

やっぱりゴールドシートでよかった。
9日間、どんな種目ももらさず見なければ、と思いました。

時刻は11時過ぎ。
メインスタンドを照らす日光はますます力を増し、湿度も高く暑かったです。
ほんとうにこんな調子で書いていたら、いつ終わるのでしょうか。
でも、とばさずに書いていきたいと思います。

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花子のノート
2007世界陸上大阪