内宮の宇治橋がゴール地点ですが、まだ時間も早いため今、駅伝が行われていてこっちに向かっているという雰囲気は全然しませんでした。
 途中経過が知りたくてどこかにテレビついてないかなと商店のほうをぐるっと回ったけれど、テレビはなく、このままあと2時間も待つのかと思うと、また失敗かなと思いました。そうしてウロウロしていると宇治橋の横のところに大きな画面で中継を映しているのに気づきました。そんなに人だかりがあったわけでもないので、わからなかったのです。これで安心、とりあえず途中経過は把握できます。
 画面をみると、「早稲田が2位で襷を渡す」という映像でした。「えっー」と思ったものの、なにが「えっー」なのかもわかりませんでした。早稲田はたしか1区で9位くらいだったということと、失礼ながらノーマークだったからです。いろんな人の話をきいて「順大、駒大」「山梨、神大、日大、中大」という感じで思っていたからです。早稲田が2位ということは、1位はどこなんだろう?そして肝心の中央はどこだろう?ととにかくわからないことだらけでした。しばらく見ているとようやく全体像がみえてきましたが、中央のことにはほとんど触れてなくて、蚊帳の外って感じでした。いったいどういう状況なのか、今の現実は何なのか、それは帰ってビデオをみないとわからないと思いました。
 画面をみていると中大の小旗をもっている人がいました。「いいなぁ、わたしも旗もって応援したいなぁ」と思ってまわりをみていると、中央の幟をたてているところで、小旗をたくさんもっているおばさんがいたので、そこへ行って「すみません、ください」というと「どうぞ、どうぞ」という感じですぐにもらえました。中央のOBの組織に学員会というのがあって、そこの名古屋支部の方たちのようでした。学員会といえば、わたしも会費を払って会員になっているけど、こんな活動しているとは全然、知りませんでした。おそるべし白門パワーです。
 中央の小旗をもらっただけで、とっても嬉しくなってそれだけで「きてよかった」と思いました。旗をもってまた画面のところへ行ってしばらくすると、今度は「プログラム」らしいものをみんな持っていました。それも「みんな」もってるっていうくらいもっていて、1人で何冊ももっている人がいました。きっとどこかで配っているに違いないと思って、CMの合間にウロウロしたけれども、配っている様子もなく、あきらめて戻りました。でも、何冊ももってる人もいて、「わたしにくれたら一生の宝物にするのにぃー」と心のなかで叫んでいました。
 プログラムを求めてキョロキョロしていると、1区、2区を走った選手がいるのに気がつきました。法政はたぶん黒田くん?とあと2人。帝京は飛松くんとあと1人。「わぁ〜」と内心なっていると、黒田くんたちと写真をとっている女の子がいて、「写真撮ってる〜、いいなぁ」。でも飛松くんはずっといるのに、誰も気づいていなくて「気づいたげてよ〜、去年の箱根の5区のこと、誰も知らないの〜」と思って何度も彼のほうをみてしまいました。そうするとやっと気づいた子がいて、一緒に写真を撮ってました。よかった、よかった。
 ここに1区を走った飛松くんがいるってことは、nomくんももしかしたらくるかもしれないと、わたしは画面を前にしながらも右、左、後ろとキョロキョロキョロキョロと落ち着きのないことをしていました。
 すると、ずっといる飛松くんのところに、見覚えのあるお顔が、、、、やっぱりジャージは中央の、、、、。
  きっと野村くんだ、、、、と思ったけど、自信がない。いろいろな場面で写真はみているし、テレビでもみているから間違いではないと思うけど、もし間違いだったら失礼やし、、、、、と思ったけど、せっかく伊勢まできたんやから、こんなこと最初で最後かもしれないと思って、場所を移動して、談笑している集団の横に行って思い切って「あのぉ、野村くんですか?」と声をかけました。状況はよくわからないのですが、走り終わって、「○○はどうだったか」というようなお話をされていたようです。そういうお話を少しわるように声をかけてしまいました。最初で最後だと思うとなんでもできるものです。そういえば神戸で小嶋大輔さんに声をかけたときも「最初で最後」とか言ってました。
 わたし「HP、いつもみてます」
 nomくん「ありがとうございます」
で、話が続きません。なぜなら、わたしはnomくんがどんな走りをしたのか全然、知らなかったからです。襷を11位くらいで受け取ったことくらいでしたから。その日のことを何にも知らないのに声をかけたことを後悔しました。そんなこともあり、また、思いもよらなかったことなので、何を話していいか頭真っ白になりました。
 nomくんは「今日はダメだった」「藤原くんに期待しましょう」というようなことを言われました。わたしは自分で声をかけておきながら、完璧に舞い上がって支離滅裂なことを言ってしまったように思います。きっと「ヘンなヤツ」だと思われたでしょう。

その3

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