待ち時間

 まず最初に、おばさんが「その旗、どこでもらえるんですかー?」と。「もう少し行ったところに、中大の幟をもった方たちがいらっしゃいますから、そこでわたしもいただいたんです」と言うと、おばさんは小走りに行かれました。でもそんなにあせらなくても大丈夫なんですけどね、でも走る気持ちよくわかります。ここでも白門おばさんは、感じのいい人でした。
 次は、大東文化大のグリーンの幟をもったおじさん、おばさんの集団です。「ゴールはどこですか?」と。「もうすぐなんですけどね、この道路添いに行くとすぐ、宇治橋の前です。人がたくさんいるのですぐわかりますよ」。それにしても大東大の幟は立派やった。
 あとは、「あと何分くらいで来るんですか?」という質問が多数。「トップはどこですか?」もちらほら。「駒沢大学だと思うんですけど、中継が聴けないので、わからないです」などと、答えていました。
 さっき欲しかったけれど、入手できなかったプログラムを2冊もったおじさんが、「あと何分くらい?」と聞いてこられたので、だいたいの時間を言って、そのあと「あのぉ、そのプログラムはどうされたのですか?」ときいてみました。「新聞屋が配ってるねん、四日市からもってきた」ということでした。朝日新聞の販売店が配っていたことが判明しました。「そうなんですか、みなさん持ってられるので、欲しかったんです。そうなんですか」というと、ゴールのほうへ進みかけていたおじさんが、「じゃぁ、これあげよ」と1冊くれたんです。「うそ、うそ、ほんと。ほんとにもらっていいんですか、ありがとうございます」と喜びを思いっきり伝えました。きっと、わたしの全身から「プログラム頂戴」光線がでていたのだと思います。これも一生の宝物にします。おじさんありがとう!
 プログラムももらった、小旗ももらった。もうあとは藤原くんがくるのを待つだけでした。
 でも、相変わらず、わたしは道行く人に何か聞かれていました。なぜか?よくわかりません。堂々といるようにしていたし、ランナーズのスタッフジャンバーを着ていたからかもしれません。ただ「ランナーズスタッフ」の文字は、ランリュックを背負っているので、見えないはずです。ああいうところでスタッフジャンバーを着ていたら自ずとそんなふうに見えてしまうのでしょうか?謎です。
 場所の確保に自信を深めたつもりだったのですが、あともうちょとというときに、順天堂の幟をもった子たち(陸上部らしい)が数人、わたしの2メートル横まできました。それにしても順天堂の幟は立派です。すごい背が高い。やっぱ4連覇する大学は違うなぁ。中央って、とってもシンプルな小旗に幟やもん。山梨学院大学が風林火山やったら中央は、多摩やし新撰組の「誠」なんでどうやろうか?うーん、あんまりよくない、やっぱし、白に赤の中央大学でいいやん、そのままやし。
 順天堂の応援隊も横2メートルでなんとか侵食を免れました。場所の確保はどうやらうまくいきました。よかった、よかった。
 トップの選手がくるには、ちょっと時間があったので、聞いてみよと、幟をもった順天堂の子(「子」といいたいくらい愛らしい男の子やった)に、「今、2位ですか」と唐突に聞きいてみました。愛らしい男の子は「えっ、順天ですか?」と聞き返されたので、「カリウキさんと並んでたでしょ」と言うと、「わかりません」と言いました。突然に話し掛けられたので、とっても驚いていました。それにしても「今、2位?」と聞いたら、自分の大学のこととわかるかと思ったけれど、案外、自分中心に考えていないんやなと、へんなことで感心しました。

選手登場

 選手が来るのを待つのは、ワクワクします。広報車が「まもなく選手が通過」といって通っていってからも「まだ来ないのー」というくらい待っている時間は長く感じます。
 そうしているうちに時計車が見えていよいよです。2位に2分以上差をつけていたので、来るのは駒大の高橋くんとわかっていましたから、「誰がくるのか」というワクワクはありませんでした。来る、来る、来る、、、、、「見えた!」。勝利を確信しているのか、すごい自信にあふれた表情でした。それでやっぱり速いです。あっという間に過ぎていってしまいました。わたしは中央の小旗を後ろに隠して「高橋くーん、ファイト!」と一声。高橋くんの走り方って、力強いなぁと思いました。やんちゃさんが走るぞ!という感じで、前に進んで行かれます。高橋千恵美さんもあんな感じよね、と思っていました。

その5