BON JOVI

LOST HIGHWAY

2008年1月13日(日) 東京ドーム


まるでボン・ジョヴィ?

 魔が差して(笑)ボン・ジョヴィを観に行ってしまいました・・・。
 年をとったら、最近はなんだかお気楽なライブが観たくなってしまって(笑)。
 80年代の歌謡ロックバンドの代表格とは言え、リアルタイムで好きだったわけでは全然ないんですけどね。あ、でも、大学生の時、バンドで“Livin' On A Prayer”と“Born To Be My Baby”演ったわ。バブル絶頂のあの頃は「まるでボン・ジョヴィ」な時代だったなぁ(笑)。
 ま、スタジアム・ロックのライブって観たこと無いし、21世紀のボン・ジョヴィにどんな観客が集まるのか、素朴な興味もあるし、一生に一度くらいは“Livin' On A Prayer”を大合唱してみるのもいいかなと(笑)。


善良な観客達

 というわけで、1月の3連休を利用して、東京ドームまで行ってまいりました。席はアリーナの一番後ろのブロック。
 客層は当然のように30代のベストヒットUSA世代が中心ですが、もっと年上の50代らしきオジさんもチラホラ。女性の方がやっぱり多いですが、男性同士のグループも結構いました。革ジャンやリストバンドをしているような人はいなくて、善良な普通の市民ばかり(笑)。皆さん、立派なサラリーマンや主婦だと思うので、普段はあまり音楽なんて聴かなさそうな客層ですが、20年間聴き続けたボン・ジョヴィは別格なんですかねぇ???
 開演前の大型スクリーンでは、ウドー音楽事務所のライブ告知が繰り返し流されていましたが、「ナイトレンジャー&ファイヤーハウス」とか「ボズ・スキャッグス&TOTO」とか、いつの時代じゃ?という企画ばかり。ま、ボン・ジョヴィも似たようなもんか(笑)。
 翌日の14日のライブはWOWOWで生放送されることになっていたので、カメラ関係のクルーは本番同様にリハーサルを行っていました。


80年代のヒット曲連発

 開演は17時。観客の年齢層を意識してか、非常に早い開演時間です。
 ステージに登場したボン・ジョヴィは・・・完全にオッサン達だ(笑)。ギターのリッチー・サンボラは見事に太って二重アゴになっているし、ジョン・ボン・ジョヴィもなんだか田舎のトラック運転手(笑)みたい。う〜ん、今のボン・ジョヴィって、こんなに華が無いのか・・・。
 しかし、観客は盛り上がるのだ。1曲目の“Lost Highway”の次はいきなり“You Give Love A Bad Name”。もう、場内大狂乱ですよ(笑)。
 その後も、俺が知らない最近の曲を織り交ぜつつ、80年代のヒット曲が続く。“Runaway”“Born To Be My Baby”“Bad Medicine”“Livin' On A Prayer”と俺の知っている曲は全部演ったよ。
 バンドは、メンバー4人に加えて、ベースともう1人のギター、さらに女性バイオリン。俺にとってバイオリンは、ROVOの勝井さんやフィッシュマンズのHONZIのイメージなので、非常にアバンギャルドな楽器。「なぜ保守的なボン・ジョヴィにバイオリンが!?」と疑問に思いましたが、カントリー方面でも定番な楽器なのですな。最近のボン・ジョヴィはカントリー風味らしいです。
 バンドの演奏は非常に大味。特にジョン・ボン・ジョヴィのボーカルは、全然声が出ていなかった。高音部はツラそうで、“Livin' On A Prayer”のサビは全部観客に歌わせて、自分では一度も歌わなかった。1曲だけリッチー・サンボラがメイン・ボーカルで演奏しましたが、リッチーの方が歌は上手いかもしれない(笑)。ちなみに、リッチー・サンボラは、今でも“Livin' On A Prayer”でトーキング・モジュレーターを使って「ウワウワ」言ってました(笑)。
 あと、キーボードの人は、向かい合ってセットした2台のシンセを両手を広げて弾くという、80年代な技を披露していたし、ドラマーはやたらとスティックをクルクルと回すし、古いアクションの連発に思わず苦笑(笑)。そもそも、ギターソロにピンスポを当てるようなライブ、最近見たことないわ。


これがスタジアム・ロックか?

 ステージにはバーのセットが置かれており、バーボン(?)の酒瓶が並べられ、ジュークボックスも置かれていました。しかし、このジュークボックスは、曲のスタートのきっかけに一度使われただけ。このセットが有効に使われることはなく、ライブはシンプルにバンド演奏だけで淡々と進行。
 3枚設置された大スクリーンにVJ映像が映されるはずもなく(笑)、メンバーのアップが延々と映されるのみ。ステージ上で派手なアクションが披露されることもないので、ふと気付くとステージではなくスクリーンを見ていることが多かった。2年前のマドンナと比較するのは酷とは思うけど、せっかくの生ライブなのに、観客にスクリーンをただ眺めさせてしまうようでは、エンターテイメントとして失格だと思うのだが・・・。いや、スタジアム・ロックとはこういうものなのかも?
 ま、なんだかんだ言っても、本編ラストの“Livin' On A Prayer”大合唱で、俺は大満足しましたけどね(笑)。
 それにしても、東京ドーム満員ということは、5万人のお客さんがいるわけで、フジロックの4万人よりもボン・ジョヴィの観客の方が多いと事実には驚かされました。俺のロックの基準はフジロックにあるわけだけど、そんな人間は実は少数派で、世間ではロックと言えばボン・ジョヴィだったらしい(笑)。
 日本の音楽シーンを考える上で、いい経験をさせてもらいました。

 



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