FUJI ROCK FESTIVAL'07

2007年7月29日(日)

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最初の朝、でも最終日の朝

 1日目、2日目とも、久々に快晴だったそうですが、最終日の朝は残念ながら曇り空。夕方には、短時間だけど雨も降ってしまいました。
 3日間とも晴れるフジロック、というのはやはり無理な願いなのか?

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義援金、ありがとうございます

 入場ゲートを入ると、いきなり正面に中越沖地震への義援金箱が待ちかまえていました。これは素通りはできないな(笑)。そして、トイレエリアのゴミ箱に「No新潟, No FUJIROCK」って大きく書いてあるのを見たら、ちょっと涙が出てきた。

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 グリーンステージのスクリーンでは義援金の告知が繰り返し流されていたし、ほぼ全ての屋台に義援金箱が設置されていました。お釣りの小銭はこの箱へ、ということですな。

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 最終的に、会場で集まった義援金は約760万円。さらに主催者が同額をプラスし、合計で約1520万円が義援金として寄付されました。
 新潟県民を勝手に代表して、フジロッカーの皆さんに御礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
 フジロック公式サイト「新潟県中越沖地震/義援金送金のご報告」


今年のTシャツ売り場

 グリーンに陣地を確保して、まずはビールを1杯。で、ホワイトに向かって歩き出すと、アーティストTシャツ売り場がメチャメチャ空いているのに気付いたので、一応寄ってみた。売り切れも多いけど、HappyMondaysが売れ残っているのを発見し、思わず購入。ま、今年のグリーンで観る予定はありませんが(笑)。
 オフィシャルTシャツは、先乗りしていた友人に頼んで、初日に買っておいてもらいました。

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ボードウォークからオレンジへ

 面影ラッキーホールを観るために一番奥のオレンジコートへ。雲の合間から太陽も顔を出して、林の中のボードウォークは本当に気持ちよかった。

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面影ラッキーホール (ORANGE COURT)

 大学時代のバンド仲間・宙GGPキハラが一時期在籍していたこのバンドですが、今まで生で観たことはなかった。ついにフジに登場です。
 女性コーラス2人、さらに女性ホーン隊3人を含む大編成バンド。ピンクのスーツを来て登場したボーカルのオッサンを見て、まずはズッこける(笑)。
 1曲目は“今夜、巣鴨で”。アフロビート的な演奏がカッコよくて「じゃがたら」の遺伝子を感じました。しかし「今夜巣鴨で、愛しいおじいちゃんと、もう何をされてもいい」という歌詞を合唱できる自分が誇らしいような悲しいような(笑)。

 曲目はほとんどが98年のファースト「代理母」からで、田口トモロヲがゲストで1曲参加していました。ドラマーは元ビブラストーンの横銭さんだったようです。そして、なんと新曲“パチンコやっている間に生まれて間もない娘を車の中で死なせた夏”も披露。歌詞の内容は、タイトルそのまんまです(笑)。
 クライマックスは“俺のせいで甲子園に行けなかった”。オレンジコートは揃いの振り付けでアホのような盛り上がり(笑)。
 「格差社会」とか「ワーキングプア」なんて言葉が生まれるはるか以前からこの芸風なんだがら、もしかすると、ついに時代が面ラホに追いついたのか?
 今年の俺のベストアクトに決定。

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ぐるぐるウィンナー(AVALON)

 オレンジからグリーンまで戻る途中でまたビール。つまみは朝霧食堂のぐるぐるウィンナー500円。要は長い普通のウィンナーなんだけど、巻かれて串に刺されると妙に旨く感じるのはなぜだ?

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FERMIN MUGURUZA (GREEN STAGE)

 2004年のフジに出演した時、日本では無名の存在なのに、その音のパワーだけでオレンジコートを興奮の渦に叩き込んだという伝説を持つバンド。2004年は私は見逃してしまったので、今年を楽しみにしていました。
 ホーン隊やコーラス隊はもちろん、DJとアコーディオンまでいる大所帯バンドで、ベースになっているのは、スカとレゲエか?
 スペインのバスク地方の独立を掲げているということですが、そんな政治的背景を知らなくても、「闘い続けているバンド」であることは音だけで十分伝わってくる。MCで「ブッシュ大統領こそ世界のテロリストの首領だ!」と叫んでいたなぁ。
 今回も、最前ブロックでは見知らぬ若者同士が肩を組んで踊りまくる輪が自然発生。知らないバンドの演奏でも、いい音には素直に反応するフジの客層は本当に素晴らしい。

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大豆のお肉のガンボカレー(FIELD OF HEAVEN)

 昼飯はいかにもヘブンな感じの肉無しカレーを。オクラのネバネバがニューオリンズのガンボ風の味わいを出していました。700円はちょっと高いけどね。

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 キングトーンズのドゥワップを聴きながらノンビリとビールを飲んでいると、いい気分になってきますなぁ。

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Marva Whitney with Osaka Monaurail (ORANGE COURT)

 昨年12月に無くなったJamesBrownへのトリビュートの意味があるのか、ついにオーサカ=モノレールがフジに登場です。
 前日の夜には「INBUSINESS」という東京渋谷のクラブイベントがそのままパレス・オブ・ワンダーに持ち込まれ、オーサカ=モノレールは深夜に2ステージをこなしていたようですが、私はこの昼間のオレンジのステージ1本に絞って観に行きました。
 バンドのサウンド・チェックが終了すると、DJが登場して、ファンクのレコードを流し始めます。セットチェンジの間をDJで繋ぐならともかく、時間の限られたフェスの場で、短時間のDJプレイをバンドの前に入れても、あまり意味がないような・・・。

 ようやくバンドが登場し、まずはモノレールだけで数曲演奏。正直、演奏は大して上手いわけではない。この程度の演奏レベルで、JBスタイルのオリジナル曲を作るというのは、はっきり言ってまだまだ早いと思う。
 本物のJBには絶対かなわないのだから、ニセ物はニセ物に徹した方がよいのでは?というのが俺の正直な感想。友人にモノレールのファンが多いので、期待度が非常に高かっただけに、ちょっとガッカリでした。
 この日のステージにはマーヴァ・ホイットニーだけでなく、JBバンドのサックスとトランペットの人も参加していましたが、「本物」の皆さんは、このバンドのことを本音ではどう思っているのだろうか?

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ROCKごはん(ORANGE COURT)

 15時の御飯です。食い過ぎです(笑)。行列に並んでいる間に雨が降り始めたので、食べる前に雨具を着込むハメに。
 ハンバーグ、タイのレッドカレー、ジャージャー麺、ポテトサラダのワンプレートで690円。脈絡のない組み合わせだけど、タイカレー以外はフジではあまり見ないメニューなので、たまにはこういうのもいいっすね。

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上原ひろみ(ORANGE COURT)

 2005年のフジロック初出演を見逃していたので、今年は期待してましたよ。
 いつものピアノトリオにギターを加えたメンバーなので、フュージョン臭くなってたらイヤだなぁ、と思っていたのですが、低音がガッチリと出たサウンドは完全にフジロック対応。バカテクのジャムバンドと言えなくもない。
 一応はジャズのジャンルに入る彼女だけど、ジャズオヤジが集うライブではなく、こういうロックフェスに出てこそ、彼女の真価は発揮されると思う。

 2005年のフジでは、NordLead2の不調に泣かされたそうですが、今年は機材の調子はバッチリ。
ピアノの上にはNordLead2にプラスして、もう1台アナログ系のシンセ(MicroKORGらしい)も乗っていて、さらにピアノの横にはNordElectro2もセット。電気化が進んでいます。普通、NordLead2は鍵盤演奏よりもフィルターのツマミ回しに使われるものだけど、彼女のNordLead2での鍵盤演奏は本当にスゴイ。あのシンセを音源ではなく鍵盤としてここまで弾き倒している人は、世界でもそう多くはないだろう。
 演奏中の鬼気迫る表情と曲間での天真爛漫な笑顔のギャップがたまらない。ひろみちゃん、次回はグリーンステージに出演させるべきです。

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ギャートルズ?

 オレンジからヘブンへ向かう途中で遭遇したのが、この原始人風コスプレの外人軍団。たださえ狭いオレンジへの通路を、作り物のデカイ石ころを運んで来たので、はっきり言って迷惑です(笑)。

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クラムボン (WHITE STAGE)

 1ヶ月前の新潟公演では非常に不甲斐ない演奏だったクラムボンの3人。フジでは果たしてリベンジできるのか?
サウンドチェックにはメンバー本人が現れ、そのまま本番に突入。ミトが「雨降って寒いと思うから、1曲目から踊らせるよ!」と叫び、“Bass,Bass,Bass”でライブはスタート。楽器演奏は全く無しで、メンバー3人がフロントで踊りまくる。ミトがボーカルをとるこの曲、クラムボンに本当に必要なんですかねぇ???

 2曲目は、それぞれの楽器に戻っての“Merry goround”。郁子ちゃんの「こんにちは、クラムボンです」というMCとともに楽器演奏が始まると、正直ホッとする。“Bass,Bass, Bass”は番外編で(笑)、ここから本番が始まるという感じ。
 新潟公演ではボロボロだった演奏は、別のバンドのようにしっかりと固まっている。特に伊藤氏のドラムの音が抜群にいい。ダイナミックさと繊細さが同居する演奏は、彼等3人ならではの音世界をちゃんと取り戻していました。

 多分ですね、ミトが今一番やりたいことは、“Bass,Bass,Bass”のような打ち込みダンスミュージックで自分が歌うことなんだと思う。新潟公演では“Bass,Bass,Bass”はアンコールだったので、ミトは早くあの曲を演りたくて、本編の演奏に身が入らなかったのではないだろうか?
 今回は1曲目がいきなり“Bass, Bass,Bass”だったので、最初に歌って踊って満足したミトは、残りの曲のベース演奏に安心して集中できた、と私はミトの心理を分析しています。

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レッド・マーキーへの狭い通路

 グリーンのHappyMondaysを素通りし(笑)、レッド・マーキーのフリクションへと向かう。
 前日の夜、レッドへの通路が異常に渋滞していたので、不思議に思っていたんだけど、原因はこのプリンスホテル専用のスペースでした。プリンスの屋台でフードを買った人だけが利用できると看板が立っていた。
 プリンスホテル無くしてフジロックが成り立たないのは分かるけど、このスペースはちょっと横暴だと思う。少なくとも、ステージへの通路の邪魔にならないところでやってくれ。

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FRICTION (RED MARQUEE)

 70年代末のニューヨークのアンダーグラウンド・シーンとの関わりや、「レックのベースは凄い」という話はよく目にしていたのですが、フリクションなんて伝説のカーテンの向こうのバンドだと思っていたので、まさかライブが観れるとは思っていなかった。
 オリジナルメンバーはベースのレックだけ、と言うか、ベースとドラムの中村達也だけという極小編成。ところが、ベースには歪んだギターの音を加える(?)エフェクトがかかっていて、レック1人でベース・ギター・ボーカルをこなすというワンマン・アーミー状態。中村達也のドラムも暴れまくるので、とても2人とは思えない分厚い音塊が襲ってきます。しかし、ベースとギターの音が常にユニゾン(?)なので、サウンドはやっぱり一本調子の感あり。
 ちなみに、意外とお客さんが多いのに驚きましたが、周りから「タツヤ!」という声は飛んでも、レックには声はかからない(笑)。元ブランキーの中村達也を観に来たお客さんの方が多かったのかもしれません。

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焼豚玉子めし(OASIS)

 オアシスで夕飯を、と思ったけど、どの店も行列がすごいんだよね〜。で、ほとんど行列のない店を発見してオーダーしたのが、この焼豚玉子めし。これ、愛媛の名物なのか?
 味は・・・イマイチ(笑)。名前のとおり、御飯の上に豚肉と目玉焼きを乗せただけ。タレとか味付けに工夫が欲しいですなぁ。やっぱり行列ができない店には理由があるということか。

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東京スカパラダイスオーケストラ (GREEN STAGE)

 フジには何度も出ているのに、グリーンのトップバッターとか早い時間帯での出番ばかりだったスカパラ。人気、実力の割になぜか冷遇(?)されてきた彼等ですが、今年はついに最終日の大トリ前に昇格。
 ドラムの茂木欣一が加入し、ようやくメンバーが固定して数年。海外公演の場数も踏んできたスカパラの演奏は本当に素晴らしい。大人数バンドとは思えないほど、音がビシッと固まり、無駄がない。エッジの効いた演奏はビースティーズのバンド演奏なんか比べ物にならないほどハイレベルだ。
 次回のフジロックこそ、彼等にトリをとらせていただきたい。

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VooREDOMS (WHITE STAGE)

 スカパラをちょっと早めに切り上げて、再びホワイトへ。
 サウンドチェックに時間がかかっていて、10分くらい待たされたのだけど、その間「グワワーン!」とか「ギャオーン!」とか、謎のノイズが大音響で何度も鳴り響く。ボアダムズでノイズが発生しても驚きはしないが、ステージをよく見ると・・・。
 なんだアレは!?
 エレキギターのボディが4、5台合体し、さらにネックを両側に付けたような正体不明の物体がステージ真ん中にある。その横にはスチールギターのような物体がスタンドに何台も取り付けてある。
 そして、演奏が始まると、ドラム3人が叩き出すリズムの上で、EYEがこの見たこともない楽器に飛びかかって、轟音のノイズを演奏するのだ!!

 こんな音楽、聴いたことも見たこともないよ。去年、コノノNo.1を観た時には「得体の知れない音楽に久々に出会った」と思ったけど、ボアダムズの方がはるかにトンデモない。EYEの姿を見て、初めて「シャーマン」という存在を実感しました。
 現在のボアダムズは、もはや神懸かり的な存在ですな。

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THE CHEMICAL BROTHERS (GREEN STAGE)

 フジの常連、今年で5回目というのだから、2年に1回は出演していることになる。
テクノ界のライブはノートパソコン1台で完結するラップトップ・スタイルが主流になってしまったけど、デカいミキサー卓の後ろに音源類を積み上げる彼等のオールドタイプなスタイルは健在。しかし、機材ラック自体がステージセットになるようにデザインされており、随分と洗練されたセッティングになっていました。

 初期のロッキン・ブレイクビーツの衝撃度に比べると、もはや驚くこともない現在のケミカルのサウンド。刹那の快楽性が運命のダンス・ミュージックにとって、安定とか成熟という言葉は似合わないが、グリーンステージでトリを務められるレベルのテクノ系アクトというと、やはりアンダーワールドとケミカルしか思いつかないんだよね。
 演奏終了と同時に、スクリーンには「LOVE ISALL」のメッセージが踊り、2人はハイタッチして抱き合います。その姿は、もはやテクノ・アーティストではなく、ロック・バンド以上の存在感が感じられました。

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芋煮汁(場外)

 本当は、レッド・マーキー深夜〜明け方のSUNPAULOとROVOを観たいところだけど、翌日は朝から普通に仕事なので、やっぱり帰るしかない。
 車で新潟に帰る前に最後のエネルギー補給。場外のTシャツ売り場前の屋台で、芋煮汁です。しかし、具が少ない・・・(笑)。

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来年こそはフル参加!

 それにしても、地震のせいでフジロック参加が危うくなるとは予想もしませんでした。自分はなんとか途中参加できたものの、毎年一緒の仲間1人は、全く参加できませんでした。
 毎年、当然のようにフル参加していた自分は、幸運だったのだなぁ。「いつまでも行けると思うな、フジロック」ってことか。
 ともかく、来年こそは前夜祭からフル参加したいものです。

 最後は、アホなオッサン3人でビースティー・ボーイズ風に(笑)。Fight For Your Right To Party!

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