GO-GO CD & DVDカタログ

Chuck Brown & The Soul Searchers


「ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー」ことチャック・ブラウン。1935年8月22日生まれで、GO-GO界の最重要人物ですが、そのジャジーな味わいは他のGO-GOバンドとは一線を画しており、音楽的には異色の存在ともいえます。
 私は1994年12月20日の来日公演(六本木ジャングルベース)で初めて観ましたが、人の良さそうなジイさんでした。顔は「いかりや長助」似(笑)。

 ちなみにソウル・サーチャーズのドラマー Ricky Wellman はTUTU以降のマイルス・バンドに参加していました。晩年のマイルス・デイビスを支えたのはGO-GOのリズムだったのです。



WE GOT THIS (Raw Venture Records & Tapes 2010)

 2010年9月21日リリースの3枚組。スタジオ新録CD、ライブCD、ライブDVDという大ボリュームですが、ライブのCDとDVDは同じ内容です。
 スタジオ録音のプロデュースは、前作同様Chucky Thompsonが担当し、マーカス・ミラーやジル・スコットをゲストに迎えています。
  注目のライブは、ワシントンDCの9:30 Clubで収録されたもので、収録年月日は不明ですが、メンバーが2010年3月の来日公演とほぼ同じなので、2008年か2009年のライブと思われます。2008年2月の来日公演に参加していたドラムのJUJUがいないのが残念ですが、2010年5月に急逝したLittle Bennyの元気な姿を観ることができるのが、GO-GOファンにとっては、最高のプレゼントでしょう。

We're About the Business (Raw Venture Records & Tapes 2007)

 12年ぶり(!)のスタジオ録音盤。2007年4月24日リリース。
 プロデュースは売れっ子のChucky Thompsonとのことですが、最近のR&Bに疎い私は全然知りませんでした。Mary J BligeやNasを手がける大物のようです。
 スタジオ盤ということで、基本は打ち込みサウンドですが、見事に現代的なGO-GOに仕上がっています。ジャコ・パストリアスの“Liberty City”をサンプリングした曲あり、娘のKKをフィーチャーした曲あり、お得意のジャズ、ブルース調あり、多彩な内容で楽しめます。
 全てのGO-GOファン必携!

THE BEST OF CHUCK BROWN (Raw Venture Records & Tapes 2005)

 2枚組のベスト盤。1998年リリースの“GREATEST HITS”と同じような選曲ですが、初CD化の“We The People”と“Blow Your Whistle”の2曲が収録されているのが嬉しい。GO-GOビート以前の時代の2曲ですが、レア・グルーヴとして素晴らしい演奏です。
 2005年録音の“Fiesta”という曲もボーナス・トラックとして収録されています。

PUT YOUR HANDS UP!
THE TRIBUTE CONCERT TO CHUCK BROWN
 (Raw Venture Records & Tapes 2002)

 なんと2枚組のライブDVD! 同タイトルのCDも発売されています。
 チャック66歳の誕生日を祝うため、2001年8月31日に行われたライブを収録したもの。EU, Back Yard, 911の3バンドの演奏の後、チャック本人のライブというおいしいライブ盤です。ゲストにはTrouble FunkのBig Tony、Little Bennyなどを迎え、GO-GO人脈総出演に近いものがあります。
 そして、GO-GOのドキュメント映像も収録されており、アイランドのクリス・ブラックウェル、ネルソン・ジョージ等のインタビューも見られます。
 とにかく、GO-GO史上最高のライブ映像です。絶対買うべし。

Your Game...Live at the 9:30Club (Raw Venture Records & Tapes 2001)

 久々の新作。しかも、DCでのノンストップ・ライブ!
 Trouble FunkのBig TonyとRobert Reed、Little Bennyといったゲストを従え、お馴染みのゆったりとしたグルーヴが心地よい。ハービー・ハンコックの“Cameleon”のGO-GOカバーもあり。
 そして、なんとただのCDではなく、エンハンスト仕様になっており、パソコンにセットすれば、ライブビデオも見ることができます。
 ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー、まだまだ健在です。

The Spirit of Christmas (Raw Venture Records & Tapes 1999)

 前作“TIMELESS”に続くカバー企画で、今回はクリスマス・ソング集。しかし、9曲中5曲はGO-GOスタイルですので、ご心配なく。“ホワイト・クリスマス”や“サイレント・ナイト”が見事にGO-GOになっていて、“Let's GO-GO Christmas”を1人でやってみた、という感じです。年末のパーティーでのDJに最適(笑)。
 故EVA CASSIDYさんとのデュエット2曲はGO-GOではありませんが、ホロリとさせられます。それから、ドラムで「Dwayne Wellman」なる人物が参加してますが、もしかしてRicky Wellmanの息子だったりするのでしょうか?
 2004年12月に日本のアマゾンで購入。 

TIMELESS (Raw Venture Records & Tapes 1998)

 内容はGO-GOではなく、ジャズとブルースのスタンダードのカバー集。1992年の“THE OTHER SIDE”と似たような企画です。ライナーによると“THE OTHER SIDE”でデュエットしたEVA CASSIDYさんは亡くなってしまったようです。追悼。
 2曲だけJUJUがドラムを叩いてますが、残念ながら完全なジャズ・スタイル。しかし、気持ちよさそうに歌い上げるチャックの声は実に心地よい。
 CD NOWのインターネット通販で購入しました。

GREATEST HITS (Raw Venture Records & Tapes 1998)

 ついに出たベスト盤。ほとんどの曲が他のCDにも収録されているので、目新しさはないですが、ライナーには若き日のチャックの写真が載っていて楽しめます。
 母親急病で中止になった91年の来日公演のフライヤーも載っていて、渋谷ON AIR前で途方に暮れたあの日が蘇ってきます(笑)。
 こちらもCD NOWで購入。

HAH MAN (JIMCO Records 1995)

 久しぶりのスタジオ録音盤。ジムコによる日本盤で、原盤はRaw Ventureです。“My Funny Valentine”や“A Night In Tunisia”など、40〜60年代の古い曲のカバー中心。さすがにチャックも60歳を迎えたので、声量は衰えを隠せませんが、まだまだ現役です。
 ドラムにRicky Wellman が復帰し、Ivan Goff も参加しています。

GROOVIN' TO A GO-GO (JIMCO Records 1992)

 ジムコからリリースされた日本盤ライブ2枚組。1枚目が Future Sound (1989)、2枚目が Raw Venture (1990) というGO-GOマニアにはお馴染みのレーベルが原盤です。当然ながら音質は悪い。演奏内容はまぁまぁ、というところ。
 ライナーには小林径と荏開津広の対談が載っており、レア・グルーヴ系DJによるGO-GOの分析が興味深い。

THE OTHER SIDE (Cbd.music 1992)

 CHUCK BROWN AND EVA CASSIDY 名義でのリリース。チャックが彼のルーツの一つであるジャズに正面から取り組んだ作品で、女性ボーカルとのデュオ・アルバムです。GO-GOではありませんが、味わい深い作品です。
 GO-GO以前はジャズ・コンボで演奏していたというチャックですから、実に堂々とした歌いっぷりです。

This Is A Journey … Into Time LIVE ! (Raw Venture Records & Tapes 1991)

 ドラムにE.U.の William “JUJU”House、ホーン・セクションにはP-Funk Horns が参加したライブ盤。マイルスの“TUTU”やP-Funkネタを演奏するなど、選曲は面白い。しかし、音質が悪く、1曲ごとにフェードアウトしてしまうため、今一つ乗り切れません。

This Is A Journey … Into Time ( MINOR MUSIC1992)

 こちらは、ドイツのMINOR MUSICというレーベルによるジャケ違い盤。

GO-GO LIVE (JIMCO Records 1992)

 ジムコによる日本盤。タイトルは違いますが、中身は上記2枚と同じライブです。解説は小林径氏で、チャック・ブラウンの経歴についても詳しく書かれています。
 2004年8月にヤフオクで購入。

90's GOIN' HARD (Goff Records 1989)

 IVAN GOFF featuring CHUCK BROWN 名義でリリースされたもの。E.U.のキーボード、アイヴァン・ゴフによる打ち込みビートをバックに、チャックがパーカッシブなボーカルを聴かせます。打ち込みでもかっこいいGO-GOが作れる、という見本です。
 ジャズのスタンダード“Misty”や、E.U.の曲“Come To The GO-GO”のカバーもあり、多彩な内容です。

ANY OTHER WAY TO GO ? (Rhythm Attack 1987)

 私が初めて買ったGO-GOアルバム。ライブ録音ですが音質も良く、GO-GOの基本中の基本の1枚でしょう
 これを聴いたときは「CDプレーヤーの曲表示は進んでいるのに、最初から曲はずっと続いているぞ!?」とショックを受けましたねぇ。アルバム・タイトルといい、“It don't mean a thing , if you ain't got GO-GO swing”と歌う1曲目といい、GO-GOの美学が感じられます。
 

GO GO SWING LIVE (FUTURE RECORDS & TAPES 1986)

 新宿高島屋のHMVでゲットした1枚。内容は“ANY OTHER WAY TO GO”とほぼ同じですが、後半の曲目が若干違う。おそらく、これがワシントンDCでリリースされたオリジナル盤で、“ANY OTHER WAY TO GO”はイギリス辺りで再編集されたものなのではないでしょうか?

 

GO-GO SWING - D.C.LIVE - (ファンハウス 1986)

 上記の“ANY OTHER WAY TO GO?”と“GO GO SWING LIVE”の日本盤と言えるCD。収録曲はどちらとも微妙に異なり、日本独自の編集となっています。日本語解説を読むと、ライブの収録場所が「Crystal Skate」と「R.S.V.P. Club」という2カ所のライブハウスであることが分かります。
 この日本盤の存在を知ってから10年以上探し続けていましたが、2006年2月に長野のTakizさんから譲っていただきました。大感謝です。

BUSTIN' LOOSE(Valley Vue Records 1992 / Originally Released Source1979)

 1979年にソウル・チャートで第1位となったタイトル曲を含むスタジオ録音盤。リズム的には現在のGO-GOビートとは異なりますが、これが原点のひとつであることは間違いありません。
 GO-GO云々というより、ファンクとして最高にかっこいいアルバムです。

BLOW YOUR WHISTLE / THE SOUL SEARCHERS(Vampisoul 2007)

 下記のSussexレーベルの2枚のアルバムからの編集盤ですが、2枚を再発したSoul Brother Recordsとは全く異なるVampisoulという謎のレーベルからのリリース。権利関係がどうなっているのか、よく分かりません。
 2枚のアルバムに収録されている曲ばかりなので、マストとは言いませんが、この手の弱小レーベルのCDはいつ市場から消えるか分からないので、やっぱり買っておくしかないですよ。
 2007年2月に仙台タワレコで購入。

SALT OF THE EARTH / THE SOUL SEARCHERS(Soul Brother Records 2006 / Originally Released Sussex1974)

 1974年にThe Soul Seachers名義でSussexレーベルからリリースされたセカンド・アルバム。2006年秋にファーストの“We The People”と共にイギリスのレーベルから再発されました。
 90年代にSOUL 2 SOULがグラウンド・ビートを産み出す元ネタにしたと言われる“Ashley's Roachclip”を収録。GO-GOを離れた世界でも歴史的に価値のあるアルバムです。

WE THE PEOPLE / THE SOUL SEARCHERS(Soul Brother Records 2006 / Originally Released Sussex1972)

 1972年にSussexレーベルからリリースされたファースト・アルバム。Chuck Brown & The Soul Seachersと名乗る前で、チャック・ブラウンの表記も「CHARLES BROWN」(本名?)となっています。
 GO-GOスタイルを確立する前の演奏ですが、ファンク・バンドとして実にカッコいい。ヒップ・ホップのサンプル・ネタとして人気なのも納得です。
 2007年1月時点では、タワレコ、HMV等の大手輸入CDショップならどこでも入手可能です。



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