GO-GO CDカタログ

E.U. (Experience Unlimited)


 Experience Unlimited 略してE.U.で、メジャー・レーベルと契約した数少ないGO-GOバンドのひとつ。自らのレーベルGoffでプロデューサーとしても活躍していた才人 Ivan Goff とGO-GO界最高のドラマー William “JUJU”House を擁し、一時期はGO-GOの最先端にいたバンドです。
 あのスパイク・リーの映画“School Daze”の主題歌として“Da Butt”がフィーチャーされ、R&Bチャート1位というGO-GO最大のヒットを記録しました。しかし、その後はコマーシャルな方向に行ってしまい失速。JUJUは脱退してチャック・ブラウンと行動を共にしていましたが、チャック・ブラウンの2001年ライブDVDでは、EU feat.Sugar Bear and JUJUとして、復活しています。


SCHOOL DAZE "REVISITED" 20 YEARS LATER(Teddy Bear Records 2007)

 「EU & FRIENDS」名義でのリリース。「DA BUTT」のヒットから20周年という企画のコンピ盤です。タイトルからすると映画「SCHOOL DAZE」の20周年のような感じですが、映画との関連は特にないようです。「LIMITED EDITION」の意味は分かりません・・・。
 収録曲は、EUというかシュガーベア絡みの曲3曲とワシントンDC周辺のアーティストの曲色々。EUの3曲はGO-GOですが、他の曲はラップあり、歌物ソウルあり、フュージョンありでバラバラです。
 注目の「DA BUTT 2008」は新録音ではなく、リミックスです。今風のサウンドになってはいますが、新鮮さはありませんなぁ。

Black Face(aosis 2003)

 E.U.のドラマーJUJUの初(多分)ソロ・アルバム。
 aosisという日本のジャズ・フュージョン系のレーベルからのリリースで、内容的にも「GO-GOビートを使った歌物フュージョン」という雰囲気で、E.U.みたいなGO-GOマッシブな感じを期待して聴くと、肩すかしをくらいます。
 My Funny Valentine等のジャズのスタンダードや、シック、バリー・ホワイト等のソウルの有名曲をGO-GOビートでカバーする企画で、ちょっと安易な気がしないでもない。
 aosisというレーベル自体が「昔は音楽好きだった大人のための良質な音楽」みたいなところをコンセプトにしているようで、確かにその通りの内容になっています。
 JUJUがどういう経緯でaosisレーベルと契約したのかは不明ですが、日本のGO-GOファンとしては喜んでいいものか、ちょっと複雑な作品です。

UM Bop Bop... Bounce(Djumbe Records 1999)

 「Sugar Bear with Ju-Ju & "EU" 」名義でのリリース。ジャンベ・レコードという謎のレーベルからのスタジオ録音盤です。私が所有しているのは、残念ながらCD-Rコピー。
 チャック・ブラウンの2001年ライブDVDでEUが演奏しているジャクソン5“I Want You Back”のカバーのスタジオ・バージョンが収録されています。

Make Money(Escape Records 1996)

 解散したかと思っていたE.U.がいつの間にかリリースしていたインディー盤。なぜか新潟のHMVにひっそりと入荷していました。
 カーティス・メイフィールドやホール&オーツ(意外)のカバーも含むスタジオ録音で、ラッパーをゲストに迎えたりしてがんばっています。まぁ、健在ぶりが確認できて良かった、というマニア向けの1枚ですな。
 ちなみにジャケットのドル紙幣の人物は“FUNKLIN” だそうな(笑)。

COLD KICKIN' IT!(Virgin America 1990)

 E.U.の息の根を止めた失敗作。普通のブラコン(死語)です。無理にカッコつけようとしているジャケットでもう内容は想像つきますね。
 Trouble Funkと同じような失敗です。レコード会社がGO-GOを理解していないのか、それともこれがGO-GOの限界なのかはよく分かりませんが、とにかくこのアルバムとともにGO-GOの世界進出の夢は終わりました。

LIVIN' LARGE(Virgin America 1989)

 “Da Butt”をフィーチャーした全盛期のアルバムで、スタジオでの録音技術とGO-GO本来のダイナミクスが結びついた傑作。SALT-N-'PEPAがラップで参加しています。
 しかし、“Da Butt”ってマーカス・ミラーが書いた曲なんですよね。GO-GO最大のヒットの立役者は実はマーカスだった、という意外な事実は結構見落とされています。


(1995年盤)


(2002年盤)

Free Yourself(P-Vine Records 1995)

 1976年にリリースされた彼らのファースト・アルバム。日本が誇る再発レーベルP-Vineから1995年に突然CD化されました。
 内容はGO-GOではなく、メンバーも大半が後期のE.U.とは異なりますが、ジャズ・ファンク的な演奏でこれはこれでカッコいい。レア・グルーヴという視点でも評価できるのでは?
 しかし、何故これが突然日本盤でCD化されたのか、日本語ライナーを読んでも全く不明なのが残念です。
 2002年に再発されたバージョンではジャケットの色調が異なります。



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