やっぱりドタバタの話 10月30日(金)
いやはや、まいった。
これはとってもややこしい話になってきてしまった。どこから話し始めればいいのか・・。
やっと今日、パスポートとヴィザが手に入るはずだったのに、どうも話が違うのである。
今日という日を記念して、安全を期して表紙をアップしたのに。

危ない。非常にあぶない。危なすぎる。

「国家と法研究所」から、昨日、電話がかかってきた。
ヘンヘンのパスポートは、9月に書き換えをしたので、7月にヴィザをもらったときと、パスポートナンバーが違う。念のため、日本大使館からヴィザの書き換えをしたので、番号が変ったという証明書をもらってこいという。

しかも、あのヴィザ代が高いから、乗り換えた「歴史研究所」からも、乗り換え許可証(ヴィザは列車の切符か?オイオイ)もいると言っているではないか。

乗り換えられた「歴史研究所」としてはおもしろくないだろう。
わたしたちだって、おもしろくない。

日本大使館にまず、証明書をもらおう。それから「歴史研究所」へ行って書類をそろえようと思った。


大使館に電話をすると、
「いや、そう言われましても、前例のないことですので、東京の本省に問い合わせてからでないと、勝手なことはこちらとしてもで出来かねるのです。」 大使館の係官は言う。
「今までこんな証明書を書いたことがありません。前の古いパスポートがあるから、それを見せればよろしいでしょう。」
「いや、しかし、それがないと、ヴィザの延長が出来ないと言われてしまいました。だから、必要なんですが・・・。」
と、夫は何とか食い下がろうとすが・・・。
「そのような書類は必要がないはずです。今まで出したことがないのですから。」
「困ったなあ。それでは、この書類を今回、初めて出すにはどうしたらいいのですか。こちらとしても大学からの出張で、文部省の許可を得てモスクワに来ています。途中で帰らなければならなくなります。」
と、必死で抗戦の夫。
「証明書というのは、公文書なので勝手に、個人で出すわけにはいかないのです。検討するには最低1・2週間かかります。お待ち願えますか。」
と、大使館。
「1・2週間ですか。「国家と法研究所」は明日には持って来いと・・・。ヴィザなしで1ヶ月もモスクワにいなければならないのか。困りました。うーん。」
泣きすがりたい気持ちでいっぱいだ。気を取り直して、
「それでは、早急に検討してもらえるように、私からも頼んでみますので、誰に言っていけばいいのか教えてください。」
と、夫は頑張る。
「いや、そう言われましても・・・・。」
考え込む大使館の係官。
「ヴィザなしで1ヶ月も・・・。本当にどうしたらいいのでしょう。」
「そんなに大変な事情でしたら、証明書ではなく、文書を書いてみましょう。今すぐ、こちらへこられますか。」
(最初から、夫は私たちはもうすでにヴィザなしで2週間も過ごしていると言っているではないか。)
「はい、すぐ参ります。」

とりあえず、一つは終わった。


もっとややこしいのは二つ目だ。
ヴィザ代が高いので、乗り換えた前の「歴史研究所」に、『乗り換え許可証』をどうやってもらうかが問題だ。
知り合いが古文書館を使うための紹介状を書いてもらったところ、1通につき100ドルとられてしまった。
うちは、まあ、言ってみれば、4人分の『乗り換え許可証』がいる上に、高いヴィザ代を払いたくないので、別の研究所にかわったわけだから、なお更、ぶったくられるかもしれない。
「国家と法研究所」のヴィザを出してくれる人は、これまでに外務省に行って、中央ヴィザ登録局に行き、その中で盥回しされた挙げ句、内務省へ出向いて、やっと、私たちの滞在許可を得た。その大変な仕事をしてくれた人が、どうしても「歴史研究所」のもいるというのだ。いくらなんでも断りきれない。

その上、これ以上、事を構えると、いつパスポートがもどって来るかわからない。ということは、つまり、ルーブルへの両替が非常に難しくなるということだ。パスポートがなければ、両替はほとんど不可能に近い。
もう、11月になろうとしている今日このごろ、特にルーブルに関しては、懐寒い日々が続いている。



外国に住む身とあっては、パスポートのない薄ら寒さが身に沁みてきた。

不法滞在の経験ももう十分にやった


来週中には、そろそろパスポートがどうしても欲しい!



いや、貰ってきてみせる!!と、意を決している夫である。



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