7月7日(水)

うちにジョーチリンリンがやって来た。
7月4日、我が家はとうとうジョーチリンリン記念日となった。。
買った場所は動物ルィノック。ここは週末に人々が集まって、ペットを売っている。
小犬、小猫、鳥、ハムスター、金魚にカエル、果てはヘビまで。
鳥かごから、ペットを運ぶ籠、そしてペット・フードなどが置いてある。それも日本のように小さな区画ではない。田んぼ2枚分くらいの広さのところ全てが動物或いはそれ関連のものが置いてあるのだ。
犬で言うと、プードル、チャウチャウ、シュナウツァー、ペキニーズ、アフガンハウンドにコッカスパニエル、セントバーナード、狆、もちろんロシア原産のボルゾイも・・・。動物図鑑に載っているものはほとんどと言っていいくらいに売っている。
自分の家で生まれた子犬を売るものだから、日本のペット・ショップのようなものではない。ルィノックの一区画50センチ平米ほどの屋台を借りて、飼い主が売っているのである。だから、ジョーチリンリンが売れた時の飼い主の顔といったら、複雑であった。
嬉しい淋しい、恨めしいをないまぜにした感情が目元に表われた。そして口が少し震えていた。
「このピンクの紐を上げましょう。これにつないでお散歩してね。」
「狂犬病の注射はしてありますから、また、半年後にもう一度してあげてください。うちのペットのホーム・ドクターはここに書いてありますから。いいお医者様だから、続けてみせるといいですよ。」
「分かりました。ありがとう。じゃあ。」
「あ、それから・・・。」
「何ですか。」
「わたしの家の電話番号はこれだから、何かあったら必ず電話をしてね。忘れずにね。 いつ電話をくれてもいいからね。さよなら。」
「さよなら。」
「待って。もう一度抱っこさせて。」
そうやって、屋台を出てくる時に、私たちの払ったお金で他の売れ残った小犬たちの頭を撫でていた。縁起担ぎのものなのだろう。


ジョーチリンリンとはドゥニャン一家の新しいメンバー。 <
頭は異常に大きく(体長から言うと、3分の1頭身。体高では4分の3頭身)、首が細くくびれ、お腹はとっくり型にプックリと太っている。
その上、内股でよたよた歩き、足が短い。
これではあのマンガによく出てくるような本物のかわいいスコティッシュ・テリアになるかどうか心配である。

お風呂に入れても泣かないし、お散歩に行ったら数倍もある大きい犬を見ても、ちっとも怖がらないで却って吠えてくる。なかなかのツワモノである。
おしっこやうんちはどこででもするし、朝5時になったら、「起きてよう」と、キュンキュン泣く。
いつお腹が空いているのかちっとも分からないほど、食べ物には無関心。それよりも食べ物をまだ食べ物だと思っていないのかな。えさをくれとねだったことがない。
でも、あのヨーグルト・きのこの元祖、ロシアのケフィールが大好物。ドッグ・フードは手で食べさせると食べるけど、みずからは進んで食べようとはしない。


最初、お散歩に連れて行った時は歩くのがくたびれたといっては、ペタっと尻餅をついて動かない、外でおしっこをしてもらおうと1時間半ものお散歩をしてみるが、全く反応なし。

これでいいのか。

誰か、犬のトイレのしつけの仕方を教えていただけませんか。

今日、犬の飼い方について、動物奇想天外のビデオを見て、勉強した。
それを見て、びっくりしたのは、ドゥニャン一家は絶対やってはいけないことを必ずやっていたことである。
まず、かまい過ぎ。
しかる時には、「がんばれ〜。」とでも、言うように大きな声で喜んで怒る。
出来るなら、人間の食べているものを食べたいとねだって欲しいと思って、食事をちらつかせる。
褒める時は手短に褒めなければならないのに、とことん粘って褒める。とにかく長い。

これでは、何がいいことなのか悪いことなのかジョーチリンリンにとって分からないらしい。
その上、ロシア語で育ってきている彼は(オスであります。)日本語で何を言われても分からない。ロシア語を喋る人がいるとそちらの方に行ってしまうのは、その音が心地よいからか。
とにかく日本語で彼を調教するのに、苦労しております。

でも、彼は可愛いカワイイ我が家のペット。
今まで、ペットといえば、びーびーにねだられてハムスターを飼ったり、金魚すくいの金魚を飼ったりしたけれど、今回のは真打だと思う。

一緒に仲良く生活しようゼ!ジョーチリンリン。

皆様、我が家の新しいメンバーをどうぞよろしくお願いします!!



今日、7月10日、ジョーチリンリンの耳垢掃除をした。出てくる出てくる沢山綿棒についてばっちぃのが・・・。犬臭い体臭まんまんだった彼だったが、ちょっとは上品なお坊ちゃまクンになったようだ。
隣りのアイーダは犬の耳垢掃除は毎日が大切だといっていたが、彼にとっては迷惑千万この上ないようだ。今日は1週間ぶりのお風呂にも入れてやろうと、てぐすね引いてドゥニャンは待っている。

(彼の清潔度に神経質なのは、下の娘が犬や猫に対してひどいアトピーを持っているから・・・。)でも、一番、ジョーチリンリンにお守りをしてもらいたいのは、彼女なのである。


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