2000年2月13日(日)

きのう、またもや我が家のヒューズが飛んだ。洗濯機、電気調理器、そして電子レンジが使えなくなった。ちょうどスパゲッティを茹でようとしていたお湯が沸いてスパゲッティを入れた途端の事だった。

2週間ほど前にも同じことが起こった。スパゲッティを沸騰したお湯に入れてグツグツと茹るのを待っていたら、いつまでたってもお湯が煮えてこない。おかしいと思って見たら、電気調理器に電気が来ていない。
その時は勿体無いながらもスパゲッティを捨てたのだが、今回はあまりにも勿体無さ過ぎる。

それで隣りのアイーダのところに行って、もらい電気をしたのだ。
するとアミールの友達が来ていて酒盛りのたけなわ。その酒宴を尻目にスパゲッティを茹でる。フライパンも持っていってズッキーニやベーコンをお箸で炒める。
塩もスパイスもお酢もみ〜んなとなりへお引越し。
ヘンヘンも動員されている。


「オイ、ヘンヘン、ドゥニャン。一緒に飲もうじゃないか。オレの誕生日だ。」
「一杯だけね。」
「お誕生日、おめでとう!!アミール!!」

さて、スパゲッティが出来上がると、
「もう一回こっちへ来いよ。待ってるから。」
とのお誘い。土曜日の夜でもあるし、アイーダのお料理は美味しいし、断れない。

アミールの家でしこたま飲んだ。アミールは身体がグラグラするほどに酔っ払っていた。
アミールは友達にいい恰好をするために英語で話しをしようとするのだが、それはおぼつかない。
「ロシア語でやれやれ!!」
と、言われて今度はロシア語を話そうとするのだが、アレレ〜?どこへぶっとんだか、ろれつが回らずまともなロシア語が出てこないのである。
「ドゥニャンのロシア語より下手だぞ!おい!!」
なんて囃されても抵抗しないアミール。
「オレの腹はでかい。ほら!ミロ!!トイレへ行っても下が見えないのだ。難しいぞ。おしっこをするのも・・・。」
なんて馬鹿げた事を話している。


さて、アミールの家でいっぱい加減のヘンヘンとドゥニャンそしてグテングテンに酔っ払っているアミールとアエロ・フロートのパイロットであるゲーナそしてその妻のターニャさんに
「お茶を飲みにうちに来ない?」
と、誘われた。
本当にお茶だと思っていたら、
おのこども三人は、
「ちょっとハナシがある。ドゥニャンはここで待っていろ。」
と、行って台所へと消えてしまった。ターニャさんの手伝いでもするのかと思っていたら、
アミールが、ターニャさんにひざまずいて、
「ウォトカ、ちょうだい。おねがい!」
と、手を擦りあわせる。
ゲーナも同じ、アミールに従って
「ウォトカ、あるでしょ。出して下さい。」
と、ニャンコのようにねだる。
「駄目、もう充分飲んだでしょう??」
ターニャさんは夫のゲーニャのホッペにチュゥをした。


すると、アミールがいかついお目目をキンキラさせて、
「僕にもホッペにチュゥちょうだ〜い!!ねえねえ、チュゥしてぇ!」
と、スリスリしたのだった。

(モチロンへんへんはそこまではしなかった・・・していたら、どんなことが起こったかな??)


酔っ払っている男達はとうとう最後にウォトカを勝ち取った。
アミールはお茶に出されたあま〜い砂糖だらけのケーキを肴にじゃんじゃん飲んでいる。
目は据わっているし、身体はグラグラ。
「フィ〜。もういっぱい!!」


「もう止めたら?」
と、ドゥニャンが言うと、ゲーナは二本の指を差しだして
「これが何本かわかるうちは飲んでもいい。」
「これ何本ある?あみーる?」
アミールからは返事がない。質問も分からないくらいとことん酔っ払っている。
それでも乾杯。

どうする?帰れるのかなぁ。いささか心配になってくる。

「もう帰ろうよ。」

コートを着て、靴を履いて用意をして廊下に出ると、またゲーナが呼ぶ。
「オレンジ食べないか。酔い覚ましだ。」
それは真っ赤なウソ。また男達はグビリとイッパツやっている。
「もうやめなさい!!」
ドゥニャンは怒った。

帰り道のアミールは自分の家の方向もわかっていない。
ヘンヘンはそこまで酔っ払っていないと、なんだか鼻高々。いやらしくアミールを見て笑っている。





ところが、今朝起きたら、二日酔いで頭がズキズキ。ベッドから起きられない。
ほら、言わんこっちゃない・・・。
「アミールも辛いだろうな。」
ヘンヘンは妙に同情的だ。



しか〜し!!
ゴミを捨てに廊下に出るとアミールは颯爽と立っていた。
「これからアイーダに頼まれた買い物しに行くんだ。」



凄い!!ロシアの男は凄い!!
なんともなかったんだ。あの酒量。
おみごと!!
お誕生日おめでとうございました。アミール。



ヘンヘンの名誉のために、今晩の夕食はちゃんと彼が作ってくれたし、ジョーチリンリンのお散歩にも行った。しかもドゥニャンは高いびきだったらしい・・・。

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