2000年2月23日(水)

前にロシアのアパートは大体一つの入り口に対して4軒ずつの所帯があり、その所帯がそれぞれ共有の場所として、自分の家の入り口の前に10畳ほどのスペース(クリドゥール)がある事を書いた事がある。
その共同スペースとエレベーターを待つ廊下には仕切りというかドアが付けられていて、それにもモチロン鍵がついている。

自分の家の鍵が2・3個、そしてクルドゥールに入る時に鍵をかける。

アパートの入り口にも鍵がかかっているし、ロシアの家屋は外敵から2重3重に守られる事になっている。

さて、先週、そのクリドゥールのドアが木枠であり、ガラスがはめ込まれているので、完全に安全ではないということで、右隣の人から金属製の扉にすべきだという提案が持ち出された。

日本人であるドゥニャンの感覚から言えば、今でも安全対策は充分すぎるほどのように思われる。それに何個も鍵をジャラジャラ言わせて持つのも面倒くさい。
これ以上の警戒は不必要だ。
これでいいじゃないのか・・・と、いう思いがツツーと頭を走った。

ドアを変えるという事はお金もかかる事である。
4軒が4軒ともそれに賛成するわけではあるまい。
増して、金属製のドアに変えると、まるで牢獄の中に入ったようで窒息してしまいそうになるだろう。
きっとこの話はお流れになるに違いないと、踏んでいた。

しかも、もし皆が賛成したとしても、ここロシアの事、そんなに早くことは進むわけがないとタカをくくっていた。ドゥニャンたちが住んでいる間は、変えられる事はないだろう。

この採光できるガラス製のドアが一番!!
無責任なようだが、このドアの交換の件は大家さんの仕事である。
ドゥニャンたちには関係ないわ!

なんて、人事のように思っていたら・・・。


2日前に一軒につき1040ルーブルを徴収に来た。(これは大家さんが払う。ドゥニャンたちは立て替えただけである。アミールに立て替えておけと言われて、そうしたのだ。)

あれれ〜〜〜と、思っているうちに、今日になった。
今朝、10時過ぎごろ、工事をする音がする。
なんと!!
なんと・・・。

木枠製のドゥニャンお気に入りのドアが引っぺがされて、ガンと重い金属製のドアがはめ込まれているではないか。鍵は2重。


なんでこんなに厳重に警戒態勢になるのか。
ドゥニャンとしてはとても不思議である。
玄関がなんだか重苦しい。そっちの方がよっぽどいやだ!!
しかし、ロシアでは確かにこの金属製の重い、2・3重に鍵のついたドアが流行っているようである。



それにしても、こんなに対応が早いなんて予想だにしていなかった。

次へ
モスクワ日記の表紙へ
ホームへ戻る