2000年3月16日(木)

実は、先々週の日曜日、寒いがとてもいい天気だった。
それで、道路を隔てた森にジョーチリンリンとびーびーを連れてお散歩に出かけた。
乾いた空気、冷たいが日の光は背中に当たると充分厚いコートの中まで伝わってくる。
春を探しに・・・というのもお散歩の名目だ。

木々の芽は、まだ芽吹くというのには早いが、固い固いつぼみを付けている。
枝には新しいまだ貧弱なほどの新しい手が伸びて来ている。

「ほら、ご覧よ。これが今年になって初めて出て来た新しい枝だよ。」
赤い衣をつけた枝えだが懸命に太陽の光をあびようとして、伸びている。
その先っぽには新芽が付いて・・。

森の中の氷はまだまだ固いが土の中ではもう新しい草花が今や遅しと出番を待ち構えていることだろう。



で、森の道を歩いていると・・・。

「びーびー、疲れたよう!」
「だって、お散歩はまだまだ続くよ。もうちょっと歩こうよ。気持ちがいいもの。」
「いやだ。ソリに乗る。」
「えー!引っ張るのやだなぁ。ねえ、ヘンヘン。」
「うん、自分で歩けば?」




「じゃあ、ジョーチに引っ張ってもらおう!!決ぃめた!」
と、びーびー。
「無理だよ。ジョーチリンリンが可哀相じゃない。」
「ううん、ちっとも可哀相じゃない・・・。やってみようかな?」
どうやってやるのかと見ていたら、そりのひもの先をジョーチリンリンの首輪にかけている。
「ジョーチリンリンが窒息するよ。止めてよ。」
「いいの!」
呆れ返って、さっさと先をヘンヘンと二人で歩くと・・・。娘は重いしジョーチは小さいので引っ張ることなんて無理だから、自分で歩いてくると思ってみていた。
すると、健気にもジョーチリンリンはびーびーを乗せた橇をハァハァ言いながら引っ張ってくる。
「わぁーい!!ジョーチ、出来るんだ!!もっと頑張って引っ張れぇ!!」
オイオイオイ。本当に9キロの体重の犬が、25キロの娘を乗せて身体を低くして動いてくるではないか。

「ジョーチってえらいねぇ。力持ちだねぇ。」
そりに乗っている娘は、ひたすら感心しているが、ジョーチはまだ1歳にならない小犬なんだよ。
「ガンバレ!ジョーチ。ほらほらほら!!」



「いい加減にしなさい!!」
「でもジョーチも楽しそうだよ。もうちょっともうちょっとだから。ネッ!」
とか何とか言いながら、けっこうジョーチリンリンはびーびーを乗せて橇を引っ張らされていた。
ドゥニャンやヘンヘンに追いつこうとした可哀相なジョーチリンリン。

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