2000年3月16日(木)

ある日本女性のコーディネートで、バレエ教室で岩田守弘さんとバレエ教室のバルーエフ先生の講演会と模範演技があった。
岩田さんは妻のオリガさんと一緒に来ていた。

講演会の後でバレエリーナでもあるオリガさんとの模範演技があったのだが、オリガさんは緊張して少し固くなっていたようだった。
そのオリガさんをうまくエスコートしながら、優しくそして軽やかに舞う岩田さんはとても素敵だった。
それにとっても気さくで明るく、優しい人だった。
自分で気が付いた点に関して、色々と教えてくれた。
それに気軽にドゥニャンが向けたカメラの方も向いて下さって、その上、HPに写真を載せることも快諾して下さった。
ありがとうございます。岩田さん。

ところでその時の話で、印象に残ったことというのは、ボリショイバレエ学校は原則的には10歳から1年生に入るということである。
10歳以下の子どもたちはバレエを習うほど心身が成長していないという判断から、ボリショイ学校は生徒を取らない。
日本では、バレエの早期教育も流行っているようだが、ここロシアではそれは避けている。もし、10歳より早めにバレエを習わせたいのなら、2年間の予備学校があるという。
しかし、そこでやる子どもも10歳から始めるこどもも同じように才能やガンバリによって成長していくという。

ボリショイバレエ学校の応募者は約2000人。その中から60人合格、6年のうちに12人なる。その中から卒業発表会でバレエ団の人からスカウトされて、それぞれの劇団にはいる。
ただしこの情報は、ソ連時代のものではあるが、 なんとも凄まじいほどの競争率ではないか。
その中でボリショイのソリストになるというと並大抵のことではない。
それだけではなく、キャラクター・ダンサーの人々そしてコールドの人々、それぞれ真剣で層が厚い。
それがボリショイ・バレエの特徴ではなかろうかと、岩田さんは言っていた。

ボリショイバレエ学校では、日本でのバレエ教室のようにクラシックばかりが専攻した形では教えられない。キャラクター・ダンスの方も重要視されている。色んな国のダンス。それは手の振りやステップがそれぞれ違って、その基本を覚え込まなければならないのだ。
その教育がとても良く行き届いていることが指摘された。

とに角、ドゥニャンたちはバレエを見に行くだけではなく、いろんなバレエ関係のビデオなども買い集めている。
それで感心するのは、例えば46年も前のウラーノヴァが今日のように「ジゼル」を踊っていることである。
この歴史の深さ。そしてその情報の収集量には驚かされる。

なんと言ってもチャイコフスキーを生んだ国である。
それで全てが言い尽くされてしまうのかもしれない。

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