1999年11月6日(土)
指揮:アレクサンドル・ソートニコフ
台本G.ルィフロフ
演出:ゲンリフ・マイオーロフ
作曲:カレン・ハチャトゥーリアン
原作:ロダリ
いつものように音楽が始まると共に幕があく。明るい背景に可愛らしい籠の中からやさいちゃんたちが踊って生活を楽しんでいる姿が見える。 さて、これからたのしみぃ!と、思っていたのだが、どうも舞台が散漫である。 ナシ教授になったカプラーロフが一人、踊りを乱しているような感じがするのだ。長身の彼の長い手足の動きはよく目立つ。踊りが固い。どうしてもそこに目がいってしまう。 音楽に乗り切れないで一人外れる彼が、ひきしまった筋肉に力をいれようとしてもコブが邪魔をすると言った風に、舞台をスポイルしてしまう。 それにルィシキナのコカブちゃんにも可愛らしい魅力を感じない。レモン王子もどう言うわけか、間抜けな面白さを感じさせてくれない。 どうしたんだろう。必死に踊っているのはわかるが、どうもリズムをそのバレエから感じられないのだ。 一人ヤーニンは健気にチッポリーノを、溌剌とした少年として演じていた。
1・2幕ともなんとなくこの乱れた散漫な感じが舞台を覆ってしまって、今日のチッポリーノは・・と、半ばあきらめていた3幕だった。 ピャートキナ演ずる木連ちゃんが出て来て、一遍に舞台がしまる。 牢屋の番人の3人。アリフーリン、プチコフ、イワタが出て来た時から、舞台は俄然面白くなって来た。3人の大中小の身長の対比と達者なバレエ技術から出てくる、捕まえていたチッポリーノに逃げられた後の慌てぶりが、面白、おかしく表現される。
とにかくピャートキナを抱くことで舞台に花が咲いたように明るくリズミカルになり、バレエを見ているという気になった。
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