電話 06(6447)6688 住所:大阪府大阪市西区江戸堀1-9-11 アイプラス江戸堀 1F
地下鉄四ツ橋線「肥後橋」駅下車。7番出口を右へ。郵便局の角を右へ。駅から徒歩3分。
昼:12:00〜15:30(L.O. 13:00)、夜:18:00〜23:30(L.O. 20:00)
定休日:月曜、火曜
2009年7月
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点数表記の個別評価は<9、4、4=17点>
米田シェフの手になる独創的な料理世界
食べたもの
アミューズ1◎シガレットと鴨、トマトとクルミを合わせたもの
アミューズ2◎卵黄と桃のコンフィのピュレ
前菜1◎ホタテとクスクス サフランの香り
前菜2◎"ミネラル" 66種類の野菜と共に
メイン1◎塩のみで調理したフォアグラ
メイン2◎仔羊 チャツネ ヨーグルトと茄子
デザート1◎オリーブの活用形
デザート2◎黒糖生地にしまった白桃
小菓子
昼夜ともに、メニューはお任せ一種類。昼が7875円、夜が15750円。これにサーヴィス料10%が加わる。
詳しくはお店のHPを参照のこと。但し、このHPは凝りすぎてとても読みにくい。それがこの店の唯一の欠点。
米田シェフは「洞爺のミシェル・ブラス・ジャポン出身の」とよくいわれるが、北海道時代は実際には短く、ロワール地方の店で長く学んだという。その経験が生かされていることは間違いないのだろうけれど、料理、店の雰囲気、サーヴィス共に、彼独自の創造的な世界。
「ヌーヴェルキュイジーヌ」以来、生クリームやバターでコテコテに味をつけた料理から、素材の味を生かしたシンプルな料理がもてはやされてきた。
ここの料理は一見すると、とてもシンプルな料理群。エスプーマ(泡)が使われているところはモダンスパニッシュ系。だけど、さらに先を行く。
シンプル(に見える)素材をシンプルなソースと合わせて味の変化を楽しむことを狙うという新しいコンセプト。
なかでも、ミネラルと題した野菜料理、フォアグラ、羊が圧巻。
野菜料理は66種類の食材がつかわれており、その数もさることながら、個々の野菜の味付け、調理法が異なり、その個性がはっきりわかりながら、同類の野菜群ごと、そして全体のハーモニーがとれていることが驚異的。ベルリンフィルやヴィーンフィルなど、一流のソリストを含むオーケストラみたい。後に残る"野菜のジュ"を味わうためのスプーンが欲しかった。
フォアグラ料理は低温で調理され、見かけや触感はフレッシュフォアグラ。それだけ食べてもおいしいが、ディル、ヴィネグレット、粒の大きさの違う胡椒、唐辛子と共に口に含むとまた別の味わいになる。
羊料理は、肉そのものは淡白。もっと味を強調してもよいかもしれない。だがこれもチャツネ、ヨーグルト、ナスと合わせることで3つも4つも異なった羊料理を味わえるようになっている。
客層は、ランチなのに「大阪のおばちゃん」は皆無なので静か。芦屋の店のように威圧的な雰囲気をもつ"セレブマダム"もいない。このお店のことを聞き興味をもったと思われる若い人たちが大部分。
絶対額としては極めて高いが、十分に納得。値段以上の価値があるし、これ以下の価格ではシェフの理想とする料理世界をつくれないであろう。