その他にはアメリカ公演関係の掲示が多かった。各公演の役の割リ振り表の他、バスの座席表や「飛行機で運べる荷物の重量は決まっているので、それを越えるものは自己負担となることを忘れずに」という事務的なものもあった。
その後、上から順に劇場探検をした。本館最上階のリハーサル劇場ではヤツェンコがストルチコーヴァからジゼルの個人レッスンをうけていた。
リハーサル劇場は大劇場の上にどっかりのっかっている形になるので、そこを出たところが外からみた正面中央上方、アポロン像の廊下となる。そこからの景色は去年と同じであるが、右手にあったソヴィエト時代の大きなホテル「モスクワ」が取り壊されて工事中となっていた。
今年「発見」したのが「シャンデリアの廊下」への扉。鍵がかかっていたので中には入れなかったが、天井からぶらさがっている大シャンデリアの電球の交換は、ゆっくり2時間かけて下へ降ろしておこなうが、そのための滑車でもあるのだろう。
それから緑の建物を通り、新館へ向かった。緑の建物は内部を改装してあり、浄水器のついた水のみ場(カップも用意してある)やコイン式のコーヒー自動販売機があり、一昔前のロシアを思うと隔世の感がある。またなぜかこの廊下に新作「真夏の夜の夢」のキャスト表があった。1軍から4軍まですべての配役がきまっていた。
ついでにいうと、緑色の建物の入口No.3をはいると奥は吹き抜けになっており、その奥の建物が関係者用のカフェ(1階)と食堂(2階
)になっている。ロシアではボリショイに限らず、ある機関(会社とか大学とか文書館とか)の食堂はとても充実しており、日本とは逆にこういうところで外食した方が家で料理するより安くつく。
話は飛ぶがソ連時代には公共の有名レストランでも中に入りさえすればとても安く食べられた。1991年正月にモスクワでも有数のレストラン「プラーガ」でフルコースを食べたところ200円で済んだのを思い出す。
さすがに現在では高くなっているがボリショイの食堂では400円-600円でフルコースをお腹いっぱい食べられる。
新館ではまず舞台とオーケストラボックスで遊んだ。舞台の大きさは本館とさほどかわらないといえばいえるけど、左右奥行きとも2−3メートルの違い。
オケボックスは気のせいか本館よりゆったりとしている。特徴は指揮台が異様に高いこと。ここは客席とオケボックスを隔てる壁が本番間近になると下へ下がるのであるが、指揮台ももしかしたら本番中は下降するのだろうか。それほど高かった。
本館と同じく新館にもリハーサル用のステージが3階にある。ボリシャヤ・ドミトロフカ通りに面していて窓の外からはレーニンなどの葬儀がおこなわれた「円柱の間」がみえる。
そして2階は本番用の楽屋がならんでいる。各部屋に表札があるけれど、オペラとバレエの兼用で一部屋あたり10人くらいの名前が書いてあった。ソリストの部屋は1階とのことである。
その後もういちど本館に渡り舞台をみたあと、階段をおりてすぐの第一番入口(楽屋口)から外へ出た。
(2004年10月19日)
時間割表 | ||
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ボリショイ劇場の外観 | ||
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緑の建物から外をみる | ||
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新館の「舞台裏」 | ||
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新館の「舞台裏」その2 | ||
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昼間の「舞台上」 | ||
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