電話06-6941-2483
住所:大阪市中央区鎗屋町2-4-14
ランチ11:30〜13:00 (L.O.)、ディナー18:00〜21:00 (L.O.) 日曜・第一月曜
地下鉄堺筋本町下車、松屋町筋へ。農人橋歩道橋を渡り100メートル歩いた右手。駅から7分。
2011年12月
点数による評価は<9、3.5、4.5=17点>
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予約はOpen Tableからできる。
祝 三つ星獲得
食べたもの
◎栗のスナック
◎キノコのスナック
◎一口サイズのトリュフ
◎黄色い紙
◎掘りたての田ゼリ
◎気泡をたくさん含ませたトリュフのパン
◎燻製にしたフォアグラ ショウガ さつま芋
◎カブラ クルミ マジョラム
◎和歌山産 赤ムツ シュクリーヌ
◎小さなジャガイモ
◎マシュルームのスパゲッティーニ
◎蝦夷の仔鹿 赤いソース
◎あんぽ柿のペクチン プラリネのジェラート
◎温かいリンゴ シナモンとバニラのソース
◎出来たての生チョコレート
三つ星を獲得してからはじめての訪問。今回は晩秋の料理群。
いわゆる「少量多皿」のコース構成。小さくても様々なしかけにびっくり、その上おいしい料理には、古今東西の料理技法がフル回転で用いられている。
料理のオリジナリティーでは、日本はもとより世界有数だと思っていたが、品数が多いからか、ぶっとびを狙いすぎたか、以前には焦点のボケた料理も散見し、コース全体のまとまりが悪い場合もあった。でもここ1年はコースを通して安定し、さらに爆発的な創造性はそのままという驚異のレストランになっていた。今回ようやくミシュランで三つ星を獲得したことには深く納得。
ポーションが小さいことで印象が残らないという意見もあったからか、今回は以前よりメリハリをはっきりとさせ、皿数を少し絞り、メインに進むにしたがい量的にもしっかりしたコース構成。
晩秋をテーマにしてシェフが選んだ食材は、野草、さつま芋、かぶ、トリュフと続く畑のフルコースとでもいうべきもの。以前にもまして、味のヴァラエティーはもちろんのこと、触感や香りの微妙な違いをじっくり味わうよう作られていた。
特に印象に残ったのは、スナックとして出されたトリュフと前菜のかぶら。前者は藤原シェフが好んで使う、口に含むと表面は蕩け、中がサクサク、そして滑らかに全体が融合して口に溶けていく技法の応用で、身体の廻りがトリュフ色に広がっていった。
かぶらは薄切りを焼いたものと、低気圧調理したものを合わせていた。後者が抜群の作品で、表現は悪いけれど中性子爆弾を使ったかのように見かけは普通のかぶらなのに、中の繊維が一度完全に組み替えられ、知らないうちにまた元通りに戻され、全く新しい野菜にしてしまったかの変化を楽しめた。
その他、メインを含め、王道の落ち着いた料理が増え、Fujiyaの新しい方向性を感じられるコース構成であった。
「わざわざ旅行するに値する料理」という基準を、現在十分に満たしていることは言うまでもないが、これからさらなる飛躍を予感させるレストラン。