電話:01-53-05-10-01 住所:Carre Champs-Elysees 1, 75008, Paris, France パリ第8区
ファックス:01-47-42-55-01 E-mail: ledoyen@ledoyen.com
営業時間:12:30〜13:45 20:00〜21:45
定休日:8月と土日祝日。月曜はランチのみ休み
地下鉄シャンゼリゼ・クレマンソー駅下車。コンコルド広場の方向へ。プティ・パレの横。
2005年10月5日
ロペス・ピエールやダントン、マラといったフランス革命の立て役者たちが訪れたという歴史ある店。パリのまん中にある一軒家レストラン。
食べたもの(一人分!)
アミューズ◎魚介系の泡料理、春巻きっぽいおつまみなど
La mise en bouche
前菜1◎ブルターニュ産大手長海老のクルスティヤン
Grosses langoustines Bretonnes croustillantes
前菜2◎柑橘類のエミュルション、オリーヴオイル添え
Emulsion d'agrumes a l'huile d'olive
魚料理◎ほどよくブレゼした平目の白味 トリュフバターの香りをつけたフォークでつぶしたラットポテト
Blanc de turbot de ligne juste braise, pommes rattes ecrasees a la fourchette et montees au beurre de truffe
肉料理◎レモングラスの香りづけをしたリドヴォーの串焼き、ハーブのジュ
Noix de ris de veau en brochettes de bois de citronnelle, jus h'herbes
チーズ◎フレッシュおよび熟成チーズ
Fromages frais et affines par notre Maitre fromager
アヴァン・デセール◎マシュマロ、カヌレなどおつまみ
デザート1◎焼きグレープフルーツと生グレープフルーツのクッキー ライムの香りづけ
Croquant de pamplemousse cuit et cru au citron vert
デザート2◎バニュルスのカラメルを添えた黒いちじく
Figues noires cuisinees au caramel de Banyuls
デザート3◎ブラックチョコレ−トのブランデークルスティヤン添え ピスタチオのアイス
Chocolat noir en fines feuilles croustillantes au lait de pistache glace
ミニャルディーズ◎小菓子とショコラ
Mignardises et Chocolat
飲んだもの
こちら
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ナポレオン三世時代風の内装をもち、今回廻ったレストランのなかではもっとも贅沢な造りのレストラン。1848年建造の現在の建物になったのは1909年。戦争中はパリ市に移管され、1962年、ラセールのメートルドテルであったジルベール・ルジュンヌが店をまかされるようになり再興。1965年にミシュラン二つ星をとる(それは1933年以来のこと)。
照明を落とした二階のメインダイニングは幅がやや狭い長方形。といってもキャパ(50席くらいか?)の割に面積は十分に広い。内装はルーヴルにあるナポレオン三世の居室やカルナヴァレ博物館の貴族の邸宅を思わせる贅沢てゆったりした造り。大きくとってある窓の外にはレストランの廻りにある木々と、遠くにシャンゼリゼの明かりがみえる。場所としての演出条件は十分。
テーブルには常時三人くらいのサーヴィス陣がついてくれる。料理を出す時には三人同時にという配慮。ソムリエは腰が低くとてもわかりやすい説明をしてくれ、コースで頼んだワインがきれそうになるとすぐにお代りをついでくれる。ミネラルウォーターが途中でなくなりそうになると勝手に新しい瓶を開けたりせずちゃんと尋ねてくれる。その他メートル・ドテルと思われる方もしばしば御機嫌伺い(?)にやってきた。サーヴィスの基本はフォーマルだが、型を崩さない範囲で寛げるようにというカジュアルさを兼ね備えている。
ひとつ問題だと思ったのは日本人ソムリエールのKさん。固い表情なのではじめは緊張してるのかなと思ったらすでに1年半働いているという。型を崩してはいけないと思っているのかそういう性格なのか笑顔が全くなく、こちらから話を振っても仏頂面。それでいてスタッフの輪に戻ると談笑している。わたしたちとは喋りたくないのかなぁと、とても気をつかった。三ツ星レストランのサーヴィス陣としては最もふさわしくない態度であった。お代りを二度つぎにきてくれただけでよかった。
料理は文句なし。前菜・メイン・デザートという主旋律は王道をいく横綱相撲の料理を出し、アミューズやアヴァンデセールでは意表をつく最新の、それでいて細心の注意を払ったスナックの数々。びっくりしすぎて何を食べたのか今だにわからない。
「わからない料理」の筆頭は一番始めに食べたこれ。泡の触感のなかから海の香りがわき上がってきた。
「わかる料理」であるはずの魚料理でも平目の大きさ、色、厚さにもかかわらずの焼き具合などの手の加え方、ソース、すべての面でびっくり。
リドヴォーもさすがの一言。素材の淡白さはそのままに、臭覚が楽しめる逸品。
コースとして伝統と流行の両方の料理を揃え、しかも高いレヴェルを保ちながらアクセントをつけ腕前にはただただ脱帽。肉料理が終わった時にはもっと食べたいという思いから量的にもの足りなかったが、そこはフランス料理。チーズとデザートの後半戦をこなすと苦しくならないくらいにちょうどいい量になっている。
メインが終わる頃にはシェフが各テーブルを廻っていたが、シェフの気さくでありながら真面目な性格からか、どの卓でも長話になるようであった。