購入顛末回想2001
2001年10月 悩み多き秋の夜長
例の事故の件も片付き、平和な日常が戻りつつあったある日曜日、いつものスバルの販売店に出かけた。
担当の営業氏と話しているうちに、自然と車検か買い換えかの話に移行。この時点では、まだどちらとも決めかねていたが、とりあえず買い換えの場合の見積を取ってみた。車種はもちろん(?)スポーツワゴンI’sスポルト2WDの5MT。価格面で行けばノーマルのI’sなのだろうが、STiっぽいフロントバンパーに惹かれてしまったのだ。
最初の見積書をもらって、とりあえずこの日はここまで。じっくり検討して、また後日話し合うことにする。
自宅に戻って、もらってきたインプレッサのカタログを眺める。インプレッサは9月にマイナーチェンジを受けたが、妙に充実度が高いのが、見積ってもらったスポーツワゴンI’sスポルトなのである。
フルチェンジした昨年(2000年)は、ノーマルのI’sに装備追加しましたよってなカンジで、アルミホイールも14インチのままだったりしたのだが、今回のI’sスポルトは、アルミが15インチになっているだけでなく、ラジオアンテナがガラスアンテナになっていたり、ボンネットがアルミ製だったりと、ノーマルI’sとはベースの部分で微妙に違っていたりするのだ。それは、I’sのグレードアップ版というよりは、2リッターNAモデルの20Nのグレードダウン版といってもよいくらいの装備の充実度なのである。
これはハッキリ言ってココロが揺らぐ。今のクルマも捨てがたいし、買い換えよりは車検を通す方が、出費は少なくて済みそうだけど、なんのかんの言って3年で8万数千キロ走っちゃったし。丸目カッコいいし(反論不可)。なんつっても、STiっぽいバンパーと六連星オーナメントがデフォルトってのがいいよね。うん。
悩み大木ビビる・・・・もとい、悩み多き秋の夜長である。

2001年10月 浮気心
一週間が巡るのは早いもので、次の日曜日。スバルの販売店・・・・ではなく、以前ミラからムーヴとお世話になったダイハツの販売店に出かけた。その目的は、あるクルマをチェックしておきたかったから。そのクルマとは、YRVである。
実はこのクルマ、発売されるのがあと1年早かったら乗っていたかもしれないクルマだったのだ。YRVが出てきたのが1999年だったと記憶しているので、インプレッサに乗り換えたあと。あぁ惜しかったなぁダイハツ、と思ったものだ。
この日試乗したのは、1.3リッターのターボモデル。スバルでいうところのスポーツシフトが付いているクルマである。
いつもの山道を走ってみる。おぉ、ターボなだけあって加速もATにしては悪くない。コーナリングの感触もいい感じでないの。ダイハツの小型車のイメージが変わっちゃうよ。と、走りに関してはそこそこ満足したところで、販売店に引き返す途中、あることに気が付いた。
車線変更しようと右後ろを振り返ったところ、太い柱が視界に入ってきてギョッとする。フロントの左右の柱も妙に太くて、左右確認もしづらい。そして、バックで駐車場に入れるときも、後ろが見えにくいので何度もやり直してしまった。クルマに対する慣れ、不慣れもあるのだろうが、この時点でこのクルマに関しては冷めてしまった。
1.3リッターNA 2WDの5MTモデルで(ターボモデルにはMTがないのだ)、一応見積も取ってみた。確かにインプレッサよりは安かったし、営業氏の「下取りもありますし、まだ安くできますよ〜」との話もあったが、検討します、と話を切り上げて販売店を後にした。
改めて、インプレッサの視界の良さ、取り回しの良さを実感した一日だった。結局この週も車検か買い換えかについての結論は出なかった。

2001年10月 交渉する
10月も押し迫った日曜日。スバルの販売店に営業氏を訪ねる。
今回は今のクルマを下取りに出した場合の金額を出してもらうことにした。実はこの時点で、月々の支払い金額が現在の金額と同じくらいか、若干のアップで収まるなら買い替えでいこう、と考えていたのだ。
結果は・・・・1万5千円ほどのアップ。まぁ仕方ないか。標準価格で今のクルマより20万円高いんだもんなぁ。しかし!今1万5千円あったら何でもできるぞ(地域・個人差あり)。メモリやハードディスクも増設できるし、HGエルガイム10個買えるし(税別)、行こうと思えば温泉湯けむり旅情カニ食べ放題ツアーにも行ける。そんなわけで、値引き交渉へ移行。
交渉中、営業氏から「フォグランプ付けますからこの辺で・・・・」という提案が。一瞬魅力的な提案に思われたが、ランプカバーが付いてたほうが(つまりI’sスポルトのデフォルト)、やっぱりSTiっぽくていいなぁと思い直し、この提案はボツに。その後もあーだこーだと交渉は続いたが、ここまできて、まだ一度も新型に試乗していなかったことに気づき、試乗させてもらうことにする。
試乗車はI’s 2WDのAT車。いつもの山道を走らせてもらう(山道好きねぇ)。今乗ってるクルマとあんまり変わらないかなぁとタカをくくっていたのだが、さすがにフルチェンジしているだけあって、あらゆるところで良くなっていることを感じた。このあたりの話は後日更新予定の『オレ「の」インプレッサ2002』(仮)に譲るとして、この時点で新型を思いっきり気に入ってしまった。もうアナタしか見えない。キミの丸目に恋してるってカンジ。
この時点で決めてしまってもよかったが、もう一回検討し、営業氏に連絡することにして、販売店を後にする。

2001年11月 決断
家族に、今度のクルマの件を話す。車検を通すか買い換えか考えているが、できれば買い替えで行きたいということを話してみる。「軽自動車にすれば楽でいいだろう。場所も取らないし」という話も出たが、結局は自分の決断次第、ということになる。というわけで、真剣に考えてみる。
今のクルマにもとても愛着があって、いつまでも乗っていたいのだけど、新型に試乗してしまった後では物足りなく感じるところもちょっとある。今回車検を通しても、次の車検までに重大なトラブルが出ないと言う保証はないし・・・・。
いやまて、そんな日本車がヤワなわけないじゃん。トラブルが起きてもなんとか乗り切りゃいいし。だいたい今の支払金額より高くなんだぞ。やっていけんのかよ・・・・・と、2,3日こんなカンジで悩み続けた。
結局、当時他にもいろいろ悩んでいたこともあり、何でもいいから環境を変えよう、と思ったのと、ココロをニュートラルにする場としてのクルマには、できる範囲でぜいたくしよう、ということで、新型購入を決める。
巡りめぐって次の週末。スバルの販売店へ出かけて、営業氏に購入を申し込む。注文書やクレジット申込書などの書類を書きまくる。「ボディカラーはどうします?」と営業氏に聞かれたのだが、実は、まだボディカラーは決めてなかったのだ。
昨年(2000年)、インプレッサがフルチェンジしたときには「今度買うならWRブルーマイカだよな」と、密かに思っていたのだが、最近WRブルーのインプレッサを多く見かけるようになって「どうせなら人とは違う色でキメたいよな」と思うようになった。そして今回も、当然白やシルバーといった色は眼中になく、残ったのはシャイニーレッドマイカと、マイチェン後の新色、アストラルイエローの2色である。この2つで迷ったが、天神様の言うとおりアストラルイエローに大決定。「まだウチからはこの色出てませんよ。楽しみですねぇ。」という営業氏の言葉に、優越感とやってしもたぁーという気持ちが交錯した。
ウキウキしながら販売店を出て、赤いインプレッサの運転席に座ると、あぁそうかコイツともあとひと月でお別れなのか、と今さらのように気づき、少し胸が痛んだ。とりあえずは、これ以上キズを増やさないように、無事に走り終えられるように、思い出をひとつでも多く作れるように、コイツとつきあっていこう。そう心に決めて、エンジンキーを廻した。

2001年11月 別離と出会い
しばらく経って11月も終わりごろ、スバルの営業氏から電話。納車の準備ができたとのこと。前回は自宅まで持ってきてもらったが、今回はこちらから取りに行くことにして日程を決める。
納車日は土曜日。別に用事もあったので、午前中で早退し、いつもの帰り道を走る。今日このクルマを降りたらコイツとはお別れなんだなぁと思うと、ちょっと鼻の奥がジンとした。いつもより、ステアやシフトの操作が丁寧になっていた、ような気がする。
スバルの販売店へ到着。駐車場へクルマを入れ、エンジンを切る。いつもは抜き取るキーも、そのままにしてシートから立ち上がる。ホントにこれでお別れである。最後にボンネットに軽く手をついて「ありがとな、元気でな」とつぶやいた。そのとき後ろから「やぁ、こんにちは」と営業氏の声が。さっきの「儀式」を見られていたかも、と思うとちょっと恥ずかしくなる。
「じゃあ、クルマ出してきますね」と営業氏は販売店の裏へ。その日は「スバルお客様感謝デー」(だったかな?)が開催中で、大勢のお客さんで賑わっていた。普段見られない展示車なんかを眺めながら待つことしばし。


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そいつはゆっくりと奥から現れてきた。鮮やかなイエローが初冬の陽光を浴びて、いっそう輝きを増す。おぉ、なんかメーカーのデモカーみてぇ。他のお客さんの視線もくぎ付け。これがオレの新しい相棒なのかぁ。タメイキが出そう。
クルマが止まり、営業氏が降りてくる。いろいろと装備の説明を受けて、受領のサインをして引き渡し完了。販売店を後にして、練習がてら市内をぐるぐるドライブする。ん〜。新しいクルマの匂いってのはなんともいえないねぇ、と悦に入っていた赤信号の交差点で、重大なミスに気づく。

前のクルマのキーに自宅のカギがつけっぱなしじゃん!

・・・・はてさて、これからどうなることやら。