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宝塚大劇場月組公演 
『グランド・ベル・フォリー』
特別出演
1996/12/24〜12/28


 この作品は、当時の月組トップスター ノンちゃん(久世星佳さん)のサヨナラ公演であり、お正月公演であり、それだけでのなかなか話題性のある作品だったのですが、更に各組トップスターがショーに特別出演するという豪華な顔合わせもあり、私たち麻路ファンもマリコさんご出演日には大劇場まで馳せ参じた思い出の公演です。

 私は、マリコさんご出演日の初日(12月24日 13:00)と楽日(12月28日 11:00・15:00)を押さえて観劇しました。
 ちなみにこの公演、他にもミキさんの特別出演日・ゆきちゃんの特別出演日・月組さんだけの公演日も観劇しましたので合わせて6回観劇し、ノンちゃんとはしっかりお別れさせていただいたという覚えがあります。

 もちろんマリコさん特出場面を中心にした感想です。

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第一・二場 プロローグA・B
 ブランコが登場。一瞬、「虹ナタ(虹のナターシャ)のブランコを借りてきたのでは?」と思ったのですが、当時は東宝で雪組さんが公演中ですからそんなことがある訳はなかったです。 ノンちゃんが銀橋から登場!というのもやはりどこかで見たような・・・。
 舞台奥に斜めに階段が横切り、スターさんが順番に降りてきます。
 マミちゃん(真琴)・ずんこちゃん(姿月)・若手・・・と続いて再度ノンちゃん(久世)ユウコちゃん(風花)が階段中央でポーズを取ると、その階段の後ろから突如マリコさんが登場します。(実際には階段の後ろ側を上手から歩いてきているようでした。)

第三場 プロローグC
 先ほどまでの明るい雰囲気が一変して妖しい曲調に替わります。
 マリコさんは黒い燕尾服で胸元が黒い薔薇。その名も黒薔薇の紳士Sです。
 初日は平日でマリコさんの会がそんなにいなかったのですが、マリコさんが登場した途端、拍手がどーーっと起こり「マリコさんだぁぁぁ。」みたいな雰囲気になりました。トップスターの登場で空気が動いたとでもいいましょうか・・・。
 階段上でポーズをとり、降りてくるとまずは月組の女役さんと一緒に踊り、その後はマミちゃんとずんこちゃんを従えて踊ります。
 ここの振り付けが一番マリコさんにはまっていたと思います。妖しい視線光線、神経のゆきとどいた指先、シャープなダンスとマリコさんの持ち味が発揮されます。
 マリコさんは初日から去り際に客席に投げキッスをしてくれていました。
 一応唄もありますが歌詞が「アムール・モナムール ダダダダダ〜」という意味不明?なものなので、唄とまではいかないかも。
 マリコさんの出演シーンではここが一番私は気に入りました。

第四場 プロローグD
 曲調が戻ってきてプロローグの締めくくりといった雰囲気でまた月組スターさんが登場するのですが、先ほどの衣装にピンクの透ける素材のブラウスみたいのをはおっているような衣装なんですが、これがとっても変。このピンクのやつなしで十分いけると思うんですが、、、。着せたかったのねぇ〜>酒井先生

第五場 サ・セ・ラムール
 カーテンが開くとまずはノンちゃんが白地に黒い斑点模様の上着に黒いシャツ・黒いパンツで登場。
 すぐにマリコさんがお揃いの衣装で登場します。
 マリコさんの千秋楽28日15:00公演にはノンちゃんに右肩とマリコさんの左肩にお揃いの牛さんの小さいぬいぐるみがバッチのようにつけられていてお茶目でした。
 二人で女の子を誘いたいけどあの子はまだ誘えない・・・というような明るい唄を歌いながら銀橋を渡ります。肩をくんだり、顔を見合わせたりというようなところはさすがに息があっていて二人ともとっても楽しそう。
 銀橋を渡りきったところで二人が思い思いのポーズをとりあって楽しいんですが、千秋楽ではマリコさんは客席に投げキッスをしたあとノンちゃんに抱きつきまして、ノンちゃんはもうびっくりしてました。マリコさんは抱きついたあと得意げに客席に手を振り、その後ノンちゃんの顔をのぞきこんだりして超かわいかったです。ノンちゃんはというと抱きつかれて驚いた後、大笑いしてそのまま袖に二人で手をつないではけていきました。

第六・七場 ピアノA・B 
 最初ずんこちゃんの場面だと思ったんです。でもその後でてきたユウコちゃんに場をさらわれてしまった感があります。とにかくユウコちゃんがすごい。スパスパと気分がいいくらい細かいステップが決まっていきます。28日にみたときにはひざにサポーターがまかれていて痛々しかったです。早く治って欲しいですね。

第八場 ピアノC ショパン幻影
 録音のピアノが羽田氏ということでこれも話題の一つの場面かなぁ〜と。
 ノンちゃんとマミちゃんがなになに?恋人?ということで妖しさを期待しいたんですが、どちらかといえば綺麗なプラトニックな雰囲気だったと思います。マミちゃんの腰がほっそ〜い。綺麗な場面でした。

第九場ビバ・メデテラネ!A スペインの花
 ずんこちゃんが銀色のスパニッシュの衣装で登場。娘役をたくさん従えて踊る?と思いきや、もう、歌う歌う。声量がすごいですよねぇ。ずんちゃんが歌えることはよく分かったので、今度はダンスを見せて欲しいなぁ〜と思いました。あんなに綺麗でカッコいいスタイルの持ち主なんだもん。

第十場 ビバ・メデテラネ!B 夜のタブラオ
 私はこの場面を見るとなぜか「漁夫の利」という言葉が頭に浮かびます。マミちゃんのそばにはべる女=ユウコちゃんとあっちゃん(千紘れいか)がものすごく裾の長いドレスを着ていてその裾を高くかかげると「大輪の花」になるんですけど、その裾をかかげるまでがもう大変。とにかく尋常じゃない長さなんで、まるで網をひくかのごとく裾をひくんです。真ん中でマミちゃんが歌っているというのに、私は裾をたくしあげまくる二人がおもしろくて二人に釘付けになってしまいました。

第十一場 ビバ・メデテラネ!C 赤いショールの月
 ノンちゃんがスポットライトに浮かび上がります。周りのスパニッシュの女達が少しずつノンちゃんに絡んで、どんどん減っていって最後に残ったのはユウコちゃん・・・という構成は好きです。最後に二人でポーズを決めた時の、二人の表情がすっごく格好ヨイです。

第十二場 ビバ・メデテラネ!D 花と太陽
 急にあたりが明るくなりまして、カーニバルとなります。
 最初に壇上をのぼって降りてきたのはマリコさん。茶系のオレンジといった色目のカーニバルらしいお衣装に頭を金色の布で巻いた上から黒い帽子を斜めにかぶっています。多分後から出てきたノンちゃんと色違いのお衣装だと思います。
(この布で巻いた上に帽子・・・・というパターンは私は苦手。)
 明るく階段を歌いながら降りてきてあっと言う間に上手袖にはけていきます。「え?それだけ?」目が点になり、「トップをわざわざ呼んできてこんな風に使わないで〜〜!!!!」というのが正直な感想でした。

 その後は月組スターさんたちが次々に出てきて踊り、ノンちゃんが出てきた後で再度マリコさんとユウコちゃんが壇上に登場。少し絡んで踊った後、本舞台中央に出てきて一振り入ると上手をノンちゃん、下手をマリコさんが率いて銀橋にでてきます。前にでてくるときに、マリコさんは後からついてくるユウコちゃんの方をチラッとみて、二人で前に出てくる風に見せてくれるのがサスガ。
 銀橋上でラインナップして踊り最後にノンちゃんとマリコさんが顔を見合わせてポーズして暗転。マリコさんはそのまま下手袖にはけていきました。

第十四・十五場 思い出の蒼い薔薇
 ロングコートを着た男が銀橋を歌いながら渡る。渡りきるとカーテンが開いてそこは酒場。女と絡んで最後は一人で去っていく。・・・・・どこかで見たような・・・・。
 ギャビー(風花)が「あんたが結婚するなというならしない。」とピエール(久世)にいうんですが、ピエールに「早くいけよ。」とかなんとか言われるとさっさと去っていく。またこのときすんごく嬉しそう。???なんか納得いきません。ちょっとありがちな中途半端な芝居シーンだと思いました。

第十七場 フィナーレA ディスコ・モン・パリ
 後ろで話題?の白タイツのお姉さんたちが踊る中、下手花道からマリコさんが登場します。衣装はどうもグランド・ベル・フォリーのポスターでノン・マミ・ずんこが着ているのと色違いの紫色のスパンの替わり燕尾のようです。ま、そつなくかわいく歌いながら銀橋を渡ったといった感じでしょうか。後ろを向くときなど周り中の白タイツのお姉さんたちに目線を配りまくるマリコさんがかわいかった。

第一八場 フィナーレB パリ・ド・ヌイ
 大階段の中心にノンちゃんが立ち、周りを男役が囲みます。男役の数がちょっと少な目。もっと大人数でやってもいい場面だと思いました。

第一九場 フィナーレC アムール・ド・パリ
 ノンちゃんは残っていて大階段を登っていきます。で、さっきまで本舞台にいたマミちゃんが改めて大階段上から降りてきてノンちゃんと絡みます。そして下手からユウコちゃんが・・・・。ノンちゃんとユウコちゃんが踊り、その脇でマミちゃんが歌う。
歌うだけでなく、3人で並ぶ振りがあったりして、最後はマミちゃんとユウコちゃんに送られてノンちゃんが銀橋に出てきて歌い上げます。さよならであることを意識させてくれる場面です。

第二十場 フィナーレD グラン・エスカリエ
 マリコさんはユウコちゃんの後から階段を降りてきます、唄はなくするすると前に来ると一礼して、下手側のかなり前に立ち、ノンちゃんを迎えます。
 お衣装は一見周りの月組生と似ている白に金色の縫い取りなんですが、縫い取りが細かくて量が多くて、更に羽根が大きく、更に更に羽根の飾りが豪華になっていました。マリコさんの羽根にはやたらと星の飾りがついていたんですが、(星の飾りの数がノンちゃんよりも多いらしいです。)これは他の特出トップさんのときもそのままなのかなぁ?と思いました。
 ノンちゃんが大階段上で歌い降りてくるとノンちゃんが上手をマリコさんが下手を率いて銀橋に出てきます。銀橋上でノンちゃんとマリコさんがご挨拶するとマリコさんはそのまま下手へ帰っていきます。そりゃ羽根が大きいのは分かるんだけど、パルファムの時は銀橋上でトップさんが交差したんじゃなかったかなぁ〜?とちょっと不満。
 本舞台に戻ると普通にノンちゃんがご挨拶した後、毎回マリコさんに「マリコも挨拶しなよ。」とでもいうように促すのでそしたらマリコさんも一歩前にでてご挨拶してそのまま幕がおります。

 全体的な感想としてはちょっと衣装が私とは趣味が合わないのが大きくてそれだけでひくものがありました。
 衣装だけじゃなくて音楽も装置も振り付けも全体がセンスが古い気がします。
 そういうショーを作った酒井先生がプログラムの作者言で「宝塚のショーもそろそろ変わらないと」とおっしゃっているのには苦笑。
 作者言に書かれていることが本当ならば、先生の中の止まった時計を動かして現代に歩み寄って欲しいものです。

 トップの特出ももったいなかった。プロローグと第三場はよかったけれども、その後の使い方はすごくぞんざい。特出なんてこんなもんだとは思いつつもあまりにもの出番の短さにトップのファンはがっかりだし、そのために出番を削られた月組スターさんのファンもがっかりなんじゃないでしょうか?
 特出したマリコさんは十分堪能させてもらいましたけど。。。複雑な心境でした。

 とはいいつつも、マリコさんの千秋楽では舞台上でも、最後のご挨拶でもノンちゃんとの仲の良さがほほえましくてそれを見れたのはとても嬉しいことでした。

   
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