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日本青年館星組公演 
『武蔵野の露と消ゆとも』
千秋楽


 1月から2月にかけて、私を雅な世界にいざなってくれた星組特別公演『武蔵野の露と消ゆとも』が、2月10日、無事千秋楽を迎えました。
 千秋楽のご挨拶をご報告したいと思います。内容は、生徒さんの言葉そのままではありませんし、間違いがあるかもしれません、その点お許し下さい。


 アンコールで幕があがると、出演者が一列に並んでいました。

 星組組長 夏美よう
「本日は星組特別公演 武蔵野の露と消ゆとも 千秋楽にお越し下さいまして、ありがとうございました。連日たくさんのみなさまにおいでいただき、私たちも誰一人風邪をひくこともなく、舞台を勤め上げることができました。
 歌も踊りもないストレートプレイで私たちは改めて芝居の難しさ、おもしろさ、言葉を伝える事の大切さを知りました。これを糧にまた舞台に励んで参ります。
 麻路さき・白城あやかを中心に私たちの尊敬する専科の城比呂江さん・立ともみさんにお助けいただきました。(会場と組子から大拍手。マリコさん(麻路)やあやちゃん(白城)は両側に顔を向けてご挨拶)みんなで大切に築き上げました、幕末絵巻物、いかがでしたでしょうか?(大拍手)
 この場をお借りして、3月東宝公演「エリザベート」にて退団する仲間達を紹介したいと思います。
 万波紫帆。マンちゃんどこ?(とさがす。彩輝直から花束)
 怪しい奥医師・多紀安常、熱き長州藩士・周布政之介など、たくさんの役を演じ分けました。 
 雅景。としちゃん。(にしき愛から花束)
 橋本実梁と共に幕末の動乱期をかけぬけた公家、三条実美を演じました。
 しっとりとした和宮を演じた白城あやか。
 (マリコさんから花束=白百合のとっても大きな花束でした。バウと同様に、すぐ隣のマリコさんが花束を持っていたことに驚いてみせるあやちゃん。ハッチさん(夏美)が扇を持ってくれました。あやちゃんが照れてすぐに下がろうとするのをマリコさんが「前に行かなきゃ。」とすすめてわやわやしていたところに ) 
 星組の誇るトップ娘役です。(なんだかほほえましい笑いが・・・。)
 星組全員がみなさまにお目にかかるのは3月4日初日の「エリザベート」ということになります。お待ち申し上げておりますので、どうぞご覧ください。
 お待たせいたしました。我らが実梁はんが、言葉にも、姿にも、瞳の色にさえ もみなさまへの感謝の気持ちを込めてご挨拶させていただきます。」

 麻路さき(橋本実梁役)
「本日はご観劇ありがとうございました。作品が終わるということは毎回寂しいもので、特にこの作品はセリフが難しく、最初はどうなることかと思いましたけれども、みんなで作り上げて参りました。明日から標準語に戻らねばならないかと思うとすごくつらいです。3人の退団者がおりますが、今回のセリフの中に「まだまだ耐えねばなりません。」というものがあり、いつも言いながら自分にも言い聞かせてきました。まだ3月「エリザベート」があります。3月にはこのメンバーと、今はお休みしているメンバーも一緒に星組全員で参ります。3月「エリザベート」も、みなさまどうかよろしくお願いします。みなさま、本当にありがとうございました。」

 万雷の拍手の中〜幕〜。 

 アンコールがかかると、再度フィナーレが再現され、スポットライトが当たる一組・一組に暖かい拍手が贈られます。最後に下手花道から和宮のあやちゃんと上手花道から実梁のマリコさんが登場するとひときわ大きな拍手が〜。二人が奥から揃って歩いてくる姿は、とても美しく、これでお雛様も見納めなのかととても寂しくなりました。


 青年館で見た「武蔵野〜」は、バウよりも広い空間にうまくのせていて優雅な世界に磨きがかかっていたように思います。
 評判の「扇の取り替え」の演出変更も、とても素敵でした。これがあるから、1幕ラストに実梁の一人舞のせつなさが倍増し、2幕の連れ舞のしっとりとした風情に効果が出ていました。(ちなみにマリコさんのお茶会でのお話では、演出変更というよりは踊りの振り付け変更のようです。)
 1幕ラスト、雪が降りしきる中で、呆然と立ちつくし一人和宮の扇を見つめる実梁。幕が降りる直前にあげた顔のせつなさに涙・涙・・・・。

 主演のマリコさん・あやちゃんの演技に深みが出ていて、見応えが増していました。1幕ラストの江戸城でのやりとり、2幕ラストの幕が降りる寸前の二人を見るにつけ、このコンビのすばらしさにため息をつきます。

 代役組のさえこちゃん(彩輝)。バウよりも男らしくなっていて、もっと良くなっていました。ひなが死ぬときの、家茂さま。好きです。
 同じく代役組のかよこちゃん(朝澄けい)。若くして艶まででてきていて、もうどうしましょう。2幕の御所で岩倉に食ってかかるところがとても良かったと思います。

 全体的に下級生のお化粧が綺麗になっているように思いました。バウでは少しまだ洋風だった方も、青年館ではすっきりとした日本顔になっていらしたと思います。演技もより自然になっていて、ちょっとした場面にも説得力がありました。今公演の出演者の今後がとても楽しみです。

 バウの時は毎公演、再度のアンコールで出演者が一列に並び、主演のマリコさんが一歩前に出て「ありがとうございました。」で幕。・・・・というパターンだったのですが、青年館ではそれはなかったです。千秋楽でもバウではもう一度アンコールがあったのですが・・・。

 バウには2階がないので、今回青年館で2階から観劇して、改めて美しさに酔わせていただきました。

 お正月から、雅〜雅〜とすごして参りましたが、それも今日で一休み。 3月は東宝星組公演「エリザベート」でハプスブルグ家崩壊の時代にワープです。京の都から、オーストリアのウィーンへ。これだから宝塚はやめられません。

   
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