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 1000days劇場星組公演
『皇帝/ヘミングウェイ・レビュー』
   ALICE’S TEA PARTY(4)
  ホテルニューオータニ 「鶴の間」
    1998/10/25(Sun.)


◇◆◇◆◇◆ 思い出のさきちゃん ◇◆◇◆◇◆

◆音楽学校受験の動機
麻路「好きだったから。(*^^*)ただ単に…。本当に好きだったんですよ、宝塚。好きですよ、今も。あの頃、レコードを買ってね〜。年に1回ぐらいしか観れないんですよ。それも春休みか夏休み…券もとれなかったし。『ベルバラ』と『風共』間違えちゃったっていうのはよく喋ってて有名な話なんですけど、その後も、たいてい3月8月っていう感じで、観ました。そして私も感想を書くんですね。ファンレターっていうものをよかった方に(*^^*)。たいていよかった方というのは、目立つ方ということになるんで、だいたいスターさんに出していたっていう感じなんですけどね〜。もう受けてみたいな、と思っていろいろ受験の状況と年齢とが一致したんでね。でもね、あんなたいへんだと思いませんでしたね。倍率もあんなにあると思わなかったし、なにも知らずにぽ〜んといちゃったから、運よく入れたから、ね〜今、こうなってるんですけど。」
司会「準備をされて受けられたのですか?」
麻路「一応、音楽の先生に音楽学校の主題歌っていうのをとったのと、ピアノは昔からやってましたからね。バレエはちっちゃな頃に発表会出る時に、人前にでるのが嫌だったらしく、大泣きしてその時点で辞めたんです。何か月かやってたんです。写真には赤に白の水玉のチュチュを着て残っているんです。「やってたんだ〜。」って聞いたら「ほんの何か月か…」「どうして?」「発表会の時『出ない〜(: :)』って言って結局出なかった。」その場面、何人口かですけど、私のところはカット。たぶん赤に白の水玉だとか。ピンクに白の水玉だとかみんな色が違う衣装着なきゃいけないところを放棄してしまいました。(^^ゞその後、辞めているので、中学後半で「受験で太るからバレエをやらせてくれ。」と。ピアノをやっていたので、あまりクラブ活動とか怪我する球技はダメ!と禁止されていたんで、バレエならいい…となった。本当は宝塚受験っていうのが自分の中ではあったんですけどね。そこは黙っておいて、親に上手に言って。それで一応、バレエも1番2番ぐらいは解って、5番が解らないくらいで受験したんですけど、レベルが違ってね。本当にうまい人はトウシューズはいちゃってるからね〜。試験場で「うひゃ〜(^^;)」と思いましたね。でも、今みたいに難しくなかったんですよ。」

◆新人公演
司会「音楽学校を経て月組配属、星組へ組替え、そして新人公演の主役をたくさん演じられましたね。全部で7作…『華麗なるファンタジア』『紫子』『別離の肖像』『炎のボレロ』『戦争と平和』『ディガ・ディガ・ドゥ』『ベルサイユのバラ』」
麻路「多いですねぇ。昔は大らかで良かった。だって、本当に下手だったですからね>新人公演。(^^ゞそれもとんでもない失敗をするんですよ。今は「うまいか?下手か?」っていう評価のレベルまで上がっているけれど、昔は「何事も無く終わったか?終わらないか?」っていうレベル。もう最後に凄く「決まった!!」と思ったら、緞帳の前に立っていて、緞帳が閉まらなかったこともありますしね。(爆笑)台詞を飛ばすなんていうことは当然のこと(^^ゞ、早替わりなんか間に合わなかったりねぇ、それでも本人は必死になっているんですけどね。今は「そつなく」て凄いなぁと思います。その代わり"熱血"っていうのがもう少し欲しいかなぁ。転んじゃってもやっちゃうぞ!っていう時代でしたからね。楽しかったです。
 新人公演の後半はもう3番手だったんですよ。本公演で立派にやっていなくてはいけないし、ちょうど「ベルサイユのバラ」の時は、雪組に特出していて「立場は立場なのに、なんでまだ新人公演?」ってよく言われていたんですけどね。(^^ゞ」

司会「一つの作品で3つの役もありましたね…『ディガ・ディガ・ドゥ』」
麻路「今だから笑えるんですけど、大変だったんですよ。一つの組の中だから稽古に時差があるけれど、「ベルサイユのバラ」の時が大変。雪組の東京公演のお稽古にフェルゼンとして出ながら、隣の稽古場では星組の大劇場公演の新人公演の稽古で、主役がいないとできないからみんなが待っている、雪組のフェルゼンの場面だけ出て戻ってくる、同じフェルゼンだけど台本が全然違う、星組本公演ではオスカルさんが4人ぐらい替わられてそのたびに代役稽古があって、新人公演稽古が終わった遅い夜にやる。雪組特出と星組新公のお稽古が終わったぁ…と思ったらオスカルさんが「合わせてもらっていぃ?」って待っている。「はいっ!(^_^)」って言って「私、今何やるんだっけ?何やるんだっけ??…あぁそうだ、今、アンドレやぁ」って。(爆笑)一日に3つも4つもっていうことがあって、今思えばねぇ「若かりし頃」だから出来たのかなぁって、今だったら頭が”くにゃぁ〜〜”ってなっちゃいますね。(^^ゞ」

◆舞台の魔力
司会「2番手の終わりの頃『うたかたの恋』で代役公演がありましたが…。」
麻路「あぁ…あれね…。大変でしたね、すごく…。あの時過労がたたったのか、東京公演が終わったあとドラマシティで『ライト&シャドウ』という作品があったんですが、あのあとにパッタリ声が出なくなりまして緊急入院。初めて手術というのをしました。舞台って生なものだから、よくケガとかするじゃないですか。『炎のボレロ』の時も骨を折ってたけど、動けたんですよ。舞台の魔力ってすごい
もので、相当なケガしていても出てる時は、痛くもかゆくもないんですよ。でも引っ込んじゃうとめちゃくちゃ痛い。それで十何年やってきたので、今や熱が40度あっても全然まっすぐ歩けるんですよ。そのかわり休みの日に37度でたらもう風邪引いた〜風邪引いた〜って大騒ぎ(笑)。これから舞台に出なくなったら、どうなるんだろうって思うんですけどねぇ。ま、でも色々な面で鍛えられましたね。」

◆トップお披露目・いろんな先生〜『二人だけが悪』〜『エリザベート』
司会「そしてトップお披露目ということで私達も本当に嬉しい日を迎える前に」
麻路「地震ねぇ。」
司会「阪神大震災がありまして、ちょうど中日公演の直前だったんですよね。」
麻路「そうですね。立ち回りの稽古した日の夜かな。次の日の朝が歌稽古だったんですよ。一応歌稽古があるかな?って思って、行ってはいるんですよ。でもそれどころじゃなかった。信号は止まっているし、電車は落ちかけてましたからね。そこから事の大きさに気が付いて、これはまずいって。」
司会「そして大劇場再開の公演となった『国境のない地図』なんですけど。」
麻路「ねぇ、懐かしい。ピアニストの役でね……、そうそうそう…サヨナラショーのピアノの稽古しなくちゃって、今ふと思いだしちゃった。」(場内大爆笑)

司会「皇帝を観ていても思うのですが、植田先生に麻路さきとしては……」
麻路「『戦争と平和』のアナトリーの時、あれが本当にターニングポイントになって。他にもその時その時にチャンスをくれた先生は、いろいろといるんですよ。でも植田先生の作品には本当に良くでてるんですよ。私自身が安心なんですよね。いろんなタイプの先生がいらっしゃるんですけど、失礼な言い方したらお父さんみたいな感じで、甘えさせて頂いて。この間の『イコンの誘惑』の小池先生は、先生と討論しあいながらやるっていう感じで、草野先生はずっと笑いっぱなしで楽しみながら、太田先生とはお互い悩みながら…(笑)。どの先生とも良い思い出で終わっていて、二度と当たりたくないっていう先生は誰もいないんでね。すごく幸せな状態で送り出してもらってます。」

司会「『剣と恋と虹と』を経て『二人だけが悪』。この作品の思い出は何かありますか?スーツ姿がすっごくきまっていたんですよね。」
麻路「久方ぶりだったんでね、スーツ。すごく楽しかったけど、ずっと舞台に出ていたじゃないですか。あの時一回調子悪くした時に、本当にもう初めて休演するかと思ったんですけど、何とか直ってねぇ。でもあんなに長いことお芝居で引っ込まないでいた作品はあれが初めてかな。ハードでしたね。ショー(パッション・ブルー)もすごいハードだったんで、トップって大変だなあって思ってましたね。でもただ楽しいっていう時期で、ちょうど慣れてきたんでしょうね。あの頃引っかかっていたのが『エリザベート』ですね。『エリザベート』が決まっていたんですよ。小池先生からの電話にはビクビクしていましたね(笑)。今だと笑い話だけど、真剣にそうだったんですよ。永遠にこの『二人だけが悪』が終わってほしくないと思ってましたからね。」

司会「でも私たちにとっては『エリザベート』は忘れられない作品になりました。」
麻路「今思えばねぇ…、楽しく終わったんですけどね。トップになってからいつも思っているんですけど、一番の楽しみは一つの公演が無事に終わった満足感…、演っている最中も楽しいですけど、でもやっぱりどこかですごい緊張感があるんです。だから千秋楽の日はたぶん誰よりも一番楽しいんだろうなって思うくらい。もちろん明日から、この作品を演らないんだ…っていう寂しさもある中に、それよりも勝っているのかな…。良く終わったぁ〜今回も、みたいな。その感じを味わえたのは幸せですね。」
司会「『エリザベート』の時にウィーンツアーも何回かありましたが。」
麻路「嬉しかったですね。本当は今回もイタリアツアーを旅行社の人は狙っていたらしいですよ。スケジュールがなかったので、ダメになったんですけど。ネロの故郷を歩く…とかいってね(笑)。」

◆『誠の群像』〜『ダル・レークの恋』
司会「『誠の群像』も男くさい役で、宝塚に『新選組』はあまり似合わないのかな…と思っていたのですが、みんなとてもハマッてしまったんですけれども(*^^*)」
麻路「そうですか(^^)。土方は面白くて、好きでしたね。今TVで“血風録”をやってるじゃないですか。そうすると、同じようなストーリーとか出てきたりして「あ〜、やっぱり土方はオイシイ役だな(^^)」とか思ってしまうんですよね。石田先生から今度新選組を演ると聞いた時に、まだ役は決まっていなかったんですけど、自分のタイプは近藤か土方かな〜と思ってましたね。どうも、沖田とかああいう病弱な役はまわってこないんですよねぇ…なぜでしょう(^^;)今まで死ぬ役もいっぱい演ってるんですよ。いろいろな死に方…自殺したり、撃たれたり、斬られたり…一回演ってみたかったですねぇ…病弱な役(^^;)」

司会「続いてラッチマン…これも病弱とは程遠い役で(^^;)。男役としてますます磨きがかかった役でしたよね。」
麻路「ふふふ(^^)そうですか。ありがとうございます。これは"帝劇"っていうのが良かったですねぇ(*^^*)今も劇場に来る時に帝劇の前を通るんですけど「ここに看板があったんだ」と思うと、感無量ですね。」

◆東宝から帝劇…そして1000days
麻路「東宝は今囲いがしてあるのを見て、やっぱりすごく寂しいです。もし2年位早くに建て直しがあれば、新東宝の舞台も立てたんですけど…ちょっとそこがズレてしまったんですねぇ(^^;)でも宝塚大劇場から考えると、旧大劇場を踏んで、旧稽古場も知ってるし、仮設、そしてもちろん今の稽古場、大劇場も知ってるしで、丁度その移り変りの時期にいれたのですごく良い経験だなと思いますね。1000daysに関しては11月23日まで過ごすわけですし、そこで燃え尽きようと思っています。皆様そこに来て頂けるようでしたら、速やかに列になって頂けますでしょうか。(^^ゞそしたら、速やかに出ますので…。あそこは都庁があって規制が厳しいんですよ。当日は祝日なのでまだマシだと思うんですけど、警備の方とか大変だと思うので、ご協力お願いしますm(_ _)m」
 …自分のさよならの日のパレードまで仕切る女Sのマリコさんでありました。(*^^*)


   
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お菊☆:「☆98/10/25 麻路さきお茶会☆」
Nifty-serveより転載