お茶会メインへ

   「宝塚歌劇とミュージカル・シーン
     星組公演 ショー パッション・ブルーの見所とショー作り」
(1)
宝塚ホテル「琥珀の間」
1996/05/29(Wed)


去る5月29日宝塚ホテルに於いて、宝塚歌劇団 演出家 三木章雄先生・星組トップスター 麻路さきさん・トップ娘役 白城あやか さんが講師となられての講演会がありました。
 内容は主にショーを作る上で、お稽古場から舞台にのせるまでのエピソードを三木先生のリードでマリコさん(麻路)あやちゃん(白城)が語るというものでした。
 なかなか充実していて、私も勉強になりました。が、なにぶん印象に残った事のみを私の言葉で書かせていただいていますので、伝わるかどうかは・・・。出来るだけ雰囲気が出せれば〜とがんばってみましたが。その点、ご了承くださいませ。
☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆

    「宝塚歌劇とミュージカル・シーン
     星組公演 ショー パッション・ブルーの見所とショー作り」

        講師 宝塚歌劇団 演出家 三木章雄
                 星組  麻路さき
                     白城あやか

       1996年5月29日 13時半〜15時
           於 宝塚ホテル 琥珀の間

☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆
★三木先生の手がけた作品を三木先生が説明
 最初は三木先生が今まで作られたショーについて一つ一つ三木先生ご自身が「このタイトルをつけた理由は・・・」「これのテーマはこのつもりだった・・・」という感じで短くコメントを付けられます。三木先生はご謙遜されているのか、ことごとく最後に「これは失敗したんですが・・・。」とおっしゃられていました。

★ブルー・パッションのコンセプトを三木先生が語ってくださったのですが、「歌劇」の座談会での話に似ていましたので省略。

★三木先生が語る、ショー作りの手順
 タイトルを無理矢理決める。→一人で部屋に閉じこもって場面を考える。→スタッフと集まって具体化させる。→稽古場→舞台稽古
 ところが、「稽古着でやるより衣装を着た方がいい。暗い中よりも照明があったほうがいい。何もないより装置があった方がいい。」こともあれば、これが意外と計算通りなかなかいかないことがあったり、(^^;)逆に救われたりもする。(大きくうなずくマリコ&あや)
 ショーを作る上において、プラス要素とマイナス要素のバランス感覚が大事である。「今回のパッション・ブルーは自分でいうのもなんですが、お稽古場で稽古着で見ておもしろいなぁと思って、舞台で照明・セットが入ってもおもしろかったんじゃないかなぁと・・・思ってます。(*^_^*)」(三木先生談)

★三木先生がマリコ&あやに質問を振り出します。
 ようやく、マリコさんとあやちゃんの出番ね。(既に30分経過していた。(^^;))

 ★例えば夢魔の説明を受けたときにどういう風に感じたか。
麻路「集合じゃなく座談会の時に聞いたのが初めてだった。先生が力説されていて音楽も聞かないし、ストーリーを聞くだけだったけどでもそこでイメージを膨らましておいた方が、何も知らずに振付を受けるよりもいい。振付も全部決めてくる先生、その場でやりながら次を決める先生といらっしゃるが今回の名倉先生は後のタイプ。この場面も後で16小節増えたくらい。自分の中でも想像がこんなに膨らんでいて。」
三木「夢の悪魔には猫が寄り添っているイメージなんだけど。」
麻路「悪魔には犬じゃないですよねぇ。猫ですよねぇ。(笑)」
   (机に突っ伏して笑うあやちゃん(^^;))

 ★猫は得をした・・・?
三木「夢猫がマドンナを起こすとマドンナがう〜んとするところなんかは僕がそう振付をお願いしたのではなく、名倉先生の感覚でそうされて、それを初めて稽古場で見せて貰ったたときはすごく感じが出てて。」
麻路「猫ちゃんたちはすごく得をしてますね。」
三木「現場で作り上げるときに出来ればいいけれど、出来ないこともあるし、出来ればそれが舞台にのる。(ショーはお芝居と違ってその場で作ることもあるから。)」
麻路「下級生の頃は「出来なくてここの場面はずされたらどうしよう。」て思ったりもした。さっき猫ちゃんたちが得したな、と言ったのは、多分三木先生はあそこまで目立つ形で使おうとは最初思われてなかったと思う。」
三木「うんうん。」
麻路「でも名倉先生の振付が出来上がるととても目立つ役になっていた。私も下級生の頃はそういう形で使われて、稽古場でチャンスをつかむみたいな感じ。稽古場は戦場ですよね。」

 ★稽古場と舞台のギャップ?
麻路「お稽古場でもイメージをある程度は掴んでいるけれど、舞台で綺麗なセットの前で踊れば気持ちいいし、盆が廻ると雰囲気が出るし、生オケだともっといいし、確かに稽古とは全然違うものがある。稽古場ではこれは恥ずかしいと思えることでも舞台だと出来てしまう。ショーのタンゴで私とノル(稔)・リカ(紫吹)・ブン(絵麻緒)があやちゃんを取り合うけど、稽古場ではあんなにキザってなかった。でも幕が開くと「わぁ〜くっさ〜」ってくらい。(笑)帽子を投げるにしても、「どいてよぉ〜」ってくらい(笑)ポーズを決めてるリカがいたりして。(笑)自分たちも舞台に酔いながらやっているのでおもしろいです。」

 ★夢魔のベットはガムテープで巻いたもの
三木「夢魔の白いベットはお稽古場では長椅子二つをガムテープで巻いたものだよね。結構ガタガタするんだけど、リフトなんて一回目から出来るもの?」
麻路「組んでいる回数ですねぇ。初めての人だったら怖くて出来ない。案外ボンと来てっていうとボンと乗っている。(笑)」
白城「マリコさんはしっかり受け止めてくださるからぁ。」
麻路「ここで飛んだらここに手があるというのも分かっていると思うし、だからペアで踊るときは呼吸の問題。」
白城「私がヒールとかでバランスが取れなくなったときとか、マリコさんすんごい力なんですよっ!(力説!)グッと絶対ビクともしないから、それもう、はすごいです。」
麻路「加減されちゃうと却って怖くなる、ボンと来てくれないと出来ないときがあるので・・・。」(嬉しそうなマリコさん(*^_^*)頼もしいぞぉ。)
  (リフト裏話は続く)
麻路「初めて組んだパパラギの時は最初うまく出来なかった。幕が開く前くらいに、一回タイミングを掴んだら日に日に回す回数が増えていって(笑)その舞台を見た違う先生もこの二人にはリフトって思ってくださって、それで羽山先生はぁ(あやちゃんここで既に思いだし笑い)国境の時に「後はずっと回してて・・・」って。(爆笑)」

 ★パターンのはまった役
麻路「タイプ的なもので、自分がもしもフェアリー的な男役だったら、もしかして公演の中で女役がきたかもしれない。(場内爆笑 苦笑するマリコさん(^^;))こないだ三木先生のドラマシティーで若い役があたったけど、大体大人の役が多いよね?」
白城「わっ、若い役って(^^;)」(充分若いもんね。>あやちゃん(*^_^*))
麻路「あぁ、かわいい役ね(^^;)、で。役やお話が違って、違う先生でもパターンが一緒になることがある。二番手の時はいつも悪役が多くて、ショーでもお芝居でも妖しい役で、最初のうちは出来るんです。メイクを替えてみたりして。でも、ただ妖しい役っていうのが三つも続くともうネタ切れ。どこで見せようか悩む。だから、あんまり重なりたくないというのはあります。」
三木「今回も間にACTION!みたいな明るいのをちょっと入れたかったんだけど、時間の関係で・・・・」(突然いいわけをする、三木先生でした。(^^;))

 ★夢魔の場面と私(白城あやかの場合)
白城「最初座談会で先生が力説されているときに、魔法をかけられたみたいに踊り狂って、盆がぐるぐる廻って・・・って聞いて「わぁ、すごいすごい!!」って思って、お稽古場で曲を聞かせていただいて「わぁ、すごい素敵な曲だわぁ(*^_^*)」って思って、振付は名倉先生、「わぁすごいなぁ楽しみぃ!」って思って、で、お稽古場で振り付けていただいたら「わぁ、なんだかボロボロォ(^^;;;)」って思ったんですけど、素敵な振付なんですけどねぇ。で、舞台稽古になって衣装着て、鬘をつけて、曲が鳴って、本当に盆が廻ったらもうどこにいるのか分からくなっちゃって(^^;)ドライアイスが出てきたら盆線も何も見えなくなっちゃって。もうどうしよぉ〜って。それがいい効果になっていればいいんだけど、本人が訳が分からなくなって、混乱しているといい物が見せられないし、その辺は紙一重だなぁって思う。」
麻路「盆に乗り降りするっていうのも結構大変。」
白城「ベットから降りる時も、いつ降りるんだろうってず〜っとマリコさんを見て」
麻路「目を会わせて誘っている瞬間に一瞬だけ下を見て確認している。お客様の死角で・・。転んでもいい場面ならいけど、そうはいかないから・・・。」

 ★中詰めのセット転換はもう大変!
麻路「途中で何度もセット転換があるときどうしても隙間が開いてしまう。階段とセリの間が(20cmくらい)。ストンと落ちてしまうくらい。それを「隙間は開いてないわ!」という感じでいくけど、下を見ないと危ないからお客様に分からないようにうまく見る必要が・・・。大変なのは墜落した後(あやちゃんが悪魔に化けた後で)はいずって袖にはける。二人でヨチヨチ歩きでひっこむ私たちの姿は見るも無惨。(爆笑)」
白城「ノルさんがその姿を上から見下ろしているらしいですよ。バカだなぁ〜って顔して。(爆笑)」
麻路「ノル達が斜めに立っているじゃないですか。あれで斜めにずっと立っているのもちょっと恥ずかしいらしいですよ。(笑)」

★ここでマリコさんをはさんで座っているあやちゃんと三木先生は席替えを。

   
   戻る      つづき