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   「宝塚歌劇とミュージカル・シーン
     星組公演 ショー パッション・ブルーの見所とショー作り」
(2)
宝塚ホテル「琥珀の間」
1996/05/29(Wed)

 ★アクセサリー裏話
麻路「男役はイヤリングか指輪くらいしか付ける物がなくて、私は指輪が好きで、よくつけてたけど、前公演で付けすぎたので今回は一切やめようときめてやめてます。危険なときもある。リフトがなければいいけど、リフトがあるときにスカートかストッキングを破るのは私の指輪。顔に傷を作っちゃうこともあるし。ま、ケガをさせるのはお互い様か・・・・。」
白城「ないです、ないです。顔は私は・・・。」
麻路「よくあやが気にしてくれるのは髪飾り、一緒に寄り添う時に(顔に)ボンッ!稽古場ではなかったのに後ろから抱きしめようとするとなんか障害物が・・・・髪飾りだぁ〜。(笑)」
白城「だから、振りを付けていただいた時点で、こっちから来るなぁっていうのがあらかじめ分かっていたらこっちには付けないでおこうとか考えるんですけど振りを一生懸命やっていると・・・ゴンッ!あぁ!ってなります。(^^;)」
麻路「稽古場通りですっきりとやった方がいいときと、いろいろ付けたりして、多少制約がでてきてもそっちの方が良かったり、いろいろですね。」

 ★時間が欲しいぃ〜
麻路「45秒で早変わりのときなんか、やっている最中は舞台に出ているか、袖を走っているかで、勢いでやるけど、あと5・6秒あったら〜と思うときがある。男役で鬘がないときなんか、どうにかして雰囲気を替えたいと思って少しでも触ると大分違うので髪型を替えようとするんだけど、もともとガチガチに固めてあるのに櫛を通そうと思ったら、もう櫛が勝つか髪の毛が勝つか・・・・。涙を流しながら髪の形を替える・・・・。あぁ、もう3・4分あったら。」
三木「2本立ての化粧替えなんていうのは?」
麻路「今回はあまり化粧を替えないので、ちょっと色を足すくらいで・・・・。ゆとりを持ってショーに出れる。違うものをやるんだっていうゆとりがある。これがお芝居と日本物のショーなんてときには、「5分前です。」っていうときにまつげを片手に持って付けているときもあって「さぁ始めるぞ。」っていう気もないときにもう始まっているというときもある・・・・。(^^;)」
三木「お芝居で感動して泣いて終わって、バタバタと駆け回ってショーではニコニコしている姿はとてもプロフェッショナルなんだけど。」
白城「そのせいか、普段でもちょっと前までイライラしてたのに、次は○○さんに会わなきゃぁってなると途端ににこにこできたりして・・・・。袖ですごい顔してガーッって走っていても一歩舞台に出ればニコと笑ったり。ね。(^_^)」

 ★地方公演の舞台裏
三木「地方公演って舞台稽古は一日で両方終わらせて、公演終わったらすぐにバスにのって移動したりして、、。」
麻路「早変わりの一番下に私服が早変わりの状態ですぐに着れるように置いてあるんですよねぇ。緞帳がしまった瞬間に靴を持って走り出す人がいたりしてスタッフさんもいつもより少ないし、もう引っ越しのよう。」

 ★一公演一公演に全力投球出来るか?
麻路「全くお客様のいない状態でパッション・ブルーを5日間やれって言われると酷かもしれない。特にショーは照明が明るいから、客席の表情も見えるときがある。反対に明るすぎて自分に照明が当たっていて見えないときもあるんですけど。反応が返ってくるから、同じものをやっていても生の舞台は違うし、楽しんでやっている。後は目標を作ることがよくある。あそこをもう少しこう・・・・とかいう風に。」
白城「舞台に立つと一緒に作っていてものめり込んでいって頼れるのは自分だけ・・・・・・。お稽古場は前に鏡があって電器もこうこうと明るくて・・・・舞台は照明がグッと絞られたり、曲が流れたりしてもともと孤独なものが更に自分だけの世界になれる。袖でどんなにがちゃがちゃしていても一歩舞台にあがればその世界に入っていけるし、観て下さる方もそれを真剣に見て世界に浸ってくださっていて、何があっても自分もその波に乗れるというところが舞台っていいなぁ〜飽きない。」
麻路「私はファン時代に宝塚が好きで好きで毎日でも観たいって思っていた。今、同じ好きでも毎日観れるか?と言われるとだめかもしれないけどど、毎日やれっていうのはなんてことない。それは仕事だというのもあるけど。
 もしも他の劇団みたいにロングランになって、ダブルキャストで、この日はこの人はお休み・・・・ってなったら私はイライラしちゃうと思う。休みが取れなくても出してって思うんじゃないかな。」
三木「役者バカとか?」
麻路「人によって違うと思うんです。全員そうとは言えないと思うし。」
三木「やっぱりやるというのは楽しいことなんだなぁ。」
麻路「うん。やらせてあげたいぃ、先生。(^_^)」(爆笑)

★ここから出席者からの質問コーナーになりました。

 ★Q1 三木先生に演出家志望の男の方から
  「三木先生が演出家になったきっかけは?」
三木「学校に求人が来ていて応募した。そのときは脚本も書いて提出した。普通の会社に就職するみたいに応募した。
  「ショーの脚本の勉強ってどうすれば?」
三木「試験のときは普通の芝居の脚本でよかったので・・・・。」
  「歌劇団の演出家は踊りも出来ないと・・・・と聞いているので、三木先生のお写真を拝見して、あぁこういう人も踊れるんだなぁ〜っと思ったりしたのですが・・・・。(爆笑 マリコさんとあやちゃんは先生の横で大喜び)」
三木「僕は踊りの勉強はしていなくて、見ての通りなんですが、、、。(^^;)伝統的には白井先生を初めみなさんご自分で振付もなさって、今のブロードウェイの演出家も振付家から演出家になった人が多いです。舞台で、言葉以外のコミュニケーションとして踊れるということは大事な事で本当は勉強すべきです。すみませんm(__)mペコ」

 ★Q2 夢魔の場面の変更の理由は?
 夢魔のシーンは三木先生が大体のイメージを名倉先生に話して、それで振付が始まったらどんどん踊りが激しくなって16小節増えたくらいなんだそうです。
 踊る事がメインのシーンなんです。ところが、夢魔の衣装の生地がしっかりした厚手のもので、衣装自体はイメージ通りでいいものなのに、踊りが制限されることになってしまった。装置とか衣装というものは、多少制限があっても優先させた方がいい場合もあるが、今回は踊りを優先させたいということになり、上着の下にブラウスを着て袖で上着を脱ぐことになったそうです。鬘はブラウス姿だとバランスが悪くなってしまうため、脱ぐことにした。
ところが、銀橋で被っていて鬘をぬぐと、下の髪が乱れたままになる事が予想され、逆に、ピンで止めずに鬘を被ると今度はずれる事が考えられる。それで、現在のように最初から鬘はない状態で始まるように今はなっているそうです。
 結局、踊りを優先させるために上着を脱がねばならず、上着を脱ぐと鬘も取らない訳にはいかない。というのが夢魔☆変更の理由のようです。

 ★Q3 三木先生に質問
  「今後マリコさんを使って女役をされる計画は?」(マリコさん苦笑い)
三木「(ウケていた(^^;))TCAとかでやっていただいて、すごく大きな反応がありまして(笑)反応の質が・・・・。」
麻路・白城「質ぅ?」 (二人で大ウケ)
三木「でも、宝塚の男役は、実は!女も出来る!というのもいいし(笑)質とショックとバランスが取れたらやってもいいかなぁ〜と・・・・。」
   (おいおい三木先生、言いたい放題ですよぉ。(^^;))
  「私は本当にやっていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。」(マリコさん ひたすら苦笑いだった・・・・。)
 ★Q4 マリコさんって男の人よりも格好いい。本当に女ですか?
麻路「本当に女です。(^^;)」(笑)
  「オフのマリコさんは女らしくて優しくてそのギャップが信じられない。マリコさんの本当の性格は?」
麻路「どうなんでしょう?別に女っぽいとも思わないしぃ〜。」
白城「いえ、すごく女らしいですよぉ。」
麻路「考え方はみなさんと一緒だと思いますよ。好き嫌いもあるし、自分も悩むときはあるし、落ち込むこともあります。でも、みなさんにお目にかかって特に舞台で男役を演じているときは、演じているもう一人の自分にイメージとして「麻路さきという男役像」を持っている。自分がこうやりたいという理想像に向かって突っ走っている訳だから、それが「なんか頼りないなぁ。」とか思われたくない。ファン時代に男役さんに理想を求めていたから。
 普段そこらで買い物していたりするときは違うけど、舞台にあがった時には徹底的に男っぽく。それが私たちの役目だし「普段はどうなんだろう〜?」と思っていただけるくらい演じる方がやっている方も演じておもしろい。
 本当の自分というのはそれを動かす為に必死になっている自分なのかなぁ。」

 ★Q5 三木先生から見たマリコさんの魅力は?
     マリコさんが今後三木先生に臨まれる役は?
三木「舞台の魅力というよりは一緒に仕事をする立場でいうと、率直なところ、誠実なところ。(が、魅力)宝塚にはみんな女優さんというだけのことはあって、感情の起伏の激しい人とか、変わった人が多いんですが、(^^;)
 彼女は等身大の部分を持っている。普段話しているときはせっぱつまった時でも結構落ち着いていて、いや見えるだけかもしれませんが(うなずくマリコさん。)そういう感情になったときにそれはそれで、、、と切り替えれる人。そういう所は大人だなぁ〜と思うけど、言うほど大人でもないなっていうところもあるし。人との距離感が的確で嘘もてらいもない、そういうところが格好いいと思います。」(おおいに照れるマリコさん(^_^))
麻路「したことがなくて、こういう面を持っているというのを最大限に引き出して貰えるのを、こちらから希望するのではなくて、三木先生から思っていただけたらなぁと思う。いろんな先生にこの子にこういう事をさせたいと思って貰える役者でありたい。もう出し尽くしてやらせる物がない、ではなくて、あれもさせたい、これもさせたい、と思って貰える存在でありたい。何がしたいというのではなく、こちらが何をさせてもらえるのかな?と期待を持ちつつ仕事をしていきたいし、また三木先生でいいものに出させていただけたら嬉しいな〜と思います。」

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 とまぁ、このように、前半30分は三木先生がしゃべりまくり、後半40分は、三木先生がうまく二人から話を聞き出してくれて、講演会のテーマに沿ったお話をたくさんお聞きすることが出来ました。最後の20分は質問コーナーでした。
 個人的には、後半部分のマリコさんの役者感・男役感のお話に惹かれました。
 もちろんこれはお仕事の訳ですから、「男役・麻路さき」に近い雰囲気で話されていたのだと思うのですが、とにかく凛々しくてぽ〜っと(*^_^*)してしまいました。
もっとほわ〜っとした雰囲気のトークショーを想像していたのですが、舞台を作り上げるお三方の(もちろんみなさんだとは思いますが。)真剣で誠実なお話を一杯聞けて、とても勉強になりました。これから舞台を見る上で、新たな視点を加えることができそうです。
 また、マリコさんとあやちゃんは本当にツーカーの仲という感じで、お互いが相手を信頼している雰囲気がとても好感が持てました。

   
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