傷病鳥獣保護ボランティア


   短期里親の記録
     =「ドラ(ムクドリのひな)」編= 



        おいらがムクドリのドラ 

2 週 目

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画像が多いので開くのに若干時間がかかります。



7月22日(水) 8日目

食べたもの 基本食+モモ+キウィ
観察 ・鳥かごから出すと一目散に照明の笠や額縁の上に飛んでいく。
・居眠りする時間が減り、羽づくろいの時間が増えたように思える。
・「ジェジェジェ……」という鳴き声にときおり「チェ」や「キュ」という高い声が混じるようになった。
・寝言をいった。
・腰の白い部分が目立つようになってきた。
・尾羽根の先がボサボサなのが気にかかる。
飛ぶ楽しさがわかったのか……





 おかあちゃんが夢に出てきたのかな……



7月23日(木) 9日目

食べたもの 基本食+キウィ+蛾
観察 ・餌をやるとき少しじらして、目の前に餌箱を置いて自分で採れるように訓練する。キウィは自分で少し食べたが、基本食はうまくいかない。水分が多いので、くわえてもそれを喉に流し込むことができず、振り回して全部飛び散らせてしまう。 
・腰の白い部分が非常に目立つ。
・尾羽根の先のボサボサは相変わらずである。
・飛ぶことは本当に慣れた。






後は距離だ。訓練してやりたいが方法を思いつかない。



coffee break 3
◎センターの仲良し獣医さんより

《飛ぶ訓練は部屋の中だけでよいか》
 う〜ん。現実問題、そうなってしまいますよね。「そ〜ら、飛ぶ練習をしておいで〜。」と、外へ放り出すわけにいかないし、子供の頃カブトムシにやったように足にひもつけて外でブルンブルン振り回すこともできないし(今思えば、カブトムシにもとても悪いことをした、と反省している)。お家の中で床を歩いたり、カーテンレールまで飛んだりできるようでしたら大丈夫でしょう。部屋を1つの大きな鳥かごだと考えると、下から上へ・上から下へ、また右から左へ・左から右へと、飛んで移動できるように餌を置いて誘導するのもよいのでは?

《生き餌は虫なら何でもよいか》
 基本的には大丈夫だと思いますが、ご存じの通りカメムシの仲間はオナラをするやつがいるのでどうかな〜。オナガやツグミに与えてみた時には(成鳥)ぜんぜん食べてくれなかったから、やっぱりおいしくないのだろうな・・・。
 ちなみに長期里親でムクドリを飼育している○○さんによると、夜電気に向かって飛んでくるカナブンを小さくしたような虫(体長1cmくらいで赤茶色している。甲も薄いのでおいしそう。まさに外はサクッと中は柔らかっていう感じ。)が大好物で、狂ったように食べるそうです。ミミズは見せると怖がって、ギャッッッと奇声を上げて逃げるそうです。そんなムクドリのために、日夜電球の下で虫取りにせいをだしているとか。とりあえず、今の時期だと草むらにバッタやコオロギの小さいのがいますから、それらが捕まえやすいし柔らかくてよいのではないでしょうか・・・。
 
《ドラの癖?》
 特に心配するようなことではないと思いますが・・・。文鳥なんかを飼っていたときも見られましたが、止まり木の上で寝るとき、お腹をくっつけてパコンパコンと自分の呼吸にあわせて大きく体が揺れてることがあります。そもそも活動時の小鳥の呼吸は人のそれより浅くテンポが速いものです。これまでの経験からすると、人の目から見て大きく呼吸するのはもう死にそうなのか眠いのかどっちかではないでしょうか。ものを吐き出したそうに大きなあくびのような動作を何回も繰り返したり、首を盛んに振ったり、一生懸命何かを飲み込むような動作を繰り返したりしていなければ、まず大丈夫ですよ。
でも、ぽけーっと口を開けてるという子(ムクドリ)は見たことないなー。……。たぶんドラちゃんの変な癖だと思うのですが。

 では、餌を自分でつつけるようになったドラちゃんは、自立にむけての次ステップへ進んでみましょうかね〜。ご存じの通りムクドリは果実を食べるときは別として、採餌を主に地面で行います。芝生の上やグラウンドなどでムクドリが集団で餌探ししている姿は、よく目撃されているかと思います。次のステップとは土の上や草の間から餌をみつけて食べる練習です。センター育ちの子は、この練習を十分してやれないのでふびんです。
 普通の鳥かごをお持ちのようですので、都合がよいです。セッティングとしてはまず、鳥かごの底を抜きます。おそらく4カ所、引っかける部分を外せばすぐに金網のいわゆるカゴ部分だけになりますよね。ただこれだけ。あとはお庭でもどこか外でもいいけれど、土の部分や芝生、クローバーなど背の低い草が生えているところにそれを置く、下に何か餌をまく、ドラちゃんを入れる、で完了。そのうち草の間から何か虫でもみつけられるようになりますよ。注意することは屋外ですので逃げ出さないようにすることと、ちゃんと見張ってないとネコに襲われること、かな。日光浴もできて一石二鳥!!でも、炎天下に1時間も2時間も出しっぱなしにするのは避けてくださいね。人の方も参っちゃうし。
 あと、羽にツヤがでてきたら、そろそろ水浴びO.K.サインです。無理矢理させることはないので、時期がくれば水浴び用の容器を入れておくと、自分で入浴しています。びしょびしょの羽をブルブルしたり羽づくろいしたりして、ちゃんと乾かせるようになれば一人前。いつまでも濡れネズミのままで、そのうち寒くなってガタガタ震えてくるようではだめです(そうなったらドライヤーで乾かしてやってね)。

7月24日(金) 10日目

食べたもの 基本食+キウィ+プラム+ダンゴムシ
観察 ・23日と同様になるべく自分で餌を食べるように仕向けるが、まだまだ口を大きく開けて催促する。基本食の水分を減らしてみる。
・時々ポケッーと口を開けて上を向いている。時にはそのまま眠ってしまうこともある。満腹の時に多い。
・初めて生きたままのだんご虫2匹を与える。ガツガツとすぐに食べる。
甘えるでない!


何なんだ……



 き

電灯の笠の上で 
表 情 
寝 姿 

7月25日(土) 11日目

食べたもの 基本食+プラム+トマト
観察 ・餌を欲しがって鳴いたときに、餌箱のみを置いて放っておく。餌箱は2個。
○ 基本食+ミルワーム
○ 果物
しばらくは口を開けて催促しているが、待ちきれなくなったとみえて果物をくわえる。振り回して飛ばしてしまう。落ちた果物を恨めしそうに見ている。しかし続けて次の果物をくわえる。2〜3個飛ばした後、上を向いて飲み込めた。少し大きすぎたようなので5o角程度に小さく切り直す。今度は2個に1つくらいは口に入るようになる。基本食の方は興味を示さず果物ばかり食べる。
・午後になるとだいぶ上手になってきたが、基本食はくわえても振り回して全部飛び散らせてしまうのでさし餌してやる。
・夕方、試しに基本食に果物を混ぜて餌箱を1つにして与えてみる。果物だけをより出し、振り回して果物についた基本食を全部飛ばしてから食べる。
・果物を全部食べてしまったが放っておく。しばらくしてお腹がすいたとみえて鳴いたが、知らん顔をしていると、餌箱に行き基本食を食べる。ミルワームも器用に食べている。
・夜になる頃には完全に何でも自分で食べるようになってしまった。時々新鮮なものに変えてやるだけでさし餌はもうしなくてもよさそうである。 
・口を開けてポケッーとすることがなくなってきた。
・体重    60グラム
・尾羽     5センチ









子供と同じ。美味しいものを知ってらっしゃる



重 の 測 定 尾羽根の測定
布袋に入れて体重を測定します。 尾の付けね(尾脂腺のすぐ後ろ)からさきっぽまでを普通に定規で測定します。

7月26日(日) 12日目

観察 ・食べ物の好みがはっきりしてくる。基本食にトマトや果物、ミルワームを全部ごちゃごちゃに混ぜて食べさせると、まずミルワームだけを全てほじくり出して食べてしまう。その後同じように果物や野菜を食べ、何もなくなると基本食を食べる。
・朝生きたミルワームを10匹、餌箱に入れて置いてみる。ガツガツと10秒程で空っぽになる。大好物のようなので、夜にも10匹与える。同じようにガツガツ。
・たまたま小さい蛾が鳥かごの明かりに吸い寄せられたのか、迷い込んで来たが、ドラ一発でキャッチ。
・自分で食べられるようになってきたため、うるさく鳴くことは少なくなった。しかし腹が減ると自然に声が出てしまうのか、「ジェ・ジェッ」とか「ジュ・ジェッ」と鳴きながら餌箱に顔を突っ込み食べながらでも声を出している。
・夜、結構たくさんレタスを食べた。
・鳥かごの床に敷いてある紙(糞集めの広告紙)をくわえて、引っ張り遊んでいる。
・鳥かごの外に出してやると、飛ぶだけでなく床を歩いていた。
 おまえ、基本食はしぶしぶ喰ってるな!






やりゃ出来るじゃん!






行儀が悪いのう……


7月27日(月) 13日目

食べたもの 基本食 
トマト+プラム+レタス
だんご虫×3 コオロギの幼虫×8 青虫×1 蟻×3   
観察 ・動き回る餌を自分で採る訓練の第一歩。まず、鳥かごの下の広告紙を取り除き真っ白な状態にする。そこへ2〜3匹ずつ虫を放す。虫たちは勝手に動き回っている。そこへドラを入れる。ジッーと見て小首をかしげていたが、それが餌だと分かったのか飛びつく。意外にすばやい。あっという間に食べる。ただ、蟻だけはしばらく食べるのを躊躇していた。ようやく1匹を食べた。するとこれも餌だと分かったらしく続けて2匹とも食べた。見つけられさえすれば簡単に捕まえられるようだ。
・虫を15匹食べてもまだ足りずにミルワームを追加する。実に大食いである。
・鳥かごから出すと上に飛ばず、下で遊んでいる。もっと飛ぶ練習をしなくては。
やっと時間がとれたので外でゆっくり狩りをしてくる。30分かけても15匹しか捕まえることができなかった。
 虫たちは勝手に動き回っているのではなく、必死なのだ!
 蟻は鳥かごを簡単に登って逃げ出すので見張るのが大変。3人掛かりで追い返してもすぐに逃げ出す。
 今度は実際に地面や草の上でやらせてみよう


7月28日(火) 14日目

食べたもの ・基本食
・トマト+レタス+プラム+ブドウ
・蟻    
観察 ・鳥かごの外に出ると今までは照明の笠に飛んでいったが、行かなくなってしまった。ずっと人の後をくっついて回る。慣れすぎてはいけないのだが、こちらが必要最小限度の接し方をしているつもりでも勝手に懐いて来てしまうので困ってしまう。だからといって追い払うのも、かわいそうでできない。
・尾羽根がどうしても汚いと思ってはいたが、3本を残して他は全て真ん中から折れてしまっている。
・食べる量がどんどん増える。補給が追いつかない。






こういったときは相談しなくっちゃ


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