傷病鳥獣保護ボランティア


   短期里親の記録
     =「ドラ(ムクドリのひな)」編= 



        おいらがムクドリのドラ 

4 週 目


画像が多いので開くのに若干時間がかかります。



8月 5日(水) 22日目

食べたもの ミルワーム+メロン+蛾たくさん
観察 ・初めて屋外訓練に連れ出す。ドラにとっては(赤ん坊のとき以来)の屋外の景色にキョロキョロと落ち着かない。ベランダから眺めるのとは少々勝手が違うようだ。大きなケヤキの木の根元に蟻の巣があり、たくさんの蟻が出入りしていたので、そこに鳥かごを下ろす。一度地面に降りたが、土の感触が気に入らなかったらしく止まり木に止まったまま降りようとしない。5分ほど待ってみたが蟻を欲しそうな目で追うものの積極的には捕獲しようとはしない。ピンセットで挟んでやればうまそうに食べるし、たまたま目の前の金網を上ってきたヤツはヒョイと捕らえて食べる。そして地面のも「欲しいよ」というように覗いては、私の顔を見て、ピーピー鳴く。
 そこで一計を案じ、止まり木をはずしてしまう。ドラ、必死に金網にしがみつく。が、何分も持つ筈がなく、下の地面に落ちてしまう。すぐさま飛び上がり、天井に噛みついて必死にぶら下がろうとする。少々かわいそうになるが、心を鬼にしてそのまま見ている。そんなことを何度か繰り返していくうちに、突然慣れたのか、意を決したのか、猛烈な勢いで地面で蟻を食べはじめた。こうして30分ほど屋外訓練をしたのち帰宅する。
 疲れたとみえて、直ぐに居眠りをコックリ、コックリ……、船を漕いでいる。
体重  70グラム
 早朝に行ったのだが、「何の鳥ですか」と3人も聞かれる。どの人も口を揃えて「大変ですね」と。全然大変だとは思っていないのに……


野 外 訓 練
餌はどこだ? 蟻は大好物 草むらで


8月 6日(木) 23日目

食べたもの ミルワーム+メロン+蛾+その他の虫
観察 ・餌を自分で採れるようになってから、昼間あまり鳴かなくなったことに気づく。ただ、急に顔を見せると一応一声出す。また、餌を補給しているときだけはずっとうるさくわめき続けている。
・外へ出したとき、ずっと下にいたが、最近また上の方へも行くようになった。人の後ばかり追わず、あちこち自分で飛んでいる。
・今日は特に念入りに水浴びをしている。暑かったのか、何度も何度も入っている。
・今日の屋外訓練は最初から止まり木をはずしてしまったせいもあり、スムーズ。置くとすぐにアリを追い回す。たらふく食べる。



少しずつ野生の本能が戻ってきているのか。この調子で人の手を離れてくれればよい。ちょっぴり寂しいけれど……


coffee break 6
◎センターの仲良し獣医さんより

▽ムクドリは群で生活する・・・
 確かにそうですよね。ただいつ何時も群かというとそういうわけでもなくて、日中ではわりと単独で活動している姿もよくみかけます。でもまあ、数羽単位で原っぱを餌探ししているのをよくみかけるかな。大きな群になるのは夕方、ねぐらに帰るときなどですね。小さい群はどうも家族らしい、ということを聞いたことがありますので、あと1羽でも兄弟がいればよかったのかなー、とも思いますが、性質的に他者は群から排除するというものはもっていない鳥ですから、割とどさくさにまぎれて群に入れるようです。センターでも出来るだけ外で餌探ししているムクドリがいる時に、その近くで放したりしています。ギャーッと声を上げて放野した子が飛ぶと、その声にびっくりして外にいたムクドリ達が飛び立つ・・・そうなるとしめたもので、そのまま混じって飛んでいってしまいます。もちろん、その後について追えることはできませんから、うまくやっていけよ、と祈ることしかできないのですが。


8月 7日(金) 24日目

食べたもの ミルワーム+メロン+蛾+だんご虫+コオロギ
観察 ・今日の屋外訓練は、草地にする。短い雑草が生えているところに、草に隠れるようにあらかじめミルワームをまく。その上にドラのカゴを置くとあっという間にミルワームを探し出す。草をカパッと口で分けて探している。たまたま、ごく小さな尺取り虫がいたので、見つけられるかどうか見ていたら、しばらくたってちゃんと見つけた。その他にもコオロギ、蟻、ダンゴ虫などを捕ってきてやったら、上手に食べている。ちょっといたずらをして、弱った蝉を鳥かごの中に入れてみた。ドラが近づき、つつくと、バタバタと蝉が羽ばたいたのに驚いて飛び退いた。その後は近づこうとはしなかった。
・飛行機が上空を通る。ドラ、仰向けになってずっとその姿を追っている。
・鳥かごから出たいらしく、盛んにバタ付く。扉を開けるとすぐにさっと飛び出す。捕まえようとすると、スルリと逃げる。だんだんと野生の本能が戻ってきているのか。













よい傾向だ


成  長

2日目 25日目


8月 8日(土) 25日目

食べたもの ミルワーム+メロン
観察 ・今日は雨模様のため屋外訓練はできなかった。だからベランダで水浴びをさせた。気持ちよさそうにバシャバシャ……。終わった後はさかんに喉の奥から絞り出すような声で唄っている。
・8月10日から15日まで留守にする。その間ドラをどうするか。もうだいぶ一人立ちできるようになってきているので、ここから放野(放鳥)させてもよいかと考えたが、やはりもうしばらく時間が必要であろう。餌はそれなりに毎日対応する方法はあるものの、5日間、昼間誰もいないところに閉じ込めておくのは不憫である。だからセンターに返すことにする。センターには広いゲージがあり、家庭では最も困難な訓練である飛行ができる。





致し方ない
明日、一時センターへ戻す


8月 9日(日) 26日目

食べたもの ミルワーム+メロン
観察 ・午前、保護センターに預けに行く。幸いにベテラン職員の方に会うことができた。やはりもう少し時間が必要とのこと。新参者(鳥)には鳥の中でもいじめがあり、必ずしもケージの中は居心地がいいとは言えない場合もあり、とりあえずは鳥かごで世話をするとのこと。今後のことはドラの状況により、センターでの訓練が必要であればこのままセンターで育成する。また里親でやっていけるようであればまた引き受けることにする。



 人の思いでなく、ドラの状況で判断することが原則


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