傷病鳥獣保護ボランティア


   短期里親の記録

    =「ドラ(ムクドリ)」編=
 


    おいらがムクドリのドラ


8 月
 



画像が多いので開くのに若干時間がかかります。


 2週間余り、家族の夏休みなどで家を留守にする関係上、ドラを保護センターに一時預かり願っていましたが、8月23日(日)に自宅へつれて帰ってきました。残念ながら放鳥はまだ先になりそうなので観察記録を再開したいと思います。


8月23日(日)
 2週間ぶりにドラと対面。元気そうだが、顔も見ても名前を呼んでもキョトン。いずれ野生に返すのだからこれでよいのだとは思いながらも何か拍子抜けする。それでも鳥かごごと膝に抱えて帰るうちにだんだんと思い出したのか、盛んにわたしたちの指をつついて遊んでいる。

 保護センターでは柵付きの大部屋があって、飛ぶ練習ができるのだが、最近イタチか何かが入り込んだらしく、数羽怪死した鳥がいるとかで、用心のため鳥かごの中に入れっぱなしになっていたらしい。羽根が鳥かごの底に落ちいてることも気になるが、それに対して苦情をいうつもりは毛頭ない。
 私もボランティアとして手伝っているので世話がどんなに大変なのかはわかっているつもりだ。数多くの鳥や獣たちをわずかな数の職員とボランティアで世話をしているのだ。まして2時間おきにさし餌してやらなければならないヒナもたくさんいるとなれば、ドラのように自分で餌をついばみ、怪我もしていない鳥にはそれほど手をかけていられないのだ。職員やボランティアの方々に感謝である。

 帰宅し早速鳥かごから出してやる。でも飛べない!
地上30pの短距離低空飛行である。2週間飛んでいなかったので筋肉が落ち、筋力が弱ったのか。いや、そういうことではなさそうだ。懸命に力強く羽ばたいているのだが、上がることができないのである。捕まえて羽根を広げてみると両翼とも風切羽根が数本ずつ折れてしまっている。それに抜けてなくなっている。よくセキセイインコを手乗りにするために翼の目立たない部分を切って飛べなくしてしまうことがあるが、ちょうどそれと似た状態である。これでは飛べるわけがない。鳥かごの中で暴れて傷ついてしまったのであろうか。あるいは何かの理由で自分で抜いてしまったか、それとも抜けてしまったのか……

 すぐにでも放野できるのではと思っていたが、これでは無理である。しばらく時間がかかるであろう。家でまた毎日飛行訓練させれば、そのうちに以前のように好きなように飛べるだろう。気長に見守ってあげたい。

食事 : ミルワーム スイカ
体重 : 70グラム
両方の風切羽根が折れて、抜けてなくなっている
羽根は惨めな状態だが、食欲と好奇心は旺盛 催眠術にかけられたドラ
再び伸びてきた尾羽根


8月27日(木)
 葡萄を与えると中身より皮の方を好む。人間様にとっては都合がいい。しかし余りたくさんは食べない。やはりミルワーム中心の食生活である。

 今日は水入れを入れてやったのに水浴びしようとしなかった。毎日欠かさずやっているのだが、天候が悪いせいか今日は水を飲むだけだった。

 パソコンデスクの上まで飛び上がれるようになった。約1.3メートル。

食事 : ミルワーム トマト 葡萄の皮


8月28日(金)
 今日は所用で一日中外出するため、留守番の末息子にドラの世話を頼んで出かける。夜帰宅してビックリ仰天。ドラの鳥かごの中一杯に分厚い絨毯のようにトマトが敷き詰められ、その水分でぐしょぐしょになっている。それに鳥かごの回り1メートル四方にわたってトマトと水で悲惨な状況。
 息子、トマトをきざむのが楽しかったらしく、餌入れ容器がすぐにカラになるので、おかわりをしたと思って、5回も、そのたびに餌入れ容器山盛り一杯トマトを入れてやったという。
 ドラは食べるときに嘴で振り回し、たたきつけ、そこら中に散らかすクセがある。だから入れてやっても直ぐに餌入れ容器をカラにしてしまうのだ。また切り方が大きかったためにうまく飲み込めず、小さくしようとして余計に振り回したらしい。
 いやはや壮絶な状況であった。

 ドラの腹具合が心配であるが、見たところではいたって元気そうだ。とにかく掃除をするために鳥かごの底を外し、新しい広告紙を敷き、その上に鳥かごの上部だけを置いておく。ところが掃除を終わって鳥かごを覗いてみると広告紙の上にいくつものトマトの切れっ端がある。トマトは全部取り除いた筈なのにおかしいと思ってよく見ると、それは全てドラのフンである。トマトの混じったフンなどというものでなく、トマトそのものが出てきているようだ。それもかなりの量である。ますます心配になるが、まだ餌をねだるのでミルワームを与えるとガツガツとよく食べる。どうやら何ともないようだ。

食事 : トマト(大量) ミルワーム


8月29日(土)
 朝一番でドラの様子を見るがいつもと同じように元気なので一安心。フンには少しトマトが混ざっている程度である。ミルワームを大量に食べる。

 果物・ミルワームもよいのだが、何とかマイナーフードも食べるようになって欲しいと思い、思いっきりお腹をすかせて与えてみることにする。水浴び、日光浴が終わるといつもは直ぐに餌を与えるのだが、今日は敢えて1時間ほど待たせる。ピーピーと鳴き出したところでマイナーフードを与えると1粒だけ食べる。あとは空のミルワーム入れ容器の前で人の顔を見てピヨピヨねだる。いつもだとそこでミルワームを与えてしまうことになるのだが、もう一度マイナーフードだけを与える。すると仕方なさそうな様子でしぶしぶ食べ始めた。この調子で少しずつマイナーフードも食べられるようにしたい。

 鳥かごの外に出すと今日は結構たくさん飛んだ。まだまだ野生のムクドリの素早さとは比較にならないが、保護センターから帰ってきたころに比べると進歩してきている。

 なんと今日もトマトを食べた。お主、懲りてないようだな……


8月30日(日)
◎ドラの好きなこと
 テッシュで遊ぶこと
   柔らかく軽くフワフワしているので嘴で振り回している。それにちぎれるのでそれも
  気に入っているようだ。ほとんど食べはしない。
 頭に止まること
   飛んでいるとよく止まる。巣と勘違いしているのかも?しかし、パーマやウエーブが
  かかっているわけではない。ただパソコンに向かって椅子に座っているときが大部分で
  ある。
 足の指と指の間に嘴を押し込むこと
   ここによく嘴を押し込んで開こうとする。夫がタイミングをはかり、押し込んだ瞬間
  に力を入れ絞めたら、もがき慌てていた。

◎ドラの嫌いなこと
 掃除機の音
   極端に嫌い、暴れ回る。恐怖心があるのか?何故かはわからない。
 周囲で急に動いたもの
   夫の肩に止まっていたとき、急に振り向いたらいきなり騒ぎだし、耳たぶに噛みつい
  たことがある。夫は痛いのを我慢して繰り返しやってみたが同じように騒ぎ耳たぶをつ
  つきまくられた。寝っころがって足をブラブラさせていると、威嚇的に足の指をつつく
  ことが多い。
おいら、ちっとばかり小首を傾げて、
     左顔のポーズが一番カッコいいんだ



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