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傷病鳥獣保護ボランティア


   短期里親の記録

    =「ドラ(ムクドリ)」編=
 


    おいらがムクドリのドラ


9 月
 



8月30日(日)〜 9月 5日(土)  9月 5日(土曜日)

◎水浴び

 水浴びの容器が小さいように思えたので替えてやりたいのだが市販のものはみな小さい。家にあるもので探すが、鳥かごの戸口から入れられて、しかも今の器より大きいとなるとなかなか適当なものが見つからない。ようやくバターケースに落ち着く。水を入れてやると、水は直ぐに飲んだものの警戒してか、なかなか入らない。今までは止まり木のすぐ下に掛けてやっていたので止まり木からスッと入れた。しかし今度は鳥かごの下に置く形となるのでいったん下に降りてから縁に乗り、そこから入ることになる。そんな違いのせいかグルグルと周囲を回るだけで10分ほども達ってしまった。これはダメかと諦めかけたころ、ようやく思い切ったように水浴びを始めた。今度はちょうどよい大きさでシッポの先までスッポリと入る。ドラもこれは入りやすいと分かったのか何度も何度も浴びていた。これで一安心かと思ったが、なぜか次の日はグルグルと回るだけでとうとう入らなかった。3日目の今日はやはり回りをグルグルしていたが、5分程で水浴びを始めてくれた。
 人の感覚では秋の季節であり、水浴びどころではないが、ドラにとってはどうなのだろう。

◎異食
 昨日の夜、ドラが2〜3度咳き込んだような仕草をしたと思ったら、カッーと黄色い細長い紐状のものを吐いた。ミルワームの絡み合ったものだろう程度に高を括っていたが、よく吐いたものを覗いてみると、なんと輪ゴムであった。鳥かごの外に出したときに飲み込んだのか、それとも鳥かごのそばにうっかり置き放してしまったのか。これは家族の重大なミスである。そのまま飲み込んで腹の中で詰まりでもしたら命取りになることがある。気を付けなければ。

◎植物
 以前は鳥かごの外に放しても部屋にある観葉植物のところには行かなかったのだが、最近ついにそれらに止まるようになった。そして私が大切にしている植物の新芽を狙って食いちぎる。これはきちんとしつけるしかない。そう思い、それらに止まるたびに「コラッ」と声を掛け手で払うようにした。2〜3回繰り返すと行かなくなった。覚えが早い。さすがドラだと感心し、他の部屋に行く。戻ってきて様子を聞くと私の姿が見えなくなるとやはり行くらしい。怒る人がいなくなると悪戯をするなどというのは賢い証拠ではあるが。
 しかし1日だけのこと。現に今はこの原稿を書いている今も植物のところに行っては夫に叱られている。

◎羽根
 新しい羽根がどんどんと伸びてきている。腰回りの純白が目立つようになった。尾羽根もだいぶ長くなってきた。ここにもところどころ純白が交ざる。もうすっかり以前と同じ高さまで飛び上がり、自由に飛び回っているがスピードだけはまだ遅い。いかにもモタモタという感じである。

◎食べ物
 以前にも書いたようにマイナーフードに慣れさせようと思い、腹を空かせてから与えることを繰り返していたらすっかり慣れて食べている。ただこの餌は3〜4時間もすると臭うようになってくるので、少しずつ与えてこまめに取り替えなければならない。それがちょっと手間であるがバランスのとれた栄養食なので食べてくれるとありがたい。それにミルワームと果物・野菜がこのところの主なメニューである。最近忙しくて虫捕りをさぼっているが、手が空いたらコオロギでも捕まえに行こうと思っている。
成   長
7月15日 9月 1日


9月 6日(日)〜 9月12日(土)

◎危険性

 ムクドリは生き餌を食べるので嘴が鋭く尖っている。つつかれると思っている以上に力強いし、かなり痛い。観葉植物から追い払うときとか、急に動くものに対して攻撃的になることがあり注意が必要である。事実、夫の手はつつかれて傷だらけである。夫の場合は遊びの要素があり、つつかれることを前提としているが、子どもには注意すべきである。特にかわいさのあまり、つい顔を近づけると人のまばたきに反応して、目をつつくおそれがあるからだ。

◎他の生き物に対して
 ムササビむー太がわが家にやって来た日(9月9日)、ムササビにミルクをやった後に続けてドラを鳥かごから出したら興奮状態となり、人間の体の突つきまくる。獣の匂いに反応したのだろうか。
 10日、ドラとむー太を同時にかごから出し、どう行動するか見てみたが、ドラはむー太の様子を10分ほど、部屋の中を飛んだり近づいて見たりしていたが、そのうちむー太の近くに来て、じっーと様子を伺っていたが、そのうちむー太のしっぽを突然突つき出したのでむー太が驚き怖がった。同時行動ここで終了。むー太は突つつかれるまではポカーンとして状況が掴めなかったようだ。
 土曜日になると、慣れか、ドラも興奮したりとか特別な行動は示さなくなった。


◎ 懇意にしていただいている獣医さんより  9月11日(金)

 9月中には放野したいですね。まだ虫もたくさんいるし。沢山食べて冬をむかえないと・・・。(保護センターでは)水浴びはバンバンしてたし、虫も自分で捕れるし、問題は飛翔力だけだと思われますので、それさえクリアできたらお天気と相談していい日旅立ちをしましょう。上へ飛べると言っても足のジャンプ力だけで飛び上がってないか、飛んでいて方向転換できるか、ムクドリにホバリングをしろというのは無理だけど、少なくとも翼の力で体を支えて浮いてるかどうか、をみてやってください。


ムササビむー太と向き合うドラ


9月13日(日)〜 9月19日(土)

 ドラは抜けていた毛もすっかり綺麗に生え揃い、上手に電気の傘の上に飛んでいく。部屋の中を何周もグルグル回ったりする。もういつでも放野できる状態だと思っている。しかし、仲間のいるところで放野したいので、今、場所を検討中である。

 人の手や顔にとても興味を持つ。特にパソコンのキーボードの上で動かす手が気に入っているのか、嫌いなのかは分からないが、とにかくキーボードやマウスに手を乗せると大騒ぎをする。時にはドラ自身がキーボードの上を走り回り入力していることもある。

 胸や肩に止まって口やほっぺた、はては鼻の穴までこじ開けて覗こうとする。時々摘んで引っ張るから痛いの何のされは……

 鳥かごから出すと飛び回ったり素早く動くので、なかなか捕まえることができなくなった。鳥かごに戻すとき、一苦労であったが、一考を案じ、全ての電気を同時に消し、捕まえることにした。


◎ 懇意にしていただいている獣医さんより  9月14日(月)

 ムクちゃん連は繁殖を終えましたので、大きな群を作っての生活に入っているはずです。数羽単位の群で人家近くをウロウロするライフスタイルから、今は虫も果物も豊富ですから、生活圏が移っているのだと思います。フィールドスタッフの方のお話では、かえって今位の方が大群を作っているから、小群に入って行くよりも入りやすいのでは?ということでした。夕方、ねぐらに一斉にかえるため、数百〜数千単位の群を見かけられると思いますから、その群の通り道や行き先をチェックしておいて、昼間まだ明るいうちにその辺りで放してやれば、自分で入っていけるのではないかな、とおっしゃっています。
 センターのうらでもかまいませんが、センター周辺のグランドも、今はムク連はやってきていませんので、やっぱり群待ち状態にならざるを得ないと思います。


◎ 懇意にしていただいている獣医さんより  9月16日(水)

 もう9月も半ばですね〜。できるだけ早く放野して〜っっというのが正直なところですねー。ムクドリはけっしていなくなったわけではありません。生活圏を少しずらしただけ。気づかないだけでわりと近所の雑木林や、低い山にいるんですよ(野鳥の会の人ならよく知っていると思う)。夕方、群がかえってくる場所をみつけられれば一番いいと思うけど、そうでなくてもある程度安全な場所(カラスや猫が多くない場所)であれば、すぐそこに群がいなくても大丈夫ですよ。心配のあまりずっと群待ち状態を続けるようだと、これからますます夕暮れは早くなるし、虫も少なくなるし、長く手元に置いておけば置いておくほど、人慣れ(手乗り鳥のようになつく、ということではなく、人と距離をとることができなくなる)は進みます。放野後、結局はドラちゃんがかわいそうな思いをする確立が上がるだけですから、思い切りをつけて下さい。
 絶対安全に、絶対確実に放野する、というのは実は出来そうで出来ないことです。我々がしてやれるのは出来るだけ安全に、出来るだけ確実にというレベルにしかすぎません。里親さんにとってみればなかなかふんぎりがつかない作業が放野だと思いますが、これを乗り越えていただかないと・・・。 どんなに長くても今月いっぱいまでには、放してやってくださいね。


9月20日(日)〜 9月23日(水)

◎放野

 ドラの放野を9月23日(水)に決める。この辺は鬱蒼とした小山が結構あり、そこを場所とする。

◎放野延期
 22日の風雨はおさまったものの今日23日は曇り空。夕方からはまた雨模様の天気予報です。放野は延期せざるを得なくなりました。


◎ 懇意にしていただいている獣医さんより  9月22日(火)夜

台風、抜けてくれるといいのだけど、天候が回復しないうちは放野はしないようにね。雨、風はあの小さい体には脅威ですから。


◎ 懇意にしていただいている大ベテラン鳥獣保護のおかあさん
  9月22日(火)夜


ドラちゃんは明日放野する予定なの?
なんか当分お天気良くないみたいだから、もう少し待った方がいいかも。無理して出してしまうと、あと気になって気になってしょうがない。これほんとです。経験者は語るです。雨なんか降っちゃうと「あー、大丈夫かなー、濡れてないかなー、もう少し待てばよかったなー。」といつまでも悔やむものなんですよ。「はやく、はやく!」とせっつかれているわけではないなら、もう十分というまで待ってみたら?その方が絶対すっきりすると思う。


9月24日(木)〜 9月27日(日)

◎放野延期
 23日に放野する予定でしたが、天気が悪く27日(日)に延期しましたが、今日、26日(土)は朝から曇天。夕方からポツポツ降り始め、午後9時には本降りになってしまいました。この状況だと明日も無理だ。

◎ドラの行動
 ここ1週間鳥かごの外に出ると、興奮状態になる。特にパソコンに手を乗っけると、激しく突つく。手が傷だらけだ。またキーボードの上を走り回る。一度キーに躓き、こけた。手が気になるのか、かまってもらいたいのか。それとも自分の立場を事前に感じているのか……

◎再度放野延期
 27日(日)、朝からどんよりと曇り空。昼前からポツリポツリと降り出し、午後には本降りとなる。放野は無理だ。週間予報では当分は秋雨前線の影響で、ぐずついた空模様が続くとのこと。こうなればタイミングをはかり、放野するしかない。


パシャマを引っ張り、関心をさそうドラ 生えそろった羽根


9月28日(月)9月30日(水)

◎28日(月)
 天気予報の通り、はっきりしない天気。曇天、時々雨が落ちてくる。朝は結構肌寒い。とても無理である。太陽が恋しい。
◎相変わらずの天気が続く
 天気待ちの状況が続いている。29日、30日とぐずついた天気である。天気の合間をぬって30日は水浴びをさせてたが、盛んに浴びていた。



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