八海山で八海山を呑もう!登山行


何年か前の初秋、居酒屋で横田隊員と冷酒を呑みながら、今年の秋はどんな旅に出かけるか?などと話していた。
最近何とも普通の旅が多いな、オートキャンプで呑んで食ってそろそろ話題が尽きてきたな〜。

などと、まさに正しい野外生活団の正しくない軟弱ぶり反省会になりつつ、まぁ景気付けにと普段口にしたらバチが当たりそうな
銘酒「八海山」を呑む事にしたのである。口当たりが良くさすがにうまい!越の寒梅のフルティーさとは違い、
男の飲むうまい酒という感じがして好きな酒なのである。まさに正しい銘酒「八海山」なのである。

八海山は山と付くだけあって山だよな?と酔っ払いの訳の分からない戯言のような話から
「よし!八海山に登り頂上で八海山を呑もう!」と言う事になったのである。ほとんどダジャレのような思いつき旅なのだ。

その日からネットで情報収集したわけだが新潟県にある日本200名山にもランクされている立派なお山らしい。
確かにあれだけの銘酒に付けた名前なんだからさぞかしご立派なのだろう。

事前に八海山のルート等を研究すると八海山は、昔から修験道の山、信仰の山として知られ駒ケ岳、
中ノ岳と共に「越後三山」と呼ばれ、駒ケ岳が日本百名山で八海山と中ノ岳は日本二百名山である。などと書いてある。

八海山の由来はゴジラの背中のような八ツ峰(地蔵岳、不動岳、七曜岳、白河岳、釈迦岳、魔利支天岳、剣ヶ峰、
大日岳1720mからきている。そして最高峰の1778mの入道山が八海山の頂上である。

                
しかも…、クサリや梯子が連続した岩峰で、『熟練者向き』とも。

今回はロープウェー登山ルート(ロープウェー山麓駅→八ツ峰・大日岳まで、所要時間約 3時間 20分)
ロープウェー山麓駅〜10分〜山頂駅(4合目)〜1時間10分〜女人堂(6合目)〜1時間00分〜千本檜小屋(9合目)〜
50分〜八ツ峰(大日岳)の行程の山行なのだ!ロープウェイがあるところはありがたく使わせてもらうのである。

いよいよ八海山に向けての旅が始まったのだ!新潟に向けて高速を飛ばす!
今回の旅は八海山de八海山なわけであるからしてこちらから八海山を持参しては八海山に失礼と言う事で現地で
八海山を手に入れて八海山に挑む事にしたのだ。こうして八海山話がちょっとしつこくなってきたわけである。

まぁ、地元ならコンビニでも普通に売ってるだろうと、たかをくくり鼻歌交じりで真夜中の高速で新潟に降り立った。
今回の山行の食料は銘酒『八海山』に失礼のないように豪華にいこう!!!ってことで八海山の近くの
セブンイレブンに立ち寄り買出し!サトウのご飯と火にかけるだけでOKのすき焼き!しかも玉子つきなのだ!
我々の登山食としては何とも素晴らしい!!これで銘酒『八海山』を迎え入れる準備が出来たのだ。

今はこうして真夜中の風来坊が腹をすかしても天下のセブンイレブンが待っててくれるのだ。素晴らしく便利な世の中なのである。
そう言えば昔は名前のごとく朝7時〜夜11時までの営業だったな。それでも感嘆の声をあげていた訳であるが、
今は24時間営業が当たり前なのだ。そろそろ改名してはどうだろうか?24時間営業であるから「セブン、セブン」
「イレブン、イレブン」いや、「ナイン、ナイン」……まぁそんな話はどうでもいいわけであるのだ。

さて!いよいよ銘酒『八海山』の登場!!心の中でファンファーレが鳴り響く!!……と思いきや…

お〜!!見て!見て!我らの地元の銘酒『一人娘』がこんな所に売ってるではないか!横田隊員と感激の声をあげた!
喜びも束の間、どこを探しても八海山がないのだ。我らが『一人娘』に喜んでる場合ではないのである。八海山のふもとの
コンビニに八海山が置いてないのは、かなりの事件だ!天下のセブンイレブンが……まさに正しくない出来事に我々は
立ちつくすのである。さすがに我らが『一人娘』では今回の旅の目的が達成できないのだ。    

目的はあくまでも『八海山で八海山を呑もう!』であって『八海山で一人娘』では演歌のタイトルなのである。
悲しいメロディーが流れてきてしまうのである。それはまさに正しくない事なのだ。

八海山ロープウェイの駐車場にたどり着き聞いた事のない純米酒でとりあえず旅の前夜の祝杯をあげる。
複雑な気分で車内で仮眠をとる事にする。