霧多府は友情の岬


北海道に入るのに苫小牧までフェリーで行くのが一番気に入ってる。
船旅はなかなかいいものだ。日頃の時間の流れと違い、ゆったりと時間が流れる。加山雄三ではないが青い空、白い雲、
コバルト色の海、その海を白い船が切り裂いて進んでいく。白い泡を見ていると、それだけで何もかも忘れさせてくれる。
デッキチェアーにもたれてビールを飲む。旅の始まりには最高のシチュエーションだ。

たいてい、苫小牧に着くのは夜になってしまう。いつもは苫小牧駅に直行するのが常だが、働くようになってから初めての
北海道。今回は贅沢?にもビジネスホテルに泊まることにする。ホテルに着くとシャワーを浴びとりあえずビール。
何はなくてもビール。サッポロビールを流し込む。

寝る前にホクレンの地図を開く。ホクレンは北海道内一番多いと思われるガソリンスタンドだ。そこでは北海道内の
地図がもらえる。またバイクツーリストがなびかせて走ってるあの旗、定番のスタイルになってるが、ホクレンでもらった物だ。
とにかくこの地図は便利。細かい情報を手に入れることが出来る。

地図を広げ、苫小牧、日勝峠、帯広、釧路、霧多府と目で追っていく。いつものルートで、もう5回ほど走っていてあえて
チェックする必要もないが旅の始まりの儀式の1つでもある。このルートはかなりの距離がある。あくまでも霧多府まで
行くための行程だ。と言うのも何回も北海道に来ると、部分的にゆっくりしたくなってくる。個人的には道東が好きだ。
だから途中の行程を省略するために、ひたすら走ることなる。

次の日起きると雨が降っていた。いつものことだが最悪の気分になる。2ヶ月も旅した学生時代であれば連泊を決め込み、
本を読んだりして過ごすのだが今回はそうも言っていられない。決死の覚悟で出発。

日勝峠、帯広と雨の中ひたすら走る。釧路の手前で雨がやんできた。
釧路といえば、和商市場が有名。北の美味い物がなんでも揃うので、いつもの買い出しスポット。夕方近くなので物が
少なくなっているが、かなり安く買うことが出来る。イカ刺し用イカ、ホタテ、その他諸々を買い込み。今晩の酒の肴とする。

今日は地元から来ている弟分、哲也と待ち合わせだ。彼も単独で道内を旅している。日にちを合わせて霧多府の
岬キャンプ場で落ち合うことになっている。果たして無事たどり着いているだろうかなどと考えつつ霧多府を目指す。
霧多府には夜7時ぐらいにやっとたどり着いた。
北海道編へ HOME 次ページ