2017/01/23:renewal
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『仕事の進め方 ―応用編― 』


《会社の実力の読み方_T》
  目  次  
  1. 伸びるグループ/伸びる会社
  2. 倒産する会社/危ない会社
  3. ダメ会社はこんな会社
  4. 組織崩壊・滅亡のパターン
  5. 優位性を保つには/滅亡回避
  6. 企業変身・異業種進出
  7. 企業の体力を見る
  8. 現在と、ちょっと先の企業の体力
  9. その企業の将来予想
 《 内   容 》 
【伸びるグループ/伸びる会社】
『超優良企業の条件』
@行動の重視
A顧客密着
B自主性・企業家精神
C人を通じての生産性の向上
D価値観に基づく実践
E基軸から離れない
F簡素な組織
G厳しさと穏やかさの両面を持つ
 T.J.ピーターズとR.H.ウォーターマンの共著「エクセレント・カンパニー」(講談社刊)では、超有料企業の条件として上記の8項目をあげています。

合致条件
  1. 目標達成システムが徹底している
  2. 雰囲気がよい
  3. 戦略的なネライがよい
  4. 失敗を許容する組織である
  5. メンバーの精神姿勢が高い水準にある
  6. 戦略的統一性が保たれている
    @心がふるえ立つ状態に統一、集中されている
    A部、課レベルでの基本方針が明示されている
    B戦略に合わないものは断固として排除する
  7. 戦略的に考えて、重要度の低い仕事をしている人は少ない
  8. 傑出したリーダーが存在する
  9. 反対意見が自由に言える土壌である
  10. 形式抜きの活発なコミュニケーションがある
  11. 情報を広く全員に知らせる(秘密主義でない)
  12. 文書の氾濫がない
  13. 分権化が進んでいる
  14. 官僚主義でない
  15. 戦術レベルでの自由度、民主制が保たれている
  16. 戦術面での各人創意工夫の水準が高い
  17. 連携能力、相互補佐機能の水準が高い
  18. 従業員を大切にする
  19. 当面対処(戦術的活動)と基盤づくり(戦略的布石)のバランスがとれている
  20. 企業家精神が助長される風土である
  21. 組織の肥大化がない
要約
 企業を見るとき、とくに大企業や複雑な組織の場合に重要視するのは、「目標達成法」です。大きい企業が経営を持続するにはこのシステムの構築は欠かすことは出来ないからです。そして、企業は、大量の顧客ニーズを適切に充当しなければなりませんから、明るい雰囲気、電話の応対や受付が親切、整理整頓などが行き届く必要もあります。

 伸びている企業や、健全と言われる企業は、顧客ニーズと戦略はつねに一致しております。ニーズを充当させるための商品開発・技術開発には、大きい努力を払っています。ですから、責任感をもってすぐ実行する「進取の気性」が行き渡っているため、挫折にもめげず、議論がすくないのも特徴の一つです。永久企業といわれるところには、ハッキリしたビジョンがあります。その共通性には、「主体性の尊重、進歩発展、顧客の利益」があります。そして、安易な多角化や無節操なことはしていません。一貫した事業を継続しています。

 組織の活性について、政財界のご意見番としてつくされた土光さんは、「組織は上下のヒナ壇ではない、丸い円と考えよ」と、意見されています。風通しのいいコミュニケーションは、活性の元になります。ひそひそ話しは影を潜めますから、権限移譲は隅々まで行き渡ります。円卓主義になりますと、形式、形態が後になり、実際の行動が先行する人間中心になります。人間ロボットや人間パーツではありません。自主創造力、内部修正力、連携力の中心主義になるわけです。

 そのため、権威主義から人間性重視主義に必然的に移行するようになります。このとき、従業員は、利益追求主義の単なる資源ではなく、従業員の物心両面において、幸福・発展が経営の目的つまり戦略になっています。こうした組織になりますと、組織の不都合についてのストップは、ストップをかける側が、具体的に証拠を提出しないと、ストップできなくなります。生き物と同じように自己治癒力が育ってるわけです。それは、一体化した生物と同じ力を発揮できるようになったからです。
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【倒産する会社/危ない会社 】
合致条件

  1. 急激に膨張した会社
  2. 人の話を聞かない経営者
  3. メーンバンクのない会社
  4. 社員の考えがバラバラ
    @戦略統一が全くされていない、会社、部、課の基本方針が 全く示されていない
    Aセクショナリズムが強い
  5. 新技術、新製品の取り込みがきわめて遅れている
  6. 当面対処に追われ、基盤づくりをする余裕が全くない
  7. 粉飾決算をしている
  8. 活気のない社員が多い
要約
 まず、危ない会社は、設備・人員が急増すると、資金手当が引き締まりますから、余裕がありません。支払いの遅れ、仕入れ不順になると、担当者の業務意欲が低くなります。

 このとき、セクション間にまたがる仕事をカバーする意欲、仕事を成功させることが重要ですが、責任逃れから、「聞いていない」ことを手柄顔をしていうタイプの人がいる会社は問題です。「自分は聞いていないというのは危険である」(土光敏夫)
 経営は、中・長期的に見て、必要な手を精力的に打っていくことが重要です。ところが、危ない会社は、上昇気流のときはうまくいってますが、業界が不景気になると、仕事は、当て布みたいに、当座のしのぎ程度の手当しかできなくなります。ですから、たちまち失速状態になりやすい状態です。
 その結果、無理な資金繰りをしなければならなくなりますから、経営内容の公開は無理になって、経理上の秘密や複雑な会計処理をしなければならなくなります。つまり、信用がつかなくなります。手形のサイトが延び、主力銀行が変わる。経理担当者や社長の不在ががちになれば、益々危ない会社になります。

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【ダメ会社はこんな会社 】
 伸びるグループ、伸びる会社については、すでにふれました。逆に伸びない会社、だめな会社については、とくに外見上に現れた現象から判断しやすい項目をあげてみます。
合致条件

  1. 経営陣が真の問題を的確につかんでいない
  2. 不必要な社内規則が多い
  3. メーンバンクがない
  4. 暗い雰囲気
  5. 超ワンマン会社「後継者の育成を怠っている」
  6. 汚い会社「ゴミが落ちていても拾わない」
  7. 粉飾決算がある疑い
  8. 威張っている人が多い
  9. 電話応対が悪い
  10. ヒソヒソ話が多い
  11. 受付が威張る
  12. 就業中に新聞を読んでいる
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【組織崩壊・滅亡のパターン】
合致条件
  1. 規模の肥大化
    @戦略統一が困難
    A小回りがきかなくなっている
  2. 組織のコレステロールがたまっている
    @無駄な仕事をする仕組みになっている
    A必要以上に膨らんだ組織
    B貴族趣味の一般化;組織として負担が大きくなる
  3. 官僚主義、形式主義が支配
    @余計な規則でがんじがらめになっている
    A組織としてのバイタリティ、フレキシビリティがない
  4. ハングリー精神の喪失に対し
    @これしかないというセッパ詰まった気持ちが少ない
    A一旗あげてやろうという気持ちが少ない
    B攻撃的性格から守りの姿勢へ
    C追いつめられてからの転換の困難さ
    D戦略、目標の喪失
  5. 新技術への対応の遅れ
  6. 真に必要な人間と組織上余裕のある人間のアンバランス化
要約
 崩壊ルート、ダメになる道ってのは、何とかなるだろうという安易な気持ちです。背水の陣の覚悟が欠けています。自分をつねに安全なところにおいています。要するに、新しいものが生まれにくい体質に変わっています。旧来の技術に固執したため、技術の変換に取り残されてしまいます。同時に人材の教育が遅れますから、つぎつぎに連鎖反応が起こる状態に陥ります。
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【優位性を保つには/滅亡回避】
合致条件

  1. 希望の肥大化に対し
    @戦略統一;戦略の明示、上位戦略に基づく各部門、各人の目標の策定
    A小回り;戦術自由度が保たれている、分権化が図られている、独立採算化
  2. 組織のコレステロールに対し
    @無駄な仕事;つねになくすよう努力
    A必要以上に膨らんだ組織;常にスリム化に努力
    B貴族趣味の一般化:戦略の確認、人心一心
  3. 官僚主義、形式主義の支配に対し
    @余計な規則;規則の単純化、戦略的見地からの規則の必要性を検討
    A組織のバイタリティ、フレキシビリティ;管理組織を小さくする、戦略を優先させる
  4. ハングリー精神喪失に対し
    @安易な気持ち;個別に目標設定、分権化、独立採算化
    A一旗あげてやろうという気持ち;独立採算化
    B守りの姿勢へ;リーダー交代、目標設定
    C追いつめられてからの転換;攻撃目標の設定
    D目標の喪失;真にやり甲斐のある戦略の策定
  5. 新技術への対応の遅れに対し
    @旧来技術に固執;うるさ型の顧客接触、競合他社の情報収集、新技術を取り入れた事業展開をはかる
    A絶えず自己の限界に挑戦
    B自社の技術的限界を察知したら全く新しい技術の取り込みを試みる
    C相手を甘く見ない;油断はスランプのもと
    D競争相手がはい上がってきたときのために、次の手(次にたたくもの)を用意
    E相手に相撲を取らせない;先手、先手と攻めていく
  6. 真に必要な人間と組織上の余裕ある人間のアンバランス化;ローテーション教育の充実、未教育の人材を積極的に新規事業に投入(OJT)
要約
 「人はいつも不足気味にして置け」(土光敏夫)
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