ラジオの送信装置の内部で、雑音や空電妨害がときどき起こるのと同じように、受信装置であるラジオの内部でも、同じように、同じ障害が起こります。 管理者とは、情報発信の送信者でありそして、受信者でもあるのです。管理者が(命令を与えたり、情報を流したり、訓練を行うなど)メッセージを送信するときは、部下が受信します‥‥。つまり、メッセージが伝えられたことを理解して、受け入れます‥‥。そのときに直面する問題に、気をつけなければなりません。
意志伝達と言うのは、コミュニケーション情報を送受信するプロセスですから、部下が情報を提供してくれたり、悩みや不満を打ち明けたり、しているときは、管理者が受信者になります。
受信者の大きな「障害の一つ」は、大抵の人が本当に話しを聞いてくれないことです。
打ち合わせを記録した録音テープの、雑音の多さに驚いた経験があります。
(解決を迫られている)問題のことなどそっちのけにして、いま終えたばかりの役員会議のことや、週末に予定されているゴルフ大会のことなどに、考えが回転を始めます。 何故うわの空になるのか、と言うことについて、心理学者は、話す速度より考える速度のほうが何倍も早いからだと説明します。話し手が、話している間、聞き手の意志は話しの先の方向へいっている訳です。 ですから、話の仕方には、クライマックス法と、アンチクライマックス法があるように、じょじょに興味のある話をして惹きつける話し方と、最初から興味に惹きつけるように、テクニックを必要とします。
普通は、話し手の方では、相手側が、聞きたいことを話していると思った‥‥、と、錯覚して話を続けているときが多いのです。 他の考えが「聞き手」の心を占領しても、話し手は話しをつづけたとします。そこで、話し手が話し始めて、「聞き手」が心の中で終わらせて仕舞った話しが予定通り終わります。あるいは予定通り終わらずに話し続けて、新しい話しや考えがつけ加えられこともあります。
さて、そのとき「聞き手」はどうするでしょうか。聞き手は、要点を聞きもらして仕舞うことになります。
どうすればこのような傾向は、是正できるでしょうか。 会議では、話し手の声が単調にいつまでも続くと、気持ちがそれについていけなくなるものです。これは危険信号です。ですから、『そうならないように、話を良く聞く事です』。
また、会話では、言葉は聞いていても、その考え聞かない事がよくあります。 「聞くのをやめてしまうと、問題の解決が中途半端になり、話のかなりの部分を聞き損じてしまうかも知れない。良い聞き手は、自身の努力によって、うわの空になりやすいときを予測する」 つづく 一桁
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