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戦略経営組織論
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「会社の組織構造」PLORDICOCO

DI−Directing(指示)
 指示・・会社の組織構造は、実際に仕事を行う人間によって肉づけされなければ、まさに血の通わない、生きていても精神のない身体と同じになります。
 そのため、従業員にたいする優れた指示は、各種職務の義務と責任を果たしうる従業員の適切な選択から始まります。人事管理は従業員の人選によって定まります。

「適材適所」を実現するには、仕事を慎重に分析し、その仕事を成功させるにはどんな要因が必要かを、はっきりさせます。それから、適任者の補充、人選、訓練を段階的に行います。何れにしても、部下に命じたり、部下が最高の能力を発揮出来るように、意欲に対して動機づけを行ったりするプログラムは、首尾一貫しなければならないでしょう。

 つぎに、指示の重要な面の一つに、よいコミニュケーションがあります。リーダー・・管理者はどの様に言い換えてもリーダーは、リーダーです‥‥リーダーは部下に対してアイデア、指示、心構え、目的を伝えます。それを理解して、部下が、受け入れたことを知る能力を持つ必要があります。また、部下の考え、感情、望み、不平にも絶えず気を配っていなければならないでしょう。

 事業に成功する鍵は、部下に直に接触している管理者が握っています。管理者の指導力の発揮方法の質によって部内の空気が変わってきます。仕事の種類に関係なく、優れた指導力と高い生産性の間には直接的な関係があります。

 指導力と動機づけについては、行動科学から学ぶところが実に多くあります。これらの諸原則を認識し、それを仕事に応用する管理者は有能な管理者でしょう。部下を通じて成果を達成するには、部下を理解する必要があるからです。行動心理学者は共同作業を如何に効果的に行うかということを考えるうえで、色々と力を貸してくれます。

 また、規律の問題など従業員を、いかに処罰するかという問題を取り上げることがあります。管理者は原則的に、そのような問題を生じないように努力すべきですが、人間が人間である以上、克服できない人間的欠点は必ずあるものです。それが経営管理上の問題を引き起こします。この様な問題が生じたときには、処罰を考えるのではなく、管理者はその原因を見極める方法を知り、会社の目標にそった満足のいく解決を図る必要があります。

CO-Coordinating(調整)
 調整・・多数の組織単位が活動する組織においては、組織の色々なところで発生する問題を調整する仕事は言うまでもなく重要になります。この調整に時間がかかり手間取ることが、管理者の悩みの種になっております。しかし、コーディネータ行動は、組織構造そのものの中に予め組み入れておくことができます。どんな組織においても、会社のマネジメントの期待する方向から外れたり、全社的な統一行動から外れたりするものが必然的に現れます。

 調整は、関係部門の代表者から成る小委員会で行えるとか、専門的スタッフで行うことも可能です。また調整がインフォーマルな形で行われる場合もありますが、何れにしても関係者が皆その目的を理解し、それに向かって行動すれば、インフォーマルな組織でも効果があります。

CO―Controlling(統制)
 統制‥‥頭字語の最後の綴り‥‥PLORDICOCOの最後のCO――は、計画したことが確実に実行されるように統制することを意味します。
 管理者には目標達成を監視する責任があります。言い換えれば、目標が達成できるよう統制を行うための主要なツールは、目標達成基準の設定であります。そして、この基準‥‥金額、生産量など数量単位で示す‥‥は、実際の目標達成の度合いを図る尺度として利用できる性質を持っております。

 目標達成基準を利用する技術は無数にあります。例えば、予算、販売報告、生産記録、会計記録などがそうであるように、生産記録や会計記録などは手書きで簡単な報告書にすることもできます。パソコンなどでコンピューターで複雑な詳細記録を作ることもできます。どちらにしても目的は皆同じです。

 基準があって実績が出たときには、多くの場合、基準と実績の間にははっきりした差が現れます。この両者の比較によって、仕事が順調にいっているところは適当に手間を省き、不調なところにには努力を傾注することが可能になります。

 しかしながら、基準の不確定な仕事は、統制をとるのは非常に困難になります。とくに、企業イメージ、従業員のモラール、あるいは、顧客の評判、人材の開発等といった問題の基準測定は測りにくいため、統制のようなコントロールはしにくいと考えられております。
 けれども、経営の管理にはこれらを何らかの方法で測る確かな方法が存在します。そして、それらに関連した問題を処理する方法も開発されております。

『成果を管理する』
長期的にみて本当の評価が下せるのは、努力によって生まれた成果しかありません。仕事はただ単純に原則をまもって「平穏無事に」やればよいと考えている管理者がいるとしたら、それは真の管理者ではありません。本当の管理者は、常に最終成果に目を向けています。その管理者は自分の所轄する部、課や会社の目標をよく理解しております。しかも、自分自信の目標をも、それにあわせておるのです。

 真の管理者は、計画化から組織化、指示、調整を経て最後の統制にいたるまで、自分の仕事のあらゆる面で、目標を決して見失なうようなことはしません。最終目標を達成しようとしまいと、おかまいなしに、ただひたすらに原則を忠実に守ることで満足している無能の管理者とは明らかに異なります。本当の管理者は、その最終目標を達成するために全力を注ぐものです。

 経営管理とは、部下を通じて成果を達成することであって、しかも、管理者は部下に成果中心の考え方を徹底します。その上に、管理者とそのスタッフは、決して目標を見失ってはならないと考えます。 「経営管理とは」、終わり

参考文献:人を生かす組織、カーネギー協会編、創元社刊。人間回復の経営学、ジョゼフ・バジール著、美田・W.グロータ共訳。