総アクセス数
<行動科学の目で見る>
戦略経営組織論
 ビジネスマンの組織環境

一桁>経営組織論?>

「個々の対象物に目標を関係づけする」

 目標を選ぶときには、「対象をはっきりさせなければ」なりません。
 どの様な組織においても、全ての目標の元になる中心的な目標が必要です。しかし、良くある出来事として、会社の事業が伸びるにつれ、この中心的な目標から外れて行動することがあります。

 経営環境がどんなに変化したとしても、どこまでも中心目標を見失わないで、慎重に、将来を見通した計画的な行動していればうまく行きます。けれども、目標からずれて、行き当たりばったりに逸れていたのでは、会社の資源を浪費させることになります。
 だからといって、会社は、最初の目標――範囲の狭い目標が多い――に、いつまでもしがみついていなければならない、と、言う訳ではありません。むしろ、方向転換の場合の影響などを調べ、計画化の段階で、新しい方向が常に最初の意図した目標に到達するようにすべきです。

 長期目標を設定したり、目標の変更を考える場合に検討しなければならない要素には、次のようなものがあります。
1)[何に最善を尽くすか]
 製造に最善を尽くすとした場合、高品質、低原価の製品を作ることができるでしょうか。あるいは、現状の製造設備は最初に企画した製品と違う製品の製造に、使うことが出来るでしょうか。
 ビジネスにおいては、ニーズの変動で、同じ設備を用い、全く違う製品を作らなければならないケースは数多くあります。

 とくに、セールスに最善を尽くす場合、有能なスタッフが揃っている会社などでは、身につけている販売技術を、利用できる分野へ、容易に目標を拡大できます。異業種用の製品を開発、自社のセールス・ネットワークで販路開拓する例は、数限りなくあります。

2)[どんな必要を満たすことが出来るか]
 まだ満たされていないサービスや製品の需要があるとすれば、それを満たすのが、ビジネスの流れです。新会社がぞくぞく設立されるのも、誰かがその必要を認めているからです。ホカホカ弁当、宅配便、人材派遣等々成長した企業等は、みんな必要に迫られて発足しています。
 製品需要を充足するため、研究開発に多額の投資も行われています。

3)[どうすれば持てる資源を最大限に利用できるか]
 経営者は資源の相互利用(シナーギスチック)を求めています。
《相互主義(シナーギズム)というのは共同行動を意味していますが、共同行動では、二つ以上の働きが効果的に結びつくと、一つ一つの働きから個別に期待できる効果を全部あわせたものより大きい効果があります。つまり、全体的効果は部分的効果の集合体より大きく、相乗効果が生まれるという訳です。》
 ある金融業界で日常的に行われているサービスに、税金相談があります。ところが、が、顧客には、税金の支払や還付金の受取を前提として、融資の顧客になる例があります。この組み合わせの相互主義は、2種類のサービスを別々に行った場合に比べると、二つのサービスを合計した場合より、遥かに効果的なことです。

4)[資源は利用出来るか。]
 目標の設定は、単に希望や白昼夢ではありません。現実的なものにし、成功のチャンスを生み出す目標を達成するには、必要な資源を欠かすことは出来ません。
 使ったり使わせたりする資金がなければ、必要な資材の調達はもちろん、商品を作って供給するための人手も揃わず、目標達成が出来ないことは言うまでもありません。
 目的達成のために必要な資源の利用できる可能性を充分に分析して決めなければならないでしょう。

 しかし、仕事を始める前に、必ずしも、全ての資源を利用できるようにする必要はありません。必要なときに、必要な資源が、間に合う」然るべき保証さえあれば、目標達成に伴う危険は最小限に食い止めることが出来ます。
 目標の設定や変更に際して、これらの問題を注意深く処理すれば、目標達成の可能性は一層高まります。そして、目標そのものの意義も一段と深まることになると思います。この項終わり