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一桁>経営組織論?>『リーダーシップ』

<甘い管理者と厳しい管理者>

リーダーシップには、上役の言いなりになる管理者に対して、人間らしい情に欠ける非情な管理者といった、二つの大きな問題があります。
 一般的に、甘いと言われる管理者は、誰でも喜ばせようとします。その彼の信条は、誰でも信用し、部下に関する限り、間違ったことをしているものは誰一人いないと、言った調子で他人を信ずることに力を入れています。

 このケースの多くは、部下の失敗は見逃し、部下の誤ちも無視する程です。
 注意、や譴責の必要ある時でさえも、その処分を、延ばし延ばすので、責めを取らせるときは、譴責の理由が解らなくなるときも再三あります。

 やっと譴責処分にしたとしても、非常に弱いものとなり、効果はなくなってしまいます。ところが、褒める方だけを、日常茶飯事に行われると、これもその意義を失ってしまいます。
 その結果は、どのようになるかといいますと、部下の仕事はいい加減となり、職場の規律が失われ、協調など団結心も殆ど消えてしまうことになります。
 ですから、信用することは、仕事を甘やかしてさせること、とは違うことになります。

 それでは、この管理者自身の受け持つ職場が、実質的な被害を受けるというとき、管理者は、何故情に動かされたり、甘くなったりするのでしょう。
 本質的な原因は、部下の心の底にある上司の能力に対する不信感であるのです。

 この場合、自分自身を守るには、過度に他人を信用してはならないのです。他人の同意を得るには、行動することが先決です。
 この甘い管理者の弱点は、
「管理者自身の自信を築き上げ、管理者に自己啓発と管理技術の訓練を施し、部下の間に信頼感を確立する」
 ことによってのみ、克服することが可能になります。

 しかし、甘い管理者も、ときには、職場内部のばらばらで纏まりのない、無統制を認識して、突然に管理の方向転換をして、厳しくなることもあります。
 けれども、これは本物と言えません。長く続かないですぐ甘い管理者に戻ってしまいます。もし、この二つの管理方法でシーソーゲームにされては、どちらの方法でも、部下に取っては大変なことになります。
 部下には、管理者の指示に併せようとする傾向がありますから、型つまりフォームは変えないようにし、変えるときでも、徐々に変えていくことが必要です。

 厳しい管理者は、甘い管理者より一般的で、多くの管理者は、管理に厳しい傾向がありす。
 始めて、リーダーとしての責任を与えられますと、厳しく、また、自分だけで良くなるように考えたり行動しようと、独りよがりに、思いこむ人が大勢います。
 しかも、地位とか権限を面にしたムチを鳴らしながら、「俺はボスだ」というデモンストレーションを取りたくなります。

 実は、管理を厳しくするということは、部下達のいろいろな怨みを買うことにつながります。
 大多数の部下は、厳しい扱いは、どうしても受け入れたり、従ったりすることは、「出来ないもの」と思っています。ですから、そのために、従業員の離職が多くなったり、計画的欠勤が行われたりして、一般的に士気が低下する傾向があります。

 また、厳しい管理者の側面には、厳しくみせることによって、自分の不安を隠そうとする心理的な一面もあります。
 恐れをもった不安で心の落ち着かない管理者です。この場合も答は、管理者は自信と強さを持つことです。

 素晴らしい優れたリーダーとは、腰が軽く薄っぺら態度のな世話好き人間でもなければ、乱暴で残酷な人間でもありません。
 有能な管理者は、うちに自信を秘め、部下からは尊敬されています。
 部下の扱いに、手落ちがなく、しかも、仕事にはムダがないというように、何ごともそつなくやれば、部下の協力は得られます。そして、それを維持していくことが出来るようになります。

追記 リーダーの比較(メールに答えて)
●無能なリーダー       ○有能なリーダー
 部下を追い立てる       部下を指導する
 次第に不安の念を抱かせる   熱意を吹き込む
 「やれ」と言う        「やろう」と言う
 仕事を苦しいものにする    仕事を面白くする
 権限に頼る          協力に頼る
 「私は」「私は」と言う    「われわれは」と言う
                           つづく

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