スチュアート(Rosemary Stewart)は、イギリスの会社の160人の管理者に日記をつけてもらい、それを分析した結果、彼等が33%から90%までの間の時間を、他者との関係に費やしていることを見出しています。<上図参照>
 その場合、時間の約32%は、類似した地位の他者との間で使っています。

 これは、これは他の管理者についての調査においても同様の傾向を示しております。管理者には、一人でいる時間が殆どない状態です。この研究では34%で、他の二つの調査では、それぞれ、22%と20%です。彼等は殆どの時間を他者との対面かあるいは電話での会話に使っているようです。そして、一人の時であっても、指示の手紙を読んだり書いたりしています。ある管理者は郵便物から97項目を読み、3時間にその45項目に応えていたという報告もあります。

 日本国内の類似報告にはまだ接していません。が、情報処理技術の導入で根回しタイプの日本型経営が情報の共有や分権による権限委譲など合理的経営に移行する傾向が強くなっています。その結果、欧米型のイェスかノースタイルの問題処理傾向になってきましたから、欧米の調査はかなり参考になると思います。

参考文献:「人間関係のルールとスキル」M・アーガイル/M・ヘンダーソン著、吉村護訳、北大路書房刊。
 
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