原因調査と対策
「戦略という言葉があります。ある定義によると、戦略とは、「小」が必ず「大」に勝つ方法や、手段を見つけ、それを具体的に方向付けることだといいます。
かつて、ソニーは「小型ラジオ」「小型テレビ」の分野に自社の勝つルートを見出しました。また、ヤクルトは、宅配の方策をもちいて大きく発展しました。
思い切った製品の差別化、ルート化、顧客の差別などそれが、戦略の目標です。
ソニーの戦略は「小型でいく」ことであり、ヤクルトの戦略は、「宅配」であったわけです。このことによって、標的をユーザーにあわせました。
それでは、「大」に勝てるには何を見出したらよいのでしょうか。
販売の三要素
一般的にいって、トータルな販売力(具体的に売りに結びつく力)は大きく分けて、三つの要素で構成されています。
一つは、商品力(商品そのもの――効用、価格、デザインなど)であり、
二つ目はルート掌握力(取扱店数や店頭での自社商品の取り扱い比率など)、
そして、販売促進力(広告やキャンペーン、販促アイデアなど)です。
トータルな販売力は、左図のように、三角形で囲まれた面積で表されます。面積を大きくするためには、どの要素も得点を上げなくてはなりません。
商品力、ルート掌握力、販売促進力ともその「力」を構成しているものは、「質」と「量」です。物量戦では劣性を招く中小メーカーの勝つ方向は「質」しかないないことになります。
質を追求するには、顧客が、いま何を考え、何を欲し、どのような行動をするのか、それを知ることです。
このことを起点に、自社の商品、あるいは、販売の仕方を分析し、対応していかなければなりません。それは、新しい視点をもつことであり、市場の見直し、新しく開発するという立場に立つということになります。
このような視点を背景に、具体的なケースの形で市場開発の考え方を進め方を考慮してみたいと思います。
参考文献:市場調査のやり方/日本マーケティング・エージェンシー
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