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 2017/01/27:renewal
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不振の背景と問題のとらえ方

購買プロセスとマーケティング情報のシステム化
購買のプロセス

 人はなぜものを買わなければならないか。どうして買うのだろうか、と思いを巡らせると、これには社会、個人、心理面などのいろいろな要素が複雑に絡み合っていることを知ることが出来ます。
しかし、一つの要因に絞ることは非常に難しいと考えます。けれども、最終的に購買に至るプロセスには、ある特定の段階があることに気がつきます。そこで、購買についてこの段階を理解するように努めると、必要なマーケティング活動を、前向きに行う数々のヒントを得ることが出来、良好な結果を生み出すことになります。

 一般には、この購買のプロセスは、次のように表現されます。

  1. ニーズ・ウォンツの知覚・発生
  2. ニーズウォンツを充足するための問題の認識
  3. 情報の探索
  4. 評価
  5. 購買決定
  6. 消費・使用
  7. 購入後の評価
 このプロセスの各ステップは、自分が何かを買うときのことをイメージすると、殆ど説明の必要はないと思います。

例えば、のどが渇く、ビールを飲みたいと思う…ビールを買うお金と、売っている場所が問題…お金と売っている場所、ブランドの情報を入手する…購入手段とブランドから、どの銘柄がよいか評価する…ビールを買う…ビールを飲む…ビールを評価する、という具合になります。システム分析の上方展開、つまり目的に向かって動作を逐次、形容名詞で表現する形式になります。

 そして、この結果、このビールは良かった、自分の期待していたとおりということになると、この評価に基づいてまた次の購買に出るというように、ルーティン・ワークを、繰り返すことになります。
 購買のそれぞれのプロセスについて、いろいろと掘り下げて検討を加え、前向きの創造的手法を展開するのは、マーケティングマン、重要な仕事になります。

例えば、情報探索があります。消費者は、情報に刺激され、ニーズの充足をはかろうとして、情報を求めます。この情報源には、

  1. 個人的情報源、
  2. 経験的情報源、
  3. 公共的情報源、
  4. 商業的情報源、
    がありますが、商業的情報源とは、広告・宣伝であって、マーケティング活動がもっとも活発に行われている領域の一つになっています。
 しかし、消費者が評価や選択に使うものには、個人的情報がしばしば重要な役割を果たしていることも否定できません。
 いわゆる口コミ情報が重要視される傾向は、そのことを物語っています。皆さんが自動車、住宅を選定する場合の情報源はなんだろうか。とか、広告か、自分の体験か、そして個人的な情報か、等など、普段から購買のプロセスに、関心を寄せることが大切になります。


マーケティング情報のシステム化

 経営資源は、人、もの、金といわれますが、情報は、この三つの経営資源と並んで非常に重要なものです。
 それは、マーケティング活動にとって、不可欠なものはマーケット情報です。マーケティング情報の質、量、スピードがマーケティングの成功を左右するからです。

この重要性がわかっていながら、この情報はしばしば不正確であり適切さに欠け、しかも、スピードの劣る場合が多く、また発生点が限定されているということもあります。
これは、マーケティング情報がシステム化されていないために起こる弊害でマーケティング情報がうまく伝達されない、利用されていない場合に生じます。

 マーケティング思考の経営にとって必要不可欠なものは、システム化されたマーケティング情報であると考えられます。
最近は、コンピュータを使用してこのマーケティング情報システムづくりが非常に活発になっております。その先端を行ってるのがPOSシステム(販売時点情報管理)です。

これについては、別のテーマですでに触れておりますが、販売店チェーン、大型スーパーで主として活用されておりましたが、情報機器のダウンサイジングやコストダウンなどによって、いまでは一般販売店の有力なマーケティング情報システムとして、有力視され普及が進んでおります。

 導入を計画する多くの企業では、販売担当者、セールスマネージャー、小売業者、サービスマンを通じて注文、販売、在庫、売掛金などに関して、きめ細かい販売情報を集められます。
これを、パソコンやコンピュータ・システムPOSシステムを加えると、マーケティング情報システムが飛躍的に発展するものと期待されるからです。

 マーケティングに熱心な会社では、広告代理店、マーケティング情報専門会社、市場調査専門会社を利用して情報を入手して、自分たちの手で情報評価、加工することが行われるようになってきております。
これも、単に日本国内に限らず、その情報の調査範囲を、国外まで広めている企業は少なくありません。こうした会社では、市場調査の専門家を配置しております。

市場調査課、企画課、調査課、といった名称の部門がこのようなマーケット・リサーチの仕事を行っているわけです。
 このマーケット・リサーチの基本は、前に六つのOを、知ることにつきると説明しましたが、具体的には、どんな調査が行われているか察知できるでしょうか。

これは、大きく分けると、広告調査、経営・経済調査、企業調査、法規制調査、製品調査、販売及び市場調査といったものです。
販売及び市場調査に関するものでは、市場の潜在力測定、市場特性分析、マーケットシェア分析、販売分析、流通チャネル調査、競争製品分析、新製品需要予測分析、などが販売に関係します。

 そして、モチベーション・リサーチ、広告効果測定、価格動向分析、長・短期需要予測、テスト・マーケットなどが市場調査のそれぞれの分野の中心になっています。

マーケット・リサーチでは、既存のデータをシステムや組織によって収集された情報を基にして、分析するだけではありません。
実際に現場に出かけていき生の情報を集めることも行われます。これは、市場実査と呼ばれておりますが、市場調査というと、多くの場合この市場実査をイメージします。

この方法は三種類に大別することができます。つまり、アンケート法(英語ではクェショネアー)、観察法、それに実験法です。
アンケート法は、アンケート用紙を用いて対象者の解答を記入して行くものですが、これには個別面接法、留置法(調査票を置いて、後で回収する)、郵送法(調査票を郵便で送る)、グループインタービュー法(グル・インとも略します。対象者を一個所に集合して行う)、電話質問法などがあります。

 アンケート法のそれぞれには長所短所があります。ですから、アンケートの設計が重要な役割を果たすことになります。
 観察法は、公売点あるいはしよう点での消費者の行動を目手観察する方法です。あらかじめ、調査したい項目を決めておきます。そして、自分の目で確かめながら記入し分析する方法になります。

 実験法羽想定した場所をつくりだし、実際に購買者または使用者、対象者がどのような行動を行い、反応するかを実験しながら見るものです。食料品の試食会、あるいは酒や飲料品の試飲会もこれらのカテゴリに入ります。


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