会津駒ケ岳ー三岩岳ー窓明山 縦走 平成24年5月27日ー28日 1日目晴れ、2日目晴れのち雷雨  TOP  BACK 

コースタイム
1日目  駐車場4:45〜8:00会津駒山頂8;15〜11;00三岩岳12;10〜12;30三岩避難小屋(泊)
2日目  避難小屋4;45〜窓明山6;15〜家向山分岐7;30〜9:10小豆沢温泉バス停

会津駒ケ岳2012年5月20日の記録

 
電車の恩恵
たまりません
前夜

先週は会津駒ケ岳〜三岩岳の縦走を計画して出かけたが地形図を忘れたため、それぞれの山にピストンすることになってしまった。このコースは残雪の時期が最も良いので先週に引き続いて再度の挑戦です。前回は車でしたが今回は電車とバスで行きました。前日の午後2時過ぎに大宮から宇都宮線に乗って、栗橋駅で東部日光線に乗り換えた。会津高原尾瀬口駅まで乗り換えもなく乗っているだけで着きます。大宮から3時間半(電車賃2630円)です。
車の運転を考えると楽チンです、居眠りも、アルコールもOKです。大宮で仕入れ横浜崎陽軒のシュウマイを肴に早速、ビールを飲む。
車窓からは田植えの終わった水田と田植え前の田んぼと麦畑が混じりあうこの季節ならではの風景です。利根川、渡良瀬川とわたり栃木県はいる。
下今市を過ぎると雰囲気はガラッリと変わり、山間を走るようになる。温泉が豊富な路線で次々といろいろな温泉駅が現れてくるのが楽しい。いつの日か温泉めぐりでもできたらと思いながら通り過ぎて行く。
中三依駅付で林の中に熊を見つけたりもし、ヤマハますます深くなってきた。
会津高原尾瀬口駅で降りて路線バスに乗り換えた。17時55分の桧枝岐行きバス、これが本日の最終便です。乗ったのは私一人だけでした。
偶然にも先週、会津駒ケ岳登山口の操車場でバス時間を聞いた運転手さんでよく覚えていてくれました。
山の話やテント泊の楽しみなど話しながらで退屈しません。高杖スキー場で七ヶ岳から下山してきた単独者(かなり高齢)の方が乗り、次の八総バス停で降りてゆきましたが、かなり疲労している様子で運転手さんももうバスは終わっているので心配の様子でした。
おしゃべりをしながら会津駒ケ岳のバス停で降りました。もうすっかり暗くなり手持ちライトで足元を照らしながら車道から
ショートカットの登山道を歩き、再び車道に出たところが駐車場でした。100mほど先の最終駐車場は傾斜地であることを、先週の歩きで知っていたので、ここにテントを張った。持参した弁当を食べてすぐに寝てしまった。
 
会津高原尾瀬口駅前

会津駒ケ岳
中間の残雪とブナの芽吹き
 
5月27日(日)

3時過ぎに目が覚めたのでお湯を作って、コーヒーを飲む。カップ麺にお湯を入れ、残りをポットに移す。、4時を過ぎると明るくなってきた。
テントの撤収を始めると3台の車が登っていった。この駐車場には1台も止まることがなく熟睡できました。
夕べ、天気予報を聞き忘れたので上の駐車場で準備中の方に聞いてみると、3時ころから下り坂で雨が降るらしいと教えてもらった。
今日の予定では3時前には避難小屋に着く予定なので心配なく歩ける。
先週歩いているので幾分気分が楽です。大分、雪も解けています。
途中で地元の親子連れに追い抜かれた。残雪が林下を覆うようになり急登が続きます。それも水場までだが一番きついところです。水場といっても今は雪の下になります。
その先は幾分緩やかな上りになってきます。
燧ヶ岳が見えるようになると再び急登になり、アイゼンの装着忠の人3名を追い越した。
右側に大戸沢岳への陵線が見えてくる。沢を挟んで直線だと近いところに見えるが駒ケ岳山頂まで登る必要がある。まだ遠い。
 

右奥に大戸沢岳 
これが見えると樹林帯も終了
 
今回の山頂
森林限界に出ると小屋の屋根とその先駒ケ岳の山頂への尾根が見渡せる。一気に目の前が開けると気分も爽快になる。
雪の斜面は白一色のためすぐ先に小屋の頭を見せているが歩いてみると小さな起伏があって意外と遠いのです。
小屋に着き、雪のテーブルで休憩をし、お茶のペットボトルを買った(400円)、腰掛けたついでにアイゼンをつける。
先週は会津駒ヶの文字までだった山頂の標識は会津駒ヶ岳山頂まで見えていました。
 一週間で80cmほど溶けたようです。天候はいいのがなぜか、展望は先週の方が良かった。
今日の目的は三岩岳です、カメラタイムだけですぐに進みました。
トレースがありません、少なくても今日はまだ歩かれていないようです。ただスキーヤーの跡が2本着いていました。
幸い天気も良く、大戸沢岳その先の無名峰、三岩岳と陵線が見渡せるためルートの心配はなさそうです。
スキーのトレースを追うと踏み抜いてしまった。振り返ると中門岳の白さか際立つ。
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先週の山頂
 
 
大戸沢岳で
正面に三岩岳
大戸沢岳を左から巻くつもりで歩いたがシラビソの薮で歩きにくい上、踏み抜きが増えた。積雪がもっと多いとシラビソが邪魔にならないのでしょう。巻くのは諦めて、先週と同じコースを大戸沢岳山頂に登った。大戸沢岳から下大戸沢への斜面には亀裂が目立ってきていた。
燧ヶ岳と会津駒ケ岳はここからではの眺めです。この先は燧ヶ岳は見えにくくなってくるので見納めです。
大戸沢岳から1918mの鞍部に向かって下りにかかると正面には三岩岳がはっきりと確認できるようになるが、なだらかな尾根の一部に見えます。
手前のピークの方が山頂らしく見えます。鞍部を過ぎて上りだすと陵線の雪が途切れたりするので樹林の雪を拾うようにして登った。
いたるところに亀裂ができ、笹薮が顔を出したりする。あと1週間もすると薮が行く手を阻むだろう。
2057mピークの登りが結構長い、あえぎながら登っていると2人の方が降りてきた。三岩避難小屋に泊まって今朝、窓明山をピストンしてきたとのことでした。見たところガイドさんとお客さんのおばさんのペアーのようです。今日、明日の天気を聞くといい天気です。今日は下山後、御池に行って明日は燧ヶ岳か尾瀬にでも行きたいと話して別れた。それを聞き、三岩岳に早くついたら下山して明日は燧ヶ岳に登るのも良い案だと思いながら歩いた。
また一人単独者が下ってきました。小豆温泉から登って、会津駒から今日下山して車を回収するということです。普通は1日で周回するルートのようです。
 
薮も出てきた
 
三岩岳の手前のピークで
右から窓明山、坪入山、高幽山、梵天山
と続く
2060mピークを過ぎてもうすぐと思いきや偽ピークが三岩岳の手前にありました。このピークは 小さいが急登でした。雪原のピークは展望良好です。
越後三山と浅草岳の山並みがとても美しい。後は一登り、薮を通過すると見覚え新しき三岩岳山頂に着きました。
会津駒ケ岳から歩き通した陵線が一目で見渡せるのがうれしい。
11時と意外と早くついてしまった。お茶でも飲んでゆっくりとこれからの行動を考えることにした。丁度昼食タイムにいいのでノンビリとお昼ご飯もする。岩場にイワナシの花を見つけた。1時間以上山頂にいたが、とにかく暑いのに閉口です。後のことは避難小屋について考えようと小屋まで下った。
小屋でコーヒーを飲みながら今日下山するか思案するが、小屋で落ち着くと動くのが億劫になってきた。もし本当に3時ころ雨が降ると厄介でもある。ここは少し早めだか、予定通り小屋で泊まることにしました。
水作りをしてからお昼寝をした。時間の経過は遅く、退屈なひと時だ。小屋の周りは樹林帯で見晴らしはない、少し歩いてみたがあまり暖かいため雪の緩みが目立ちます。5時過ぎになって夕食の準備にかかる。といっても「さとうのご飯」を温めたら秋刀魚の蒲焼の缶詰を乗せるだけです。
6時50分の天気予報を聞くと明日は午前中晴れだが寒冷前線の通過で雷雨があるといっている。
早めに下った方が懸命だ。7時にはシュラフにもぐりこんだ。暖かい夜でした。
 
三岩岳で
山頂の岩場に咲くイワナシ
 
三岩山頂で
今日のルート
 
三岩避難小屋
お世話になりました
5月28日(月)
いつも3時ころには目が覚めるのですが気が付くと4時半でした。雪囲いで窓には板が打ち付けられ、このため、朝日が昇っても暗いままでした。いつものカップめんで朝食、そしてコーヒーを飲んで、大急ぎで片付けをした。
もし天気が悪い時は小豆温泉に下山しようと思っていたが、薄曇でそれほど悪くはありません。予定通り窓明山ー家向山ー保太橋で下山することにした。
適度に締まった雪は昨日より歩きやすい。鞍部まで下る途中から窓明山の先に坪入山、高幽山、梵天山と魅力ある尼並みが見渡せる。先週より地肌が多く見られるようだ。家向山への下山の尾根が窓明のピークから発生している。
窓明山への陵線の雪庇は崩れ落ちている。帯状に残った雪の上を慎重に歩く、所々に深い亀裂が走る。アイゼンをはいているので薮に入るのを極力嫌って少ない雪を拾って歩くことになる。単純に見えた陵線もいくつかの小さなピークを越えて窓明山に着いた。
山頂標識を探してみたが見つかりません。設置されていないのか雪に埋もれているかは定かではないが家向山への尾根の出だしを山頂とみなした。
振り返ると三岩岳がぢっしりとした姿です。歩いてきた雪陵は谷川に切れ落ちた危ういところを通過したのが分かります。
 
 
見えるピークが窓明山
 
三岩岳からの
危うい残雪の雪陵
 
トラバース中です
滑ったら谷底まで
ガスったら方向を見失いそうな広い雪原を下る。一人だけ昨日歩いたらしい足跡があるがほとんど消えている。振り返ると窓明山が真っ白です。樹林に入ると急斜面になった。樹林に邪魔され思った方向に歩けない。歩きやすいところを拾って下ると沢スジの雪渓に引かれルートを外す。左に尾根が見えるので薮を横切るが笹と潅木が妨げる。さらにアイゼンが曲者になる。クリヤーしたつもりが爪が邪魔する。20mほどの薮漕ぎに苦労した。
この後は少し遠回りでも雪の上を歩くように心がけた。しかし雪上を歩くと谷の急斜面をトラバースするためこれもかなり怖い思いでした。滑り出したら谷底まで止まることはありません。急だった尾根も漸く穏やかになると高度も下がったようでブナの新緑が目に入ってきました。終始右に見えていた三岩岳も樹林に隠されてしまった。
家向山への上りになる手前で夏道が現れてきたのでアイゼンを脱ごうと座り込むと、イワウチワの花がいっぱい咲いていました。
家向山への分岐で三岩岳と窓明山を見ることができました。その後は見えませんでした。
家向山へ行ってみたい気持ちはあるがバス時間も気になり、まっすぐ下山しました。

 
家向山への分岐で
左から三岩岳と窓明山
堂々の風格

 
緩斜面になると
ブナ林の出迎えです
 
コシアブラ
お土産です
  イワウチワが咲き乱れ、ブナの美林の登山道は快適です。途中でコシアブラとワラビを一掴みづつ収穫して持ち帰りました。
最後は急坂を下ると、崩壊地にぶつかり、車道が見えました。崩壊地の横を下って車道に降り立ちました。保太川を渡り、10分ほど歩いて小豆温泉の三岩岳登山口でバスを待ちました。頭上にはウワミズザクラかイヌザクラの穂状の花が咲いていました。20分ほど待つと会津田島行きバスがやってきて乗せてもらいました。
バスのアナウンスで「このバスは停留所以外でも乗り降りできます」といっていたので、下山した保太橋で乗せてもらえたわけです。
高畑スキー場を通過する、山の上からスキー場が見えたのはここだったのを知りました。この付近から雨が降り出してきた。早く下山して正解でした。さらに山中峠を越えると本降りになってきました。会津高原尾瀬口駅で下車した。電車は1時間以上の待ちがあるので近くの夢の湯で汗を流して過ごしました。お風呂から出ると雷と大雨でびっくりしました。帰ってから尾瀬で落雷があり一人が死亡、一人が怪我をされたとニュースで知りました。このときの雷だったようです。三岩岳で早めに下山して燧ヶ岳に登っていたら危険だったと思うと他人事ではありませんでした。
この雨は大宮まで強弱を繰り返しながら降り続きました。運よく、家に着くまでカサ、も差さずに済みました。
このルートを快適に歩くのはもう2週間ほど前が良いと思う。これからは薮に悩まされることになります。
やっぱり縦走は面白いですね、残雪期はさらに良い、展望と雪渓と下山時の花と新緑、魅力がいっぱいです。
 
会津高原尾瀬口駅
徒歩2分夢の湯