批評会 司会:村田耕司さん
発言
時間の制約はあったがいちおう全員から意見をいただいた(好きな作品については割愛させていただきました)
なお、五賀のメモ(みなさんがお話し中ずっと下を向いてメモしていてごめんなさいー)に加筆したものなので、話した方の意図とちがっている場合があることをご承知ください
★小井戸知子さん
61首 5章 いずれも別れの悲しみがテーマであると思う
会話体が物語風な興味をかきたてる役割をしている
通常の短歌の一人称とは違うストーリーとして、作者とは離れて読める歌である
★正岡豊さん
まさおかさんの批評はいずれリンクの形で掲載します
★村田耕司さん
口語、破調が多く、逆に定型を守った歌には力がない
発想重視だけで作っているような歌が多すぎる
連作のストーリーはうるさすぎるかもしれない(説明的になる)
ストレートな連作名は必要ないのではないか
「虚界」というタイトルはサービスしすぎの感がある
もっと歌の数があってもいい
(春の野に)は短歌的世界との決別の覚悟とみた
★田中啓子さん
構成 「休憩」の前後で強い連続がないのが気になる このようにする必然はあるのか
比喩のように見えながら謎があるところが魅力
失ったことではなく、そのものについての記述になっているのが特色
★湯浅れい子さん
愛情の世界を失う こわさ不気味さ
★北神照美さん
最初理解できなかったが、椎名林檎のあとに読むと、感じられるような気がした
タイトルは別のものでどうか
もっと新鮮なキーワードがあるとよかった
★水門房子さん
エキスパンドブック版は読みにくかった
★菅輝江さん
(紹介する立場から)どうやってわかってもらうかがいちばん大変だった
彫刻などの例をひいて解説した
★磯野道子さん
若い人たちを見ていると「首なし女」とも思える
★大森英子さん
エキスパンドブックに物足りなさ パソコン上で読むだけでただの本だった
★大森浄子さん
連作表現に注目 硬質 理科系的な表現
★古田昭子さん
時代が変わったという印象
★高橋みゑ子さん
ストーリーを構成しない歌を契機に読み解ける
たましいが抜ける感じ=首なし かと解釈した
★内山汀子さん
日常から飛躍した歌をめざしている者にも刺激があった
衝撃性のつよくないもののほうが歌としてはすぐれていると感じる
「虚構のモラル」というタイトルの文章かつてあったが、そのへんを聞きたい
★黒崎良子さん
メルヘン的に読んだ
未来につづくという印象
★尾崎友子さん
(ストーリーの提供は)読者にやさしすぎると感じた もっと突き放すほうがよかった
★長尾道代さん
通常の連作的なものとは異質な展開に驚きがあった
まとめ 藤田武さん
連作と歌集の関係について考える材料となる
「無頭人」という小説が賞をとるなど、気になる偶然
首がないとむしろ知的になるのではないかとも思う
作品としては清潔すぎるのが不満でありもっとどろどろしたものもあっていい
短歌をわかる必要はないので、「鑑賞」がブームであるが、わかる=帰依、つまり媚びがはびこっているのが現状だ
暗い感じ 未来の否定、明るい未来などないという点には同感した
従来の作風をこわしたいのはわかるが、ストーリーだけではない、緻密な組み立ての路線も残すべきである
一冊全体の魅力を考えている点は構成としてはよいと思うが、それが「歌集」であるのかは疑問も残る
懇親会 司会:菅輝江さん
竜胆リキュール入シャンパンで乾杯(音頭:大森英子さん)
とまとまと特製料理とお酒を満喫しつつ
途中、五賀の歌で雰囲気がしらけたりしたが(^^;;....
伊藤美智子さんの閉会あいさつで無事終了
裏方に徹して会を支えてくれたため記録に登場しなかった大湯邦代さんも写っています(^^)