自己治癒力を高める

 人体の驚くべき潜在能力


「自己治癒力を高める」 
川村 則行 講談社
自分の体は、自分で守る。自己治癒力を引き出すカギとは?
 不治の病からの奇跡的な回復、慢性疾患の克服。事実が証明する、はかりしれない治癒の力。人体にはどんなしくみが備わっているのか? それを引き出すにはどうしたらいいのか? 内なるパワー、自己治癒力の秘密に迫る。
目次

第1章 死の淵からの生還―実際にあった四つの症例
第2章 病気が治るとき
第3章 どうして病気になるのか
第4章 からだの治癒力
第5章 心・脳・からだの関係
第6章 心の治癒力
第7章 東洋医学から見た自己治癒力
第8章 自己治癒力を高める

著者紹介

川村 則行【著】

 1961年大阪市生まれ。86年東京大学医学部医学科卒業、90年東京大学医学部医学研究科大学院博士課程細菌学教室卒業。医学博士。国立相模原病院を経て、93年から国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部。現在、同研究部心身症研究室長。研究テーマは、脳による免疫制御機構の解明、およびストレスと心身症。主な著者に『がんは「気持ち」で治るのか!?』(編著・三一書房)。

上記書籍内容の一部抜粋です
■ドイツからの報告

 もうひとつ症例を紹介しましよう。こんどは、宗教とは関係ありません。これはドイツでがんの自然退縮(いわゆる自然治癒)の研究をしている小田博志氏が教えてくれたものです。

 その患者さんは1955年生まれのドイツ人男性です。1991年4月、35歳のとき、右大腿部に皮膚がんが見つかりました。すぐに切除され、このとき本人は楽観していたといいます。ところが92年1月、同じ部位に再発し、鼠径リンパ節にも腫瘍が転移しました。この転移を取り除く手術は大変でした。外科的治療法の限界にも気づいたのでしょうか。このときを境に、この患者は自分でも皮膚がんの成り立ちや治療法についての勉強を始めました。

 さらにその年の2月、2度目の再発が起こりました。これをうけて外科の医師は、「もう何ができるか私にはわかりません」と言いました。彼は落胆しました。現代医学への希望は消えました。

 彼は、このとき代替療法に出会いました。代替療法とは、科学的な根拠は証明されていないけれども、その治療によって効果が出るケースがあるとされる治療法です。コーヒ浣腸、ホメオパチー、ミステルなど、日本でも海外でも種々の方法があります。

 彼の選んだ療法は、「からだの抵抗力を増し、細胞の環境に影響を与え、からだ固有の反応によって病を克服すること」を目指したものでした。この人生の岐路で、彼はひとつの夢を見たといいます。その夢は、自分の歩いていく道の向うに光が差し、平和で楽しそうな音が聞こえるというものでした。この夢が自分の選択した代替療法に確信を与えたといいます。

 また、彼は自分自身の生き方も考察してゆきました。「これまで自分は、他人のためになること、他人に感謝されること、そういうことが確認できたときに安らぎを覚えた。しかし、本当はそれは外側からの自分への働きかけ、外側から与えられる自分の存在証明に、自分をゆだねていたんだ。それが度が過ぎて、自分の心からの声に耳を傾けてこなかった」ということに思いがいたりました。

 彼は、再発したがんに対する手術を完全にやめました。放置して、がんが大きくなるにまかせました。外科医がどうすることもできないと言い、切ってもだめだとわかったからだけではありません。先の夢からの確信、さらにはその後の彼自身の考察が、進行してゆくがんからくる不安を押しとどめ、彼を支え続けました。「がんは自分のからだの一部である。生も死も自分の人生の一部である」ということが彼の考えの中心でした。代替療法を続けながら、がんの成り行きを自然な気持ちで見つめていきました。

 93年3月、がんは4センチ以上にもなっていましたが、性状が変化し、なんとなく柔らかくなってきました。このころ彼は、散歩中にからだが代替療法をもう欲していないという「自分自身の実感」が湧いたために、治療を中止してしまいました。

 2ヵ月後の5月には、がんは一センチになり、6月には転移もふくめすぺてのがんが消失してしまいました。すべて記録が残されています。

 その後、彼は代替療法の効果を実証した人として、テレビからもインタビューを受けるようになり、いろいろ自分の代替療法の体験を話してゆくようになりました。しかし、後になってさらに重要なことに気づいたといいます。

 自分を本当に治癒に導いたのは、「自分の実感」にしたがって生きたことであり、自分の「内なる声にしたがって生き、行動する」ことだったのだ、と。自分を、何か別の自分に変えるのではなく、偽物の自分を捨てることが大事だというのです。ドイツのこの患者の場合には、これが治癒の鍵であったわけです。


■自己治癒力を目覚めさせるボイント

 さて、自己治癒力はどういう時に活性化されるかということが、なんとなく見えてきたように思います。病が癒されてゆく過程で、何が大事なのでしょうか。簡単にまとめてみます。

@自分の主人公は自分である。

 自分の自己治癒力を発揮していくには、「自己」との関わりが大事であるということ。関わりというのは、「自分の人生や、命、そして病気」そのものへの関わりです。主体的にそれに関与するということです。この喘息患者さんの場合にも、どんなときに発作が起こり、どんなときに起こらないかということを考えるようになってはじめて、事態は変化していきました。病院で、医者の処方する薬をきちんと飲むことがもちろん基本でしょう。しかし、それ以上に自分の病気の成り立ちを振り返り、自分で修正し、コントロールしてゆく姿勢が重要です。

A自己治癒力は、本来の自分に立ち返ることから生まれる。

 気持ちの奥のほうから、よしがんばるぞという声が聞こえてきたなら、思い切り闘う。心の底から人生をもっと楽しみたいと真に思えたのなら、病気なんかはどうでもよいと忘れ、心に喜びを与えてくれるものに全力を投入する。いずれの場合も、自分の本心にしたがっており、そうしたときに自己治癒力があふれてきます。

 また、感情表現を行い、素直な自分に出会うことで、自己治癒力が発揮されます。これは、病と闘うでもなく、また病を否認するでもなく、共存しながら、本来の自分からかけ離れている現在の自分に気づき、本来の自分を取り戻して自分らしく生きること。こうしたときに、あたかもその副産物として治癒力が解放されてきます。

 本書の冒頭で、自然治癒力という言葉ではなく、自己治癒力という言葉を重視することをお話ししました。自然治癒力は、本来の自己に備わっている力なのです。そうした観点を繰り返し強調したいと思います。

 次章以降、さらに科学的事実につっこんで、治癒力のいろいろな側面を見ていきますが、生まれながらに遺伝子に組み込まれている自然のメカニズムを知ると、この考え方の妥当性がさらに深く理解できると思います。


■自己治癒カを高める養生法

 こうしてみてくると、病気の最初の第一歩は、からだの中の脆弱な部分に毒と呼んでもいいような異常な物質が停留することで、それがあるかぎり、やがては心身の衰えや外部からの刺激で、病気が起こってくるわけです。

 そういう背景から、東洋医学的な「養生」法は、むしろこの「毒」にあたるものを「排泄する、排出する」ことに重きがおかれています。西洋医学では、健康によいものを食べたり飲んだりすること、つまり摂取という方向で進んできたのに対して、東洋医学ではその逆の排出を重んじるのは対照的です。

 たとえば、呼吸についていえば、西洋は吸う息を、東洋は吐く息を大切にします。東洋的「呼吸」は「呼」に重点がおかれ、吐く息に心をこめて、細く長く、吐き尽くせと教えます。完全になくなるまで吐き尽くせば、吸う息はひとりでに入ってくるのです。

 また、大脳についていえば、西洋では「思惟」を最大限に用いることを尊重します。知識を入れ、記憶させ、頭を使うことが大事だと教えています。一方、東洋では無我無心といい、大脳に気を行かせず、むしろ脳を空にして、からだを本能化していくことを尊重します。「出入」のうち、出を重視しする視点は東洋独特のものであり、発病前の段階で原因を除去するための有効な方向づけであろうと思います。

 さて、ここまで見てきたことを自己治癒力の視点で振り返ります。

 東洋医学では、発病の原因はからだの中の脆弱な部位に、からだにとって不都合なものが停留してゆくことでした。すると、その部位を通る経絡上に真気が通わず、経絡上の機能不全が起こってきます。その事実は、鍼の刺入などで確認でき、その意味で自己治癒力の程度を病気の発症の前に診断することが可能です。さらに、鍼の刺入からある程度精神活動の状態もうかがい知ることができ、心身相関を探れるわけです。

 こうした、経絡上の機能の低下に、無理をする生活習慣や外因(感染源など)がからんで、発病すると考えます。この時、疾患の第一原因は、からだに停留する「毒」であるがゆえに、それを排出すること、あるいはそれを溜めないことが第一課題であるといえます。精神的にも、いろいろなことで頭をいっぱいにしておくことではなく、空にすることが大事です。

 東洋医学は、西洋医学にはない独特の診断法をもっています。自己治癒力の観点から考えると、東洋医学の特徴は、自己治癒力を高め維持するうえで、心身への「出入」のうち「出」を重視していくことが大切であると教えていることだといえます。

 具体的にお話ししましょう。物質的な「出」とはつまり毒を出すことで、それはお血などを局所に溜めず、尿などと一緒に外へ流すということです。さらに、とりすぎた過剰な栄養を出す、余計な塩分や糖分を出す、細胞の隙間にたまったいらない液体を出す、ということも含みます。つまり、本来からだにとっていらないものを出していけば、おのずと自己治癒力は生まれるということです。

 心についても同じことが言えます。長く続く過剰な感情をもたずに、感情のバランスをとることが大事です。毎日毎日怒っていたり、深い悲しみにくれていたりするなど、度を越した感情をもちつづけることはよくないと教えています。逆に、出すべき感情を出さないで自分の心を抑圧することもいけないといいます。

 過剰な感情を持たず、しかも出すべき感情は出す、というのは考えてみると難しそうです。この点で東洋医学は次のように言っています。自分が使いこなせない知識、考え方はかえって自分をしばってしまう。それゆえ、自分をしばってしまうそういった観念は捨てるべきである。自己治癒力を心身両面から考えた場合なかなか深みのある教えではないでしょうか。



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