ここでは、私自身の独断と偏見にもとづいた500ガンマの印象を披瀝してみたいと思います
真似して、トラブルに会ったりしても責任もてないので、よい子は読まないでね?←なんのこっちゃ
このバイクを購入したのは、92年の6月。
メーター読みで約4000キロ走行の車両で、国内向け500の64PS仕様
タイヤは標準指定のダンロップARROWMAXでした
外観は年代なりでしたが、
クラッチの切れが悪いため、ニュートラルからローへのシフトに手間取るくらいが難で
機関はまず好調の部類だったと思います
最初に感じたのは「あれー500の加速ってこんなもんだったの?」ということでした
パワーバルブがはたらきはじめる7、800rpmまでのトルクはなかなかのもので
さすが500ccもあると…という感じでしたが
その上になると明確に頭打ちが来て
8、500rpmになるとフラットに、9、500rpmではもういっぱいいっぱいという感じで
はっきり言って面白みに欠けるパワーフィールだなあというのが第一印象です
これでは、まず400ccクラスよりは確実に速いけれど、レーサーの250ccよりはぜんぜん遅い
ちょっと油断すると市販の750ccにもだし抜かれかねない勢いです
ハンドリングの印象としては
街乗りセッティングとしては良いところを押さえてるかんじで
まず切れすぎず、粘りすぎず、普通にUターンできる
極低速のフロント周りの応答性に感心しました
17インチのラジアルタイヤが普及した今では当たり前のことのようですが
当時の16インチバイアスのFタイヤ車は、ここで違和感をかんじさせる車両がほとんどで
意外なようですが、リアにも16インチを装着して、あえてアンダーステア気味に仕上げた
カワサキGPZ系などが一番信用できるハンドリングというか
公道の使用条件では本来一番飛ばせるセッティングかな?というかんじがしていました
ガンマのハンドリングは
GPZ系と同様の面倒見の良さがそのまま最高速度域までなにごともなく持続して
そのすごさをかんじさせないさりげなさに、逆に驚きを覚えたのを覚えています
フロントサスの応答性はまずまず
というか標準タイヤに対してはオーバーコンストラクションかな?
というくらい印象は良かったです
ただこれもメンテ次第で、定期的にオーバーホールしないと
パワーが強烈な分、悪路などではフロント周りに激しいキックバックがでるばあいがあります
リアサスのフルフローターは最初違和感がありました
アクセルに対してダイレクトに反応しすぎるというか
なにかバネ下のマスが大きすぎるような(本来そういうことはないはずですが)錯覚を覚えさせるかんじで
バタバタとタイヤが踊っているような様子が伝わってきてなにかヘン
でも慣れるにつれて、これが2ストらしからぬエンジンブレーキの強さとあいまって
いわゆる右手でハンドリングしている実感を持てるセッティングなんだと思い直すようになりました
古いと言ってしまえばそれまででしょうが
いわゆるプロスペック的な、タイヤのグリップ力を信用して、エイヤッと全体重を預けて
アクセルを思い切りねじりこむと初めて本来の曲がり方をするハンドリングとは一線を画するかんじで
右手でタイヤのグリップを探りながらコーナリングするかんじに
好印象をもちました
雑誌掲載のシャーシーのストリップ写真を見ると、
ヘッドパイプが本物より5センチほど遠くて高いかな?というくらいで(これがフロント周りの鷹揚さを演出しているのかな?)
ワークスガンマとよく似たディメンションをしていて、Fフォークのアライメントなんか82ガンマとほぼ同じらしく
いわば僕らはレーサーグループが開発しつくした一番おいしいところを味わっているわけで
ワークスクオリティというのはこういうことをいうのかな?と感心したのを覚えています
まず公道をバリーシーンになったつもりで飛ばすにはちょうどよいセッティングかな?という総体の印象でした
その他に気になった点としては
ラジエターがノーマルのパワーに対してオーバークール気味で
雨の日など2時間も走ると水温がローレベルまで振り切っちゃうこととか
↑うそみたいでしょ?(ガムテで対処)
ガソリンタンクのブリーザーホースの取りまわしが間違ってて
全開にするとタンクのキャップからすさまじい勢いでガソリンが逆流してしまったこと
あと同じ理由で雨水がキャブに浸入して、エンスト、フロート室内の錆びなどを誘発したこと
(これは間違えやすいレイアウトになっている、市場に出回っている中古車の大半は
おんなじ持病もちかも?、これはホースをつなぎかえればすむ話しです)
あとはFブレーキのタッチがスポンジーで、エンジンパワーに対してたよりない印象を与えること
(メッシュホースと、FERODOのパッドでタッチだけ良くしました、本来の絶対制動力は同じはず)
この程度の不満しかないというのは、当時のレプリカとしてはむしろ稀なことで
期待通りお気に入りの一台となりましたが
パワーフィールだけはやはり不満が残るので
知人から譲ってもらった400ガンマ阪奈スペシャル?についていた
スガヤのチャンバーを移植することにしました
(スガヤでは500用のレーシングチャンバーも作られているので
本来はそちらを選ぶべきでしょうが、生来の貧乏性なのか、400用のままで通しています)
これで体感的な吹けあがりは劇的に良くなりました
それまでは目いっぱいまわして10、000rpmだったのが、12,000まで軽々と回ります
パワーはそのぶん上乗せされたかんじで
当時のレベルでは、まず他のどのバイクと競っても負ける気がしませんでした。
主観的に言って、当時の750ccクラスを超えるパワー、リッタークラスにはちょっと劣る位。
いまどきのバイクと比較すると、リッタークラスの国内向け自主規制車と同等位の
パワーフィールだと思います。
ただ効率の良くなった排気系に対して、燃料の供給が追いつかないかんじで
4速以上ではあたかもガス欠したかのような不可解なエンブレがかかるのが難
したがって実質的な最高速はタコメーター換算でふあわキロくらいかな?というもの
吸気系を若干モディファイして、メインジェット交換などでかなり良くなりましたが
基本的には同じ傾向が残っているようです
大きいキャブに換えるとか、ラム圧をかけるとかの対策を講じれば
もう一段上のパワーを発揮すると予想できますが
そうなるとこんどはピストンがもたないことは目に見えてますので、あえてお勧めはしません
じっさいどうなっても僕は責任もてません
この仕様にして、不足になったのはリアタイヤのグリップ
雨の日など、ペイントや水溜り、マンホールのふたなどあらゆる場所がトラップとなってしまいます
いちどバイク便君のFZR400に信号で並ばれときにシグナルダッシュしたら
交差点をでるまでおよそ30mほどもホイールスピンしっぱなしのバーンナウト状態で
本人も面食らったことがありました、冬の雨の日で特別μが低かったのが原因でしょう
バイク便君もさぞや面食らったことと思います
言い忘れましたが、グリップを失ったときのフロント回りの復元性が大変よいのも
ガンマの美点のひとつだと思います(レーサーマシンとしては当たり前のことでしょうが)
どういった条件でそうなったかは秘密ですが
時速ふわわキロからリアタイヤをフルロックさせたままでもなにごともなく停止できる
と言えばおわかりいただけるでしょうか?
で、次なる手段としてリアタイヤをラジアルの「ダンロップGPR70」に換えることにしました
これで、ウェットグリップも含めて数段上の食いつきを見せるようになりましたが
そうなるとフロント周りに不満がでてきます
Fタイヤのグリップが明確に不足しているかんじで
特にμの低い路面などではコーナーの入り口で重心がFからRにリバースする瞬間に
明確にアンダー傾向をかんじさせ、それを無視すると
場合によってはリバースしすぎて、カウンター状態までいってしまうこともあるので
正直、危険な気がしています
FホイールをVガンマ(VJ21A)のものに変えて、ラジアルを履かせてみることにします。
またぬおわキロくらいからの方向安定性に少し不満がでました
おそらくラジアルのグリップにフロント周りが押しまくられて
フレームにお釣りがきているとおもわれますが
合法的なスピードではまったく問題ないので、スイングアームの補強程度で対処できれば
吉と踏んでいますが←甘いかな?
つづく…かな?